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永遠の妖女#10・・・「サロメの乳母の話」塩野七生(新潮文庫)

2008-02-22 | サロメ
「サロメの乳母の話」塩野七生(新潮文庫)

塩野七生によるサロメは魔性の女などではなく、ユダヤの民衆や父親であるヘロデ王思いの頭の賢い理知的で、かつその美貌も世界を支配していたローマ人も注目するほどの女性とその設定を変えて、彼女を世話した乳母の言葉によって人物像を浮かび上がらせる手法をとっています。

舞台となったサロメがいるユダヤの地は、当時ローマ帝国の支配下にあり、ユダヤの各地で説法をとく預言者ヨハネはヘロデ王にとっては非常に頭が痛い存在。また自身もユダヤ人でもありヨハネをの存在を信じたい気持ちもある心優しい人物に描かれています。ローマ人を招いての宴も、田舎の余興では盛り上がらず王はサロメに踊りを披露するよう申し出ます。それは何とかローマ人を冷え込ませてはならないという、立場の弱さからくる苦肉の策。サロメは快く七つのヴェールの舞を見せ、ローマ人も賛嘆、ヘロデ王はホッと一息つくも、肝心要のヨハネの問題がある。サロメはヨハネの首を舞の褒美として要求する。つまり、サロメはヘロデ王ができないでいることを、王の約束という形で実現しユダヤと父の立場を守った非常にかしこい女性なのである。

それが塩野版「サロメ」、そこには倒錯的な愛の欠片もありません。むしろ勇敢で素敵な女性像がそこにあります。そして乳母はかく語ります。

“後世は、またも、こう申します。ヨハネから非難されたのを根に持っていた王妃が、娘に入れ智恵して、洗礼者に復讐したのだと。とんでもないこと。お姫さまが自分の頭で判断したことしかやらない方であるのを知れば、こんな根も葉もない作り話、話す気にもならないでしょうに。”

“「善意に満ちていて、しかも行いの清ららかな人が、過激な世改めを考え説くほど危険なことはないと思うけれど、乳母はどう思う?」”サロメが乳母に言った言葉です。


ネタバレしてしまった凛々しいサロメでした。


※“”部分「サロメの乳母の話」塩野七生(新潮文庫)から引用

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