新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

清宮幸太郎君

2018-01-13 08:59:04 | コラム
マスメディアによる持ち上げ過ぎが不安だ:

何度も述べてきたことだが、「スポーツ選手で将来有望とされた若者が、マスメディアによる持ち上げ過ぎの結果で不幸にも大成しなかったという例」がいくらでもある。私は清宮君はその例外になれるかどうかが少しだけ心配なのである。確かに、誰だったか専門家が指摘した「次元が低い高校の投手から111本もホームランを打ったというが、プロではそうは行かない危険性がある」が、彼のプロとしての将来性の鍵になるだろうと思う。

面白かったのは、去る7日の張本勲の「喝」の時間に登場した王貞治が「清宮が私の記録を抜くよう打者になりたいと言ってくれたのは結構だが、私は彼をホームラン打者というよりは中距離打者と見做している」と静かに指摘したことだった。

私は長年野球も見てきたが、早稲田という大学とその系列校からは未だ嘗てホームラン打者が出てきた例がないと思っている、早実出身の王貞治という例外を除いて。それはあの野球部の「短く振って前で当てる」としか見えない打撃の指導法に原因があると思っている。王貞治はその早実から早稲田大学を経た荒川博に育てられながら世界の(とは、私は僭称であると断じたいが)ホームラン王に育ったのだ。

そこで清宮君だが、確かに体も大きく力があるようだが、早稲田式の前で当てるバッテイングをしているし、私の見る目には良くあるタイプの「力はあるが運動神経がさほど鋭くない運動選手」に過ぎず、栗山監督か誰か打撃コーチが指導するのだろうが、余程上手く指導しないと王貞治が指摘した中距離打者にすら育たないのではないかと危惧する。

それに、あれほどチヤホヤされては嘗て長嶋茂雄が鳴り物入りで(ほぼ決まっていたと言われる南海を蹴って)巨人に入った時に、かの大投手金田正一がプロの面子にかけてもとばかりに、初対面で4連続三振に切って取ったように、プロの投手は清宮の欠陥を攻めまくるだろう。それは、私の目にも見える左投手のスライダーに弱点があることだ。特に外に流れていくボール球に引っかかる点が目立っていた。プロのスカウティングがそこを見逃すはずがないだろう。

張本勲はかの「二刀流」という誤ったというか間抜けな称号を奉られた大谷翔平でさえ「あの程度の打者はアメリカの大リーグに行けばいくらでもいる」と厳しく指摘していた。私は両面(英語では two way と言っているようだが)を許した栗山監督は大谷の育て方を誤っていると思っている。その栗山が率いる日本ハムが籤を引き当てたことが清宮にとって吉と出るか凶と出るかが、今年のプロ野球の興味の一つだ。



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