学校選択制による学校間の競争、教師に対する相対的評価による教師間の競争なども、すでに失敗した内外の先例の後追いに過ぎず、時代遅れのものである。
たとえば、東京都杉並区教育委員会は小中学校で実施している学校選択制について2016年度に廃止する方針を決めた。
校舎の新しさなど教育内容と関係ないことで学校が選ばれる傾向があり、一部の学校に人気が集中したり、事実にもとづかないうわさで希望者が激減したりす
るなどのデメリットがめだってきたためだという。
また、教育基本条例はサッチャー教育改革に範を取ったアメリカの「落ちこぼれゼロ法」と酷似しているが、これらの教育改革もすでにイギリスやアメリカで
は失敗だったと認識され、軌道修正がはじまっている。このような失敗の後追いでしかない橋下氏の改革ビジョンの貧困さは明瞭である。