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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

近松門左衛門NO.4・・・歌舞伎「女殺油地獄」(二月花形歌舞伎)

2009-02-20 | 近松門左衛門
■日時:2009年2月12日(木)
■劇場:大阪松竹座
■作 :近松門左衛門
■出演:片岡愛之助、市川亀治郎、中村獅童、中村勘太郎、中村七之助、他

大阪松竹座で上演された二月花形歌舞伎「女殺油地獄」を観ました。これまで映画化された「女殺油地獄」について観てきたのですが、歌舞伎となると印象もすこしばかり違いました。つまり歌舞伎の方は演じるのが全て男ということなので、それが印象の違いを感じさせたのでしょうか?特に、お吉という役柄を女形が演じることでその雰囲気がまた違ったような気がしたわけです。

彼女は子持ちで現代でいえば主婦なのですが、とはいえ熟れた女の真っ盛りな魅力があること。それは無意識的に存在しているだけで放っているフェロモンの色香であってほしいわけです。市川亀治郎演じるお吉は、相当な演技上手でありました。なによりも所作が美しい!しかしその仕種をはじめ雰囲気があまりに女性以上に女性らしい故、逆に男を惹きつけるフェロモンの毒が十分には出ていなかったとも印象を受けたのであります。それは致し方がないことです。それを売りにする女優でもそれを滲ませるには難しいのに、ましてや男性となると殆ど至難の業、いや無理な事なのかもしれません。なんせ性が根本的に違うのですから。

そのお吉を演じた亀治郎を見ていて思ったことは、彼は控えめな可愛い女性の方がもしかしたら似合っているかもしれないなということです。昨年9月に観た「加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」における亀治郎演じるお初はとてもかわいかったからです。お吉はどこかおせっかいやきでお説教を垂れながら付け入る隙もある女なのだけれども、今回のものは少しばかり慎ましやかすぎたかもしれません。

先の9月に観た「かさね」ではないが、亀治郎が無惨に殺される女性を演じているのもを続けて観ているためか、殺され方も強く印象に残りました。その演技は見事すぎる。油の上でスッテンコロリンとのたうちまわる所は壮絶極まりました。残された子どもが・・・と言う所は涙をさそいます。そして、お吉の流れる血が与兵衛の頬をなぞり顔が真っ赤になるところは凄惨さをの効果を一層引き出しているような。とどめの場面、えびぞり状態の亀治郎、やってくれます。

ところで、そもそも映画では不明確であったように思えたお吉殺しの部分ですが、今回観た歌舞伎ではある意味、明解であったように思いました。義理の父と実の母が勘当したものの気がかりで豊島屋を訪ねるところ、裏で聞いていた与兵衛はその親が去った後、二人に手を合わせていました。つまりそれは親に迷惑をかけた申し訳ない、改心の行為であります。続くお吉との会話でもその心を打ち明けます(ただしそれは一時のものかも知れませんが)。しかし、お吉への金の無心がかなわぬとなり、ましてや夫から不義の疑いがかけられ、それを溶くのに大変だったと言われたしりから、金を貸してくれるなら不義でもいいからと言い寄り、お吉の胸に手を滑らせるところは映画では描かれていなかった所。それとタイミングよく時を告げる鐘の音(ああ、もう時間がない!)この2つは秀逸でした。続く、殺害後に慌てふためき金が収められた箪笥の鍵を探すところや、豊島屋から頬に血糊をつけたままオズオズと逃げ出していく場面を見ていて、これは強盗による殺人だよなとはっきり思ったのであります。

勢いでやってしまった、行きがかり上やってしまった殺害。計画的ではないことはそれまでの展開をみれば明白なこと。自ら引き寄せた運命の綾によって、取り返しのつかないことを仕出かしてしまった与兵衛の行為。弱いものには強く出て、力のあるもにはペコペコする。そして根拠のない見栄を張る。与兵衛を演じた片岡愛之助の演技が、引立ったお芝居でありました。

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2 コメント

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お久し振りです! (ノラ)
2009-02-21 10:41:57
今 宝塚劇場で公演している
「大王四神記」観て下さい
チテットは「オケピ宝塚」で探せると
思います 但し登録制じゃないので
手渡しが安全です 全て定価より安く出てます
飾釦さんの感想 お聞き(?)したいです
ノラさん、こんばんは (飾釦)
2009-02-21 23:42:43
コメントありがとうございます。

宝塚については、4月まで予定が詰まっておりむずかしいと思います。宝塚は女性が男装する劇ですから、歌舞伎と正反対といえますよね。そうした異装の劇が人気を博しているのは面白い現象ですよね。

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