LEDは、超小形、低消費電力・長寿命などの長所があり、近年、単価が安くなったのでいろいろな分野で普及しており、乾電池を電源とするライトにも導入され、とくに made in china の製品は安価なので、相当な数が普及しています。
しかし、電気技術の観点から見ると、信頼性を疑う危なっかしい設計のものが少なくなく、安心できない問題が潜んでいるのです。
ところで、LEDライトには、乾電池を1〜2個使用するタイプと、3個以上使用するタイプとに大別され、両者は電気技術的に別ものなのです。
【乾電池を3個以上使用するタイプ】
このタイプは、複数の乾電池を直列にして、電流を制限する安全抵抗を入れずに直接LEDに接続する恐ろしいものが多いのです。

上の写真は、ボタン電池4個使用の、長さ50mm、直径10mmΦのLEDライトで、キーホルダーにつけて常時携帯し、かぎ穴や暗い場所をちょっと照らすのに便利な、100円ショップの人気商品です。
電池の負荷電流を測ったら 約60mAでした。普通の白色光LEDの定格電流は 20mAなので、なんと定格の3倍で、いつLEDが焼き切れてもおかしくないオーダーで、青白いギラギラの発光です。1分間連続点灯したら焼き切れたとのウエブ記事をみたことがあります。これでは、LEDの特徴の一つである長寿命以前の信頼性の問題なのですが、電流を制限する安全抵抗を追加したくてもスペースが全くないのでどうしようもないです。でも、単価が¥105 と安いので予め予備を購入しておき、普段はなるべく短時間(数秒間)点灯するようにして長持ちさせる使い方がいいでしょう。
次の写真は、秋葉原の電気店で購入した無印の、単3電池3個使用、LED 11個のランタンです。類似のものは、大規模家電量販店、スーパー、ホームセンターなどで ¥500〜1,000 で売っています。
電池の負荷電流を測ったら 約600mA、LED 1個当り約 54mA 、定格の 約 2.7倍でした。電池の負荷電流 600mA は、昔の豆電球を使った懐中電灯並みの電流値で、これでは低消費電力をうたうLEDのメリットが薄れています。これは輝度の低い安価な低輝度LEDを11個も使用しているためです。どうも、LEDの数が多いライトは数に惑わされないで避けた方がいいようです。

ランタンは連続して長時間点灯の使い方をするので、このままだとLEDが焼き切れる確率が高いです。そこで、乾電池とLEDとの間に電流を制限するため 4.5Ωの抵抗器 を1個挿入して、LED1個当りの電流を定格の 約20mAに抑える改造をしました。これにより、LEDが焼き切れる心配がなくなり、電池の消耗が半減して点灯時間が2倍以上に改善されたので、安心して使えるものになりました。
【乾電池を1個あるいは2個(2個以下)を使用するタイプ】
乾電池3個以上使用するLEDライトと事情が異なります。それは、LEDは約3.5V以上の電圧がないと点灯しないので、電圧が約1.5Vの乾電池を1〜2個使用では電圧が足りないので、電池とLEDとの間に高い電圧を発生する ICを使用した「昇圧回路」が入っています。下の写真は3LEDライト例で、3個のLEDの間に実装されている黒色の ICと,緑色のチョークで高電圧を発生します。

このタイプのLEDに流れる電流は直流ではなくてパルス状の複雑な波形のため、手軽に正確な電流を測定するのが困難なので、しかと安全性を確認できずに使用することになってしまいます。
ところで、この乾電池1〜2個使用のLEDライトを連続点灯してみると、乾電池1個当たりの電圧が約1.5Vから0.8〜1vぐらいに低下するまで、長時間点灯するのです。もちろん時間経過とともに発光色は黄色味を帯び照度が低下するので、どのくらいまで許容できるかは用途次第、例えば机の下を照らす程度の用途なら数十時間連続点灯OKです。乾電池の蓄電をしぼり出して使うという感じなので、安価な二流メーカーの電池や使い古しで廃棄寸前の乾電池でもそこそこ使える可能性があります。
以上を総括して、あなたがお持ちのLEDライトの 乾電池の使用個数 を調べ、
・1〜2個なら、電池が安上がりの好い買い物。
・3個以上なら、とくに made in china なら、ご自分かお知り合いに頼んで電流を調べておくと安心です。とくに、過去にランプ切れがあったようなものだと間違いなく過大電流が原因です。もし、調べずに使うのであれば、いつ故障しても困らないように、たとえば、使用する場所を屋内だけに限るとか、予備のライトを用意しておくとか、の対策を講じておくのが安心です。
これから購入される場合、使用乾電池の個数が3個以上の安価なものは購入を避けるか、自己責任で安全抵抗を追加するか、屋内での使用に限定するのが安全です。
個人的には、光量が少なくても良いなら乾電池1〜2個使用のものおすすめですが、安価なものは品種が少ないようです。
一方、高価なLEDライトのなかには電池の交換時期までライトの明るさを一定に保つような制御回路を備えたものがあって、乾電池の交換時期に来た時に突然(故障したように)消えてしまいます。普及品のLEDライトは乾電池の消耗に従って照度が落ちるのですが、突然消えるは故障以外は起こらないです。依って、高価だからと安心せずに、山のような暗い屋外に持ち出すのは危険なので、必ず予備の乾電池を持参するのが肝要です。 デジタルカメラだと突然シャッターが切れなくなるので通常予備の電池を携帯しますが、高級なLEDライトも同じ「デジタルもの」、扱いもそれなりにご注意を!









