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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「フランティック」(監督:ロマン・ポランスキー)・・・スキャンダルの中の天才監督②

2011-11-02 | Weblog

■製作年:1988年
■監督:ロマン・ポランスキー
■出演:ハリソン・フォード、エマニュエル・セニエ、ベティ・バックレイ、ジョン・マホーニー、他

このロマン・ポランスキー監督の映画「フランティック」は公開当時に映画館で見ているのですが、ハリソン・フォードが主演していたという以外ほとんど内容を覚えていません。確かあの時はまだ独身で、デパガの女の子とデートで見た記憶があるんだけれど(私は初デートなどでは親密にならない限り映画を見に行ったりすることがほとんどなかったので印象に残っている)、もしかしたら彼女が着ていたミニスカートがやその後の展開などが気になって映画に集中していなかったかも?しれないなと。

 

さて、今回久しぶりにこの「フランティック」を見て、あらためてロマン・ポランスキーの語り口の上手さに感心しました(一体当時は何を見ていたんだろうと思います)。アメリカ人医師の夫婦が旅行で異国のパリに早朝に到着、チェックインを済ましモーニングサービスを注文。鞄が間違っていることに気がつき航空会社に連絡をする。まず妻が先に鼻唄を歌いながらシャワーを浴び、次に夫がシャワーを浴びる。その間に、妻がバッグはそのままで部屋から突如いなくなってしまう。忽然と消えた妻、異国のパリなので言葉が通じない。辛うじて通じるホテルのフロントサービスの係の者の言葉を手掛かりに妻を探しはじめる…。そうした様子を前半の多くを丁寧にしかもテンポよく見せていきます。その間、夫の焦りと不安が絶妙に描かれているのです。一人の等身大の男の姿がリアルに存在しているという。

 

しかし、のちのポランスキー夫人になるエマニエル・セニエが演じる黒のジャケット&スカートで身を固め、ガムをクチュクチュ噛みながら、ドラッグもたしなむけっして品がいいとは言えない謎の女が登場するにあたり、話は急に動き出します。言葉が通じない不安の中、夫(=ハリソン・フォード)は火事場の俄然クソ力を発揮し始めます。屋根に登り、カーチェイスをして見たりこのあたりからだんだんと頼れるおじさんとなっていくのです。スタートは等身大であったのがだんだんと勇気と根性のある男らしい男へと変身していく…、最初は身近に感じながらも実際はここまでやれる平凡な男はそうはいない。むしろスーパーマンに近いかも?である。奥さん誘拐の原因は間違えた鞄に隠されたクライストロンと呼ばれている核起爆装置であった。

 

パリへと向かう、もしくは、パリを去る幹線道路の向こう側の風景に見える企業の看板は、やたら日本企業が多いのに気づかされる。1988年のこの当時、フランスでは日本企業が進出し席巻していたのだろうか?

 

 

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