飾釦

のっぺりしているより、いいよね。飾釦(かざりぼたん)・・・。映画、本、美術を中心に綴ります。

鏡花幻想譚への接近#16・・・「日本名作怪談劇場 高野聖」

2008-08-07 | 泉鏡花
昨日はダンス公演による「歌行燈」でありました。本日は再び「高野聖」であります。

「日本名作怪談劇場 高野聖」

■原作:泉鏡花
■放送:1979年・東京12チャンネル系列
■演出:西山正輝
■出演:市川左団次、田中真理、山本一郎

本作品は「日本名作怪談劇場」と銘打たれたテレビ作品である。劇中で魔性の“孤家の婦人”を演じる田中真理は70年代に活躍したポルノ女優。その年代に放送されたものであろう、調べると1979年に東京12チャンネル系列で放送されたようだ。

主演した田中真理、ボクが色気付いて日活ロマンポルを上映する映画館に出入りしはじめる前に活躍したした女優で、もっぱら好奇心で雑誌等でポルノ映画の情報を仕入れていた時に目にした名前で、個人史的な意味で伝説的な存在としてある名前だ。とにかく田中は色気を売りにする女優であるから、男を惑わす“孤家の婦人”の色華の毒は出ていたと思う。作品は概ね原作に忠実に描きながら、なぜ女が魔性の者となったかの由来を新解釈で描いている。(不思議な力を持つゆえ、村に洪水を誘い込んだと村民の男らにレイプされた。失意のうちに女は滝壺に飛び込み自殺し妖怪化したという話)

そうした設定を持ってきた方が映像として見ていく場合わかりやすいのかも知れない。市川左団次演じる宗朝が、滝壺に打たれた修行していると、その水が血のように真っ赤に染まるというのは、ビジュアル的にも“らしい”映像として映るからである。泉鏡花の原作ではそもそも、なぜ女が不思議な力を持つのかという説明が不十分であるから、それはそれでいいと思う。怪談番組として放送されたのだから、男に復讐する男好き女妖怪の話の方がフィットするのだ。

逆に、映像化することによって泉鏡花の小説の曖昧模糊とした部分が、燻し出されてクローズアップされ新たな解釈が・・・、とも見ることができるだろう、そのように思ったのでありました。




下は先日歌舞伎座で上演された玉三郎&海老蔵による「高野聖」。
写真をクリックするとボクが書いた感想へ飛びます。

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