新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

トランプ様が「平地に波乱を起こす」どころではない決定を

2017-12-07 07:45:01 | コラム
トランプ大統領はアメリカ大使館をエルサレムに移転する決定を:

私が親しくしていた某商社の部門には中近東駐在経験者が2名いた。その1人に「何故中東の平和が実現しないのか」と何気なく尋ねたことがあった。未だ40歳代になったばかりで血気盛んなやり手だった彼の答えは「そういう質問をするのは世界史を十分に勉強していない証拠。そんな人の質問に答えている暇はない」と、取り付く島もなかった。

尤もだと思い、少し勉強して出直した。彼は「解決などする訳がない問題である。イスラム教徒側の主張は何千年も前に略奪されたものを取り返すのが彼らの責務だと心得ているから、これから先何千年かけても取り返すと言っている」だった。

もう1人とは、ある時彼と2人で我が社の車で国道16号線を走って客先の工場を訪問することになった。時は丁度第一次湾岸戦争の時だった。彼が解説してくれたこの戦争で本当に悪いのは何処の国かという話題は、余りにも我が国で広まっていることと違いすぎた。すると、運転手が突如街道沿いの喫茶店の駐車場に入っていったのだった。

「何をする気か」と問い質すと「本来は乗せている人たちの聞いていてはならないのか我々の仕事だが、余りにも興味深い解説なので先が聞きたくなった。幸いにもお客様の約束の時間には未だ余裕がある。自分がコーヒー代を負担するから是非聞かせて頂きたい」と頭を下げて懇願してきたのだった。結論を言ってしまえば、「悪いのはクエートでありイラクではない」のだった。

事ほど左様に、中近東というか、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の争いと言うべきか何と言うべきかは複雑であり、何千年もの歴史があるものであり、その県外にいる国で見て考えて簡単に割り切れるような性質ではないと、思い知らされたのだった。別な言い方をすれば「マスコミ報道などを当てにするな」という教訓でもあるだろう。

この度のトランプ大統領の決定について、専門家と呼ばれている方々の解説を聞けば、この決定は(determine という言葉を使っておられたが)ただ単に彼の支持層に向けての公約を守る為だけだったのか、何か中近東の難しい諸々の事情を十二分に理解された上での「凸凹の土地に波乱を起こす」と承知の上だったかなどは解る訳がない。

だが、世界史をチャンと勉強してこなかった私でさえ解るような、重大かつ深刻な問題、乃至は争いをあの地区どころか世界各地で巻き起こしかねない決定であるのは確実だろうと思わせてくれる。トランプ大統領の思いはそこまでに及んだ上での大英断だったのか否かは、極めて疑わしいと思わずにはいられない。

選挙キャンペーン中の公約優先とは言うが、メキシコ国境との壁と言い何と言い、実行されていない項目もあれば、TPPやパリ協定のように本当に離脱してしまったものもある。そのどれが本当に「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」に貢献するのかなどは、言うなれば none of my business なのだ。

だが、米国の景気は順調に回復しているという。Job(これを「雇用」と訳すのは誤りだと何度も指摘した)も増えている。株価も上昇した。失業率も低下した。トランプ政権の功績なのかどうかは私には解らない。そこを踏まえてトランプ大統領が「平地でもない場所に波乱を起こして良い」とは限らないと思うのだ。

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