■製作年:1997年
■監督:ロジャー・スポティスウッド
■出演:ピアース・ブロスナン、ジョナサン・プライス、ミシャエル・ヨー、テリー・ハッチャー、他
インターネット、特にソーシャル・ネットワークの発達で大衆メディアが伝える情報が全てではないことは衆知の知るところになっているものの、依然、巨大メディアが伝えるものは多大な影響を持っているのも事実だろう。少なくともまたメディアの様々なチャネルを牛耳るとは権力を握ることに繋がるのだ。この「トゥモロー・ネバー・ダイ」はメディア王の行き過ぎた黒い野望を描いたものでした。世界中にメディアのチャネルを持つとは世界を支配すること、そのためにはいち早く世界的な大ニュースを報道する力が必要で、なんとこのメディア王のカーヴァー(=ジョナサン・プライス)はそれをために、わざと軍事的な事件を仕組んでしまうというトンデモ野郎。どうやら、そのカーヴァーにはモデルがいるらしいのですが…(そのモデルとはロバート・マクスウェルといわれており、1991年にヨットから転落死する。映画の中でラストにMがヨットでクルーズ中に溺死したと伝えなさいという台詞がありその連関性をにおわす場面がある)。
今回のボンド・ガールは中国外務局公安部員のウェイ・リン(=ミショル・ヨー)、実は階級でいくとウェイ・リンは大佐であり、ボンドは中佐、つまり彼女の方が階級は上であるということだ。カンフーを自在に操り、ボンド顔負けの活躍をみせます。そしてもう一人がメディア王・の妻であるパリス(=テリー・ハッチャー)、なんと彼女は以前にボンドと関係のあった女性(元恋人?)のようで、再会時は突然姿を消したボンドに恨みつらみがあったのか平手打ちの挨拶。最終的にこの二人とはネンゴロの中になるプレイボーイのボンドだが、カーヴァーから見ればボンドに妻を寝取られた形になってしまう。
見せ場はベトナムのホーチミンで見せるバイクによるチャイスでしょう。一台のバイクにボンドとウェイ・リンが乗って逃走するのですが2人は手錠で繋げられており自由が利かない。そんな状態で右のハンドルにはボンドが左のハンドルにはウェイ・リンが握って運転するという離れ業を見せるのですが、これがただ乗っているだけではなく敵に追われホーチミンの街を激走するから、よくもまあ撮影できたな…と。シビレるようなアクションでした。前回は、戦車で街中を激走し街のいろいろな施設を破壊したのですが、今回はこのバイクを始め新しいボンドカーのBMWで突っ走る街を破壊していきます。見様によってはデストロイヤーのジェームス・ボンドなのでありました。
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