新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

内野に芝生がない

2016-12-10 09:11:55 | コラム
アメリカでは何故内野には芝生があるのかな:

戦前から我が国には「職業野球」があったし「六大学野球」の人気も高かったという具合で、「野球」は外来スポーツの中でも花形だった。そして、戦後には”baseballが入ってきたし、「職業野球」も「プロ野球」に変わってしまった。何時の頃かは記憶もないが、アメリカ大リーグ(MLB)の試合の片鱗も映画やニュースなどで模様も見られるようになってきたし、1949年10月にはオドウール監督率いる「サンフランシスコ・シールズ」なるマイナーリーグのテイームもやってきて本場の野球を見せてくれた。

戦前に後楽園球場で職業野球を見ていた記憶では確か内野には芝生はなかったし、ボールカウントもストライクから先になっていたのだったし、アメリカでもそのようになっているものだとばかり思っていた。ところがである、アメリカの野球場では内野にも芝生が敷き詰められ、内野と外野の境目のような所だけ抜けているのだった。だが、当時の子供心の解釈では「アメリカは豊かな国だから、全面芝生にする余裕があるのだろう」となっていたし、その違いが気にはならなかった。

私は1972年にアメリカの会社に転進したが、1978年辺りまではMLBの野球を見る機会はなかった。そこで解ったことは野球の質が違うということよりも、実に華麗で洗練された上手い野球をやっているものだという次元の違いだった。ボールを先にするボールカウントの違いも確認出来た。全面芝生もあらためて確認したが、観戦したシアトルのKing Domeはドーム球場だったこともあり、確か人工芝(商標の”Astro Turf”が普通名詞のように使われていたが)だった。

そこに今になって検索してみると、1987年だったのは意外に遅かったが、MLBから最初の「助っ人」とやらのボブ・ホーナー(James Robert Horner)がスワローズにやってきて大活躍した。だが、1年後には「もうこれ以上something like baseballをやるのはイヤだ」と言ってMLBに帰って行った。長い話を短くすれば、ここに日本の「野球」と”baseball”の違いが凝縮されていると思う。それは単に内野に芝生がないことは「ツースリー」などのようなカウントの仕方だけではないという意味だ。

長い導入部だったが、ここに採り上げたいことは2020オリンピックにおける野球の予選を「復興」の為に福島県の野球場を使うべく、IFの会長や関係者が視察したところ、スタンドの収容可能人員の少なさに加えて「内野に芝生がないこと」も指摘されて決定に至らなかったと報じられた。私は地方まで行って野球を見るほど熱心ではないが、NPBなどの地方興行を見ていると、甲子園同様に芝生は外野だけのことが多い。その点をアメリカン・イングリッシュではなかった英語を話す会長さんまでが指摘されたとは”baseball”の世界では「全面芝生」が当たり前だと、あらためて確認出来てしまった。

私が知る限りでは、我が国では芝生は何か特別な存在で、公共の場などには屡々「芝生に入らないで」との注意の掲示を見ることがある。何故なのだろう。踏み荒らされると芝生の管理と維持が出来なくなると言いたいのかなと解釈している。だが、アメリカに行ってみれば野球よりも遙かに芝生を荒らすフットボール場だって全面芝生だ。ゴルフ場だって打つ度にデイヴォット(divot)が飛び散っているが、誰も荒らしていると批判しないではないか。

私はこれなどな「芝生」に対する文化の違いの表れかと思っている。JOCか野球の関係者か知らないが、あの視察の場で「取り敢えず早速内野を芝生化します」くらいが言えなかったのかと思っている。芝生の維持管理が負担だというのならば、人工芝にすれば済むと思う。それは本戦の競技場になるはずの横浜スタジアムは人工芝だから言うのだ。IFが人工芝を問題にしたとは聞いていない気がする。何で今回のオリンピックの準備段階ではこれほど引っかかる案件が続出するのだろう。森さんにでも伺ってみるか。
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1 コメント

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Unknown (kazk)
2016-12-10 18:48:23
あれ、ご存知ありませんか。

日本だって内野の芝生はかつてはスタンダードだったんです。その頃はアメリカのモノそのものということだったんだと思いますが神宮、甲子園、後楽園、西宮あたりだって芝生がありました。当然、当初は天然芝でした。

詳しい経緯は知りませんが、戦後、甲子園が芝を敷かなかったことが原因のような気がします。そして改築したときもこれはネグリました。確かに芝は養生に手間がかかりますし当然費用もかかります。後、副次的な問題ですがイレギュラーバウンドを嫌った、ということのようです。これを見て高校野球の関係者が内野の芝は要らない物と思い込んだのが大きいと思います。それが習い性になってしまったのだと思います。
ご参考までに。

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kairi1958/article/48
本末転倒な話はこれ
http://www.team-lens.com/backstage/impressions/december/2010_1222.html

だから人工芝であっても芝を敷くというのは当然なんです。一部の関係者にそういう意識がないことが最大の問題だと思いますが、少しずつですが事態は良くなってます。ほっともっと神戸やマツダスタジアムは天然芝です。

あとボブ・ホーナーの話ですが1989年だかにもう一度来日して日本の野球について物を言ってるのですがそのことは知られていませんね。彼はここ2年のうちでなんでこんなに変わったんだ、驚いたといいます。一般人にはわからない何かが天才には見えたのかもしれません。
野茂英雄のメジャー挑戦はこの6年後です。この頃に大きな進歩があったのだというのは小生の持論です。

芝生といえばJリーグが推進するまで皆等閑視してきました。何しろと秩父宮の関係者でさえ冬芝と言うものがどういうものか知らなかったというのですから馬鹿な話です。芝と言えばあと一つ、ラグビーで日本が南アに勝ったブライトンの競技場は人工芝と天然芝のミックスだそうです。

冬芝といえば競馬場もかつては夏芝だけでしたが今は冬芝もはいってますね。オーバーシードという技法ですがこれで日本馬は海外の成績が随分良くなったという気がします。

これはおそらく最初は阿呆なボタンの掛け違いだったんだと思います。それが後々まで響いてしまったものだと思います。

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