新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月20日 その3 小池都政批判派の意見

2017-06-20 18:46:49 | コラム
小池都知事が豊洲と築地についての方針を表明した:

20日の都知事の記者会見を聞いていた。率直な感想は「この程度の方針ならば、移転延期の方針を明らかにした時点でも言えることではなかったか」である。しかも、豊洲への移転時期は明言できなかったのは寧ろ呆れた。この辺りの至らなさは、私が常日頃説いてきた”contingency plan”が全く準備されていなかったことだろう。都知事に立候補した時には、そのくらいの代替案の準備があって当然ではないのか。

この点と、小池さんのコスト意識の無さと言うか無知な点(欠如などという簡単なことではない)は、営利事業の世界の経験がなかったことが最大の原因だと敢えて指摘したい。会場の質問でも豊洲の建設費用6,000億円の処理を如何するかと追及されても、明確に答えていなかった。あの会見では少なくとも移転時期を明確にして、その間の費用と経費は概算で幾らかくらいは明示すべきだった。

私は小池都知事がこれまでの都政と都議会の暗部というのか何と言いたいのか知らぬが、その辺りに光を当てて都政を改革しようと表明された意欲を評価するのには吝かではない。だが、豊洲問題の処理については、長年日米の営利事業の世界に勤めてきた身から見れば、余りに単にコストの点からだけ見ても不見識だと批判せざるを得ない。話の中にやたらにカタカナ語を挟んで語れば良いものではあるまい。

本日の質問でもそれに類似するものがあったが、豊洲で生じるであろう赤字の処理を聞かれたと知事は「都の資金から充当する」かのようなことを言われ、借金で賄うことはしないと聞こえた。私はそもそも都の市場が営利事業なのかと疑っている。であれば、華々しく利益を挙げる必要とか義務があるのかが解らない。もしも、あれが一種のサービス業であれば、その負担分を頭から予算に計上しておけば済むのではないのかな。

それに、私にはもう一つ良く理解できない点があるのだが、それは私が愚鈍だからかと疑っていることかも知れない。それは豊洲への移転問題は1都2府1道43県の中の東京の中央卸売市場の問題であり、日本全体を騒がすか揺るがすような重大なニューではないような気がする点だ。だが、小池都政が始まって以来、国政と同等乃至はそれ以上の大騒ぎである。マスコミは、他にもっと重大な案件を抱えているのではないのか。

事の序でに、もう一件小池都知事の揚げ足を取っておくと、あのパワーポイントの使い方は、長年アメリカのビジネスの世界で過ごしてきた者に言わせて貰えば、合格点にはほど遠いのだ。その理由は何れ機会があれば詳細にあらためて語るが、私は既に「プレゼンテーションの技法」を採り上げて解説してあった。あの内容は”handout”として配布すべき性質だ。



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