(277)『自然と人間の歴史・日本篇』第二の黒船(機械)

2017-08-09 10:42:47 | Weblog
(277)『自然と人間の歴史・日本篇』第二の黒船(機械)

 重化学工業の発展経路としての機械工業の中では、おおまかに精密機械、電気機械、自動車という区分けになります。そのうちのら精密機械の発展経路はどうだったであろうか、丸尾(筆者)の説明にはこうある。
 56年5月、機械部品、一般機械についての機械工業振興臨時措置法が制定されました。
 56年6月、機械工業振興臨時措置法の制定。機械産業は中小企業が多く見られました。
 66年6月、第三次機械工業振興臨時措置法が制定されました。
 この間の電気機械、自動車、造船、精密機械などを含む機械産業の生産量は24倍、雇用は3倍以上に増えました。この間には労働生産性も著しく向上しました。
 電気・電子工業の発展経路については、概要、次の運びでした。
 57年6月、電子工業振興臨時措置法(電振法)の制定がありました。生産合理化のための製造設備融資と製造設備特別償却制度が設けられました。電子計算機周辺装置の集中生産カルテル。とはいえ、これは家庭電子産業を主眼としたもので、コンピュータ産業育成のための施策としての出発点でした。
 64年6月、第二次電子工業振興臨時措置法が制定・施行されました。
 71年7月、機械電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法、略称で機電法が制定・施行されました。
 78年7月、機械情報産業振興臨時措置法、略称で機情法が制定・施行されました。
 主要な技術開発への育成制度としては、およそ次のような展開を辿りました。
 ①50年代後半から60年代前半のFONTAC補助金があります。これは、富士通、沖電気、日本電気の電子計算機の開発に対し鉱工業補助金の支給を始めました。61年、IBMは日本で生産を開始しました。交換条件にIBMの基本特許を解放しました。
 ②60年代前半から後半に掛けて大型プロジェクト補助金。これはIBM360を越える電子計算機の開発をめざすプロジェクトに100億円が投じられました。
 ③60年代後半から70年代前半にかけて電子計算機開発促進補助金。これはIBM370を越える電子計算機の開発をめざすプロジェクトに700億円。
 ④70年代前半から超LSI技術の開発に対しての技術開発補助金。こちらは、291億円の補助金が支給。75年には電子計算機の資本と輸入が完全自由化されました。
 ⑤50年代後半からIBMレンタル制度への対抗的措置として、81年度までで1150億円もの資金融資が行われました。具体的には、国産の電子計算機の販売力を付けるための専門レンタル会社の設立と資金援助などがありました。70年頃の政策としては、国産メーカー6社のレンタル機関である日本電子計算機(JECC)への開発銀行の融資。下取り準備金制度。レンタルに伴う下取り損失を税制で損金処理。電子計算機買取者に対する1/5の特別償却を認めました。
 ここに電気産業とは、総合家庭電気メーカーを通じて結びついてきました。1956年から60年の第一次成長期は白黒テレビ。61年から70年にけては
カラーレビと電卓。電子計算機開発で出てきた書記の半導体技術を組み込んだのです。
 71年3月、アメリカが日本製カラーテレビとチューナーのダンピングに認定しました。
 77年5月、カラーテレビOMA(市場秩序維持協定)を締結しました。
 79年1月、電子計算機、半導体など高度技術をめぐる日本の産業政策に米国議会で非難の声明がありました。
 自動車工業のおよその発展経路については、なかなかの茨の道でありました。日本車の輸出台数は1973年に200万台を超え、1976年には371万台、1980年には597万台に伸びて、輸出の稼ぎ頭となっていきます。
 これだけの国際競争力の強化を伴う発展が可能となったのは、自動車産業への振興策がとられたことがあります。
 1978年に作られた特定機械情報産業振興臨時措置法(機情法)に基づく自動車部品メーカーへの融資が、1978年から1983年にかけて実施されました。日本開発銀行によるこれらメーカーに対する融資は機振法のときは368社、機電法のときは157社、機情法のときは40社に対して行われました。
 融資を受けた部品メーカーは、完成車メーカーの傘下にあり、部品メーカーの技術力向上はとりもなおさず系列をなしている日本の自動車産業の国際競争力の強化に結びついていくものでした。
 自動車産業を発展させ国際競争力を強化することを柱の一つにしたこれら一連の振興法は、この機情法の終了をもって終了しました。

(続く)

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