BR 栽培日記 2023

バーズレストランの栽培日記です

オーガニック料理の母

2017-01-01 16:35:40 | 2016年の栽培

日本の友人たちへ

私は、日本の生活と食べ物の熱烈なファンです。何度も日本を訪れたことがあり、日本食が季節感や素材を活かすことを知っています。美を大切にし、手間ひまをかけることなど、私が人生に対して抱いている衝動とほとんど同じように感じます。

ですから、安易な食事がいかにこの国を変えていったかを知って、日本が本来持っている、とても伝統的な価値観を現代の文脈の中で取り戻せたら、と思いました。それがこの本で私たちが伝えようとしていることです。

私は季節感を大切にするのが好きです。秋、器の上に落ち葉が飾られているのがとても好きです。春の玉ねぎの新しい芽が好きです。季節に合わせて器を選ぶこと、レストランの裏に陶芸家がいて特定の料理のために器をつくる、という考え方が好きです。

料理が個性的に盛り付けられ、適度な量、食感や風味に応じたメニューのバランス、そのやり方のすべてが好きなのです。私は常に、日本の食から多くの感銘を受けてきました。

私は安易な食事とその価値観が、日本に育まれてきた食文化の妨げになるのではないか、と心配しています。それは実際にアメリカで起こったことだからです。

アメリカに住む私たちの生活には、菜園と美食という文化が深く根ざしていませんでした。゛50年代にファストフードがやってきたとき、私たちは喜んで受け入れました。私たちはキッチンにいたくなかったのです。庭にもいたくなかった。しかもそれは、簡単に料理する方法でした。そうした中で食文化に何が起こったかを、私は見てきました。それは、アメリカ社会の生活すべての変化でした。

ですから、時間をかけること、農家を大切にすること、旬のものを食べること、家族や友人と一緒に食べることの大切さを、この本で実際にお伝えできることは、私の喜びです。

子供たちのために、この惑星の未来のためのこういったアイディアや価値を分かち合うことができたら、と願っています。
                           アリス・ウォータース

最新の画像もっと見る

コメントを投稿