(301)『自然と人間の歴史・日本篇』ニクソン・ショックと日本

2017-08-09 21:27:47 | Weblog
(301)『自然と人間の歴史・日本篇』ニクソン・ショックと日本

 ニクソン声明は、日本経済にどのような影響を与えたのであろうか。まずは、党メカの対応の悪さが挙げられよう。というのは、日本のみはドル安となれば輸出が打撃を受けるとの考えから、国益が損なわれつつあることへの対応が鈍感であった。そのため、7月16日から27日までその市場を開いていた。そのため、東京市場は空前のドル売りに見舞われた。
 その間に、下落するドルを日本の通貨当局は固定レートで買い支え続けた。その結果、46億ドル、円で表すと約1兆円分もの外貨が日本に流入した。値をさげつつあるところの外貨ドルを必死で買い支えようとしていた訳である。これでは国庫の損失がかさんでたまらない。そうした批判に晒されたことで、8月28日夜になって、ようやく水田蔵相が変動相場制への暫定的移行を公表し1ドル=360円レ-トでのドル買い支えをやめたのであった。
 次には、ニクソン声明は日本の勤労者、労働者にどんな影響をもたらしたのだろうか。ここでは、社会主義者の向坂逸郎の解説から紹介しよう。
 「世界恐慌と慢性的不況、ファシズム、第二次世界大戦を経験し、悲惨なる破滅を目のあたりに見たわれわれは、「ニクソン声明」と「ドルショック」と同時に、1929年から30年の世界恐慌による世界史の惨憺たる結果を思い出さなければならぬ。いわゆる「ドルショック」が決して円の切り上げという貨幣だけの問題ではなく、生産関係全体の問題であって、アメリカは、日本の生産関係全体にたいする敵意有る政策を露骨にとりはじめたのである。
 アメリカに対抗する軍事力を持たない日本独占資本は「ニクソン声明によってあきらかにされたアメリカ資本主義の政策を、日本の労働者階級を中心とする一般勤労者にたいする搾取の強化によって切り抜けようとする。冷酷に。労働者階級と一般勤労者の血と汗による犠牲である。」(社会主義協会「社会主義」72年1月号)。」

(続く)

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