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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 180 顔

2016-12-03 21:46:57 | 映画観賞・感想

 「CLARK THEATER 2016」の中で上映された5本の映画の中で、唯一ストーリーがしっかりし、名だたる俳優たちがキャストを務める商業用映画である。主演の藤山直美の芸達者ぶりがいかんなく発揮された映画だった。 

                  

 11月26日(土)3本目の映画は、阪本順治監督、藤山直美主演の「顔」という映画だった。映画は2000年公開であるが、同僚のホステスを殺し全国を逃げ回り、時効寸前に逮捕された福田和子事件をヒントに創られた作品という触れ込みだった。

                  

 例によって配られたパンフからあらすじを紹介すると…、

 「その殺人、『妹殺し』は、決して計画的な犯行ではなかった。衝動、むしろ事故ともいえる。当人にとってさえも突然の出来事だった。生まれてからずっと家の中、そして劣等感や自己嫌悪という心の殻に籠りっきりの卑屈で歪んだ生活を送ってきた吉村正子(藤山直美)は、実母の葬儀当日、折り合いの悪かった妹を口論の末、殺害。35歳になってはじめて家を捨て、偽名を使い逃亡を始める。行く先々で様々な人間に出会う正子。決して優しいとも美しいとも言えないそれらの出会いのひとつひとつが、彼女に今まで感じたことのない、生きている実感を与えていく。しかし、その一方で、警察の手は着々と正子に迫っていた…」
 

                  
                  ※ 主演のご存じ藤山直美さんです。

 出演は、藤山直美、豊川悦司、國村隼、大楠道代、牧瀬里穂、内田春菊、早乙女愛、渡辺美佐子、中村勘九郎、岸部一徳、佐藤浩市といったそうそうたる面々である。
 そうしたそうそうたる面々の中に埋もれることなく、主演の藤山直美の存在感は光っていたように思われた。

 殺人を起こす前までの冴えない正子の表情と、殺人を犯してから逃亡生活に入ってからの彼女は徐々にその表情が変わってゆく。特に、大楠道代演ずる律子が経営するスナックで接客するようになってからの正子は、まるで別人のように生き生きとして、表情もまるで違って見えた。
 このあたりの役作り、さらには舞台の喜劇役者として面目躍如といった感じで、観ている者をクスッと笑わせる演技力など、際立っていた。こうした藤山の演技はこの年(2000年)の各映画賞の主演女優賞をほぼ総なめにしたが、さもありなんと思わせるものだった。

 いくつかの挿話を挟みながら彼女は徐々に警察の手によって追い詰められていく。最後は小さな島に渡っていた時に身分が明らかにされ、絶体絶命のピンチに陥るのだが、彼女はなあ~んと、夜の海に浮袋を使って泳ぎ出すのである。
 そのぶざま泳ぎっぷりも観ている者たちをクスッと笑わせるに十分なラストシーンだった。

               
               ※ 映画が終わってからなぜか登場したお笑いコンビ「金属バット」の二人です。

※ なお、この映画の上映が終わった後、どういう意味があるのかは不明なのだが、大阪吉本から漫才コンビ「金属バット」という二人がやってきて、漫才を聴かせてくれた。
それなりに笑わせてくれたが、会場の客が少ないこともあって、彼らのテンションが下がりっぱなしだったことが気の毒だった。



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