”ご縁日記”木挽棟梁をめざして

出会いに偶然はないと聞く。これまで出会った方々からどんなメッセージを受け、私はどのように進むのだろうか?

アトリエベル 鈴木光明

2006-07-06 15:08:26 | 水の師(エコロジー・デザイン)
 
東京に「アトリエベル」というエコ塗料の開発・製造・販売をする会社がある。
代表の鈴木光明さんは、(有)寿々木(すずき)塗装店の四代目塗師でもある。
 
国産エコ塗料のパイオニア的存在で、塗料のことはもちろん、博識で頼りがいのある師匠だ。
 
6年程前、床板にどんな塗装をすればよいのか、試行錯誤の時期があった。
自然塗料と呼ばれるドイツ系の様々な塗料から、エゴマ油、アマニ油など
伝統系の物までいろいろと試していたのだが、どれも一長一短あり悩んでいた。
 
そんなときに鈴木さんを紹介してもらった。

「塗料のことは、鈴木のおっちゃんに聞け。」

と熊本の高木淳二さん(高木冨士川計画事務所主宰)に教わったのだった。
 
 
電話すると面食らった。売ってくれないのだ。。。

「どうして塗料を塗るの?木の良さがなくなっちゃうよ!木は塗らないこと!!」

そのまま、塗料の講義が電話で1時間・・・
 
 
「塗装して塗膜をつくる為には、常温で液体の油と固体の脂が必要で・・・」

「薬じゃないんだから健康塗料という言葉はおかしいよ。人にも環境にも害のないエコ塗料なんだよ・・・」

「塗料の中に何が入っているのか、全てを曝しているところはない・・・」

「日本のように温暖で湿潤な気候のところに、さらっとした気候のドイツ系塗料では樹脂が足りないのでは・・・」

 
とにかく、塗料にめちゃくちゃ詳しい人を見つけた、ということがわかり、
ようやく1時間後、塗料を売ってもらえることになった。。。

人が触れる床、建具、家具には塗ってもいいだろう・・・ということになったのだ。
 
依頼した塗料が早速送られてきたが、依頼したものよりもサンプルのほうが多かった。

いらっしゃるんですね。こんな方が。。感動しました。。。
 
 
鈴木さんの塗料には、お気に入りが二つある。
一つ目は「クラフトオイルフィニッシュ」。


塗膜が厚く、滑りにくいという特性があるので、
小さいお子さんや、お歳を召したご家族がいる場合、この塗料をおススメしている。

超仕上げした桧床板にエコ塗装すると、滑りやすくなるものが多く悩んだ時期があった。
 
二つ目は「白木用オイルワックス床用」。


ワックスとは蝋のことなのだが、鈴木さんの原料は化粧品グレード。
 
特徴は、塗装しても濡れ色にならず、それでいてキッチリと水を弾くところ。

素材感をあまり損なわず、いい仕事をしてくれるのだ。酸化チタン入り。

 鈴木さんと出会ってから、塗装して出荷することが少なくなった。

建て主セルフだったり、ワークショップをからめて皆で塗ったり。
 
 
だが、鈴木光明さんは塗料の師匠というだけにはとどまらない。

様々な出会いを演出してくれたのだ。
 
「リビングデザインセンターOZONE 室内環境ラボ」の稲田智子さんだったり、

「住宅建築」に執筆していたフリーライターの平山友子さんだったり。。。
 

数日前もヒョッコリ電話をいただいた。

連絡をもらう時は、いつもいろんなアドバイスをしてもらう。
 

「僕は杉岡さんの経営コンサルタントだよ。いいブレーンだろ!」

と語る鈴木さんは、電話の向こうで笑っている。 

頭のキレる「ドラえもん」を彷彿とさせる師匠が目に浮かび、つられて大笑いをしたのだった。

 

 

 

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