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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

澁澤龍彦、幻想の世界NO.42・・・「澁澤龍彦回顧展」(県立神奈川近代文学館)

2008-06-09 | 澁澤龍彦
「澁澤龍彦回顧展 ここちよいサロン」(県立神奈川近代文学館)

「澁澤龍彦回顧展」が開かれている県立神奈川近代文学館へ出かけました。オシャレな「港が見える公園」を横切りながら、今回の企画は生誕80年、昨年は没後20年と、かれこれ澁澤龍彦に関する展覧会はけっこう見ているなアと思いつつ、これまた雰囲気のある文学館を前にしました。

この展覧会の印象は、澁澤の手紙や原稿に触れる機会が多かったように思いました。実際は龍子夫人の代筆がかなりあるようなので、どこまでが澁澤の手によるものかわかりませんが…。その少年のような角ばった文字と几帳面な校正跡、そして髭が尻尾のように“彦”の文字を跳ねているのが、彼のリベルタンとしての姿勢を表しているように見えてしまうから不思議です。

展示のサブタイトルに「ここちよいサロン」とあるように、澁澤は様々な文化人と交流があったわけなんですが、見ていて気が付くのはおびただしい手紙の量。今ならメールとなるのでしょうが、全く意味合いがちがいます。それは寺山修司の展覧会を観たときも感じたのですが、手紙を書くということは、日常的にペンをとって紙の上に文字を書き連ねている行為が普通にあるということです。とかくこの手紙を書くということは面倒な行為であり、続かない、書かないということになりがちなのですが、そこは文字を生業とする方なので、澁澤龍彦を知るヒントとして違和感なく展示物としてありました。そこで思うのは、彼以降の世代の人たちはどうなんだろうか?ということ。澁澤はよく自宅にも仲間を呼んで交流をはかったそうだが、今の世代の文化人と呼ばれる人たちは、どう変化しているのかちょっと興味が湧いたりしました。(とは言っても知る由がないのですが)

ところで展示されていたものの中に、澁澤のサドについて書かれた卒業論文がありました。キャプションによると澁澤は、サドの特性を“世界及び人間の不条理性を《黒いユーモア》の効果的な使用によって暴露する、一種の心的緊張の中にある”とその論文で定義づけたそうです。黒いユーモアとはサドを知るきっかけとなったアンドレ・ブルドンの影響を少なからず感じなくもありません。ちなみに卒論を書いた同じ年、出口裕弘に宛てた手紙にサドは面白いといったことが書かれたものも、その横に展示されていたのですが、サドの名前がサアドとなっていました。澁澤のサドを認識していく過程の一端が見れて、ひそかにほくそ笑んだのでありました。



ところで昨日、秋葉原でとんでもない事件が発生した。無差別殺人は絶対にあってはならないこと。ボクは以前、秋葉原に会社があり勤務していたことがあり、その事件を知った時はショックでありました。安心して生活できる社会、それをせつに望みます。

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2 コメント

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ありがとうございました (紫の上)
2008-06-12 22:59:13
TBありがとうございました。

澁澤龍彦についてたくさん書いているんですね。これからじっくり読ませていただきます。
今後ともよろしくお願いします。
ありがとうございます (飾釦)
2008-06-15 20:55:36
機会があれば、また見ていただきコメントいただけると幸いです。

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