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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

永遠の妖女#12・・・「魔性の女 サロメ」牧美也子(双葉文庫)

2008-02-26 | サロメ
「魔性の女 サロメ」牧美也子(双葉文庫)

昨日に続き「サロメ」を漫画化した作品を取り上げます。著者は牧美也子。漫画界のドン・松本零士の奥様でもいらっしゃるようです。さて、この牧版「サロメ」はオスカー・ワイルドの原作をもとに、サロメが幼児である時まで遡り描いており、それによってヘロデ王と王妃ヘロディアの経緯もより明らかになっています。

物語は若きヘロデ・アンティパスが、兄のヘロデ・フィリポを訪ねるところから始まります。そのヘロデ・アンティパスはすらっとしたイケメンに描かれており、のちも髭を粋にはやしたダンディな紳士風で、助平感はあまりありません。妃のヘロディアの方が恐妻的で夫婦関係も強く、それによってストレスを抱え込んでいるようにも見えます。魔性の女とありますが、むしろそれはヘロディアの方にこそそれが見えてきます。

もともとの聖書の話ではサロメは母親であるヘロディアの指示でヨカナーンの首を要求するわけですから、この牧版「サロメ」でも、それを引き継いでいるのでしょうか、ヘロディアの眼光は鋭くきりりと描かれています。ちなみに美の保全にも余念がなく、今で言うエステのようなボディケアなんかも描かれており、より彼女の性格が強調されているような・・・。

一方のサロメは世間知らず小娘でジャジャ馬的、処女の巫女として吉凶を清めるために踊りを見せてしてほしいというヘロデ王の要望に応えて、サロメはヨカナーンの断首の想いを秘めて、七つのヴェールの踊りを披露します。(やはりここでも里中満智子の漫画と同様“月”を背景に踊ります。)

サロメによって断首されたヨカナーン。目を閉じ銀の皿にのせられたヨカナーン首は、サロメの問いかけに応じカッと眼を開き宙に浮き上がります。それを指差す
サロメ。この構図こそはギュスターブ・モローのあの有名な絵と同じではありませんか!なるほどこう繋がるのね。牧美也子の実力をそこに見た思いがしました。ところで漫画の方は、サロメは死なず改心するという後日譚があり、それも含め壮大なスケールの話となっていました。

歴史ロマンあふるるサロメでした。


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2 コメント

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サロメ (ノラ)
2008-02-26 21:07:32
牧美也子さんの絵きれいですね!
私も漫画は読まないけど これは
ちょっと買ってみたい!
余計な質問!
飾釦さんの読んでいらしゃる本の数凄いですね
買っていらしゃるの?
返信する
本なんですが (飾釦)
2008-02-27 08:52:51
基本的には購入しているものが多いです。お金の方も出ていっちゃうので少しでも安くと古本屋で購入というのが多いです。それでも本を探したりする時間がかかったり、お目当てのものがなかったりすることも多々あるので、最近ではアマゾンや図書館を利用するということも増えてきました。

ただ、本を読むと持っていたくなるので、図書館で借りておもしろかたら購入なんてこともあります。

読書の時間は通勤時間です。休日はなぜか読まないですね。疲れがたまっているのか、読むとつい寝てしまうことになってしまうんで・・・。

ですから、常時鞄の中には2~3冊の本を持って集中して読んでいます。往復の通勤時間が私にとってはエンタメの時間です。
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