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政治危機を迎えるレバノン情勢

2006-11-27 | ラジオ
レバノンでは63回目にあたる国の独立記念日が、悲しみの内に迎えられて
いる。21日、キリスト教勢力の指導者のひとり、ジュマイエル産業相が暗殺
されたことでレバノンは分裂の危機に直面している。
これiに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
ジュマイエル産業相は、レバノンの閣僚の中では最も若いものの、キリスト
教勢力の政党ファランヘ党の創始者の孫であり、元大統領の息子という影
響力のある人物だった。
そのジュマイエル産業相暗殺事件は、ハリリ元首相暗殺に次ぐ政治的な大
事件となっている。ジュマイエル産業相はハリリ元首相暗殺事件に関連して、
シリアと他のキリスト教勢力のリーダー達を非難していた。
その為レバノンではジュマイエル産業相自身の暗殺に、シリアが関与してい
るとの疑いを抱く政治家が増えている。
一方でイスラム教徒である閣僚の辞任により、政府内でのバランスが崩れる
中で、キリスト教徒の代表者を殺害することで、事態を優位にしようとしてい
るとして政府自体に疑惑の目を向ける者も少なくない。
しかしジュマイエル産業相暗殺の黒幕が誰であろうと、その目的が様々な宗
教や信仰の均衡の上に成り立っている、レバノンの安定の破壊であることは
間違いないだろう。

すでにレバノンは20世紀の最後四半世紀で内戦を経験している。
しかし国を分裂させようとする試みを失敗に終わり、レバノン国内の各勢力は、
国の一体性を守ることに成功してきた。
その一方でレバノンはイスラエルの侵攻やシリア軍の駐留といった、苦難を味
わうことにもなった。
そしていまやレバノンでは再び、国を二つにあるいは三つに割ろうとする陰謀
が行われようとしている。
中東を常に緊張状態に置き、そこから利益を引き出そうとする勢力が存在して
いる事は確かだ。
アラブ社会の内部で問題が起きている限り、アラブ・イスラエル間の和平は到
底望むことが出来ないからだ。このためパレスチナやレバノンで、内紛を起こ
そうとする試みが続いていると考えられる。さらにイスラエルの軍事侵攻も,同
じ目的を持つかもしれない。

レバノンで発生した政治的な暗殺事件では、犯人が明らかになったケースはひ
とつも無い。全ての勢力が自らの関与を否定し続けている。
ハリリ元首相暗殺事件をめぐって、国際法廷の開設を求める国連安全保障理
事会のイニシアチブは、レバノン社会の安定化をもたらす可能性を持っている。
またレバノンの一連の暗殺事件が、お互いに関連を持っていることは、多くの人
々がこれを確信しているが、もしもこうした関連性が証明された場合、国際法廷
はこれら全ての事件を扱うことになるだろう。

〈図説〉中東戦争全史

学研

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11月22日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル





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