田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も10年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 パチャママの贈りもの

2016-12-24 21:50:47 | 映画鑑賞
 パチャママとは、インカ帝国の末裔、アンデス先住民の言葉で“母なる大地”をいう。そのパチャママに暮らす先住民の家族たちの素朴でやさしい物語である。ウユニ塩湖の真っ白に広がる平原が印象的な映画だった。 

                 

 12月23日(金)午後、さっぽろ市民シネマとアイヌ・先住民族電影社の主催による「パチャママの贈りもの」の上映会が北大学術交流会館で開催され、参加した。
 あまり熱心とは言えないのだが、アイヌ民族のことをはじめ先住民族の問題は、私の一つのテーマでもあると思っているので参加を決めた。映画の後に、監督・制作した松下監督が直接語ってくれるということも私の背中を押した一因だった。

 映画は、ウユニ塩湖の傍で暮らす先住民族ケチュア族の少年コンドリの一家の生活を通しながらストーリーは展開していく。コンドリの父サウシは、ウユニ湖に堆積した塩を切り取り、それを売って生計を立てている。
 コンドリたちは貧しいながらも心豊かな日々を送っている。季節の移ろいの中で、彼の中にも変化が訪れた。祖母の死、友人の引っ越し、等々…。
 そして、サウシとコンドリ親子は切り出した塩を、飼っているリャマの背に載せ、遠方へ塩を届けるキャラバンの旅に出る。

            
            ※ 塩キャラバンに出発するサウシ(右)、コンドリ(左)の親子です。白い背景はウユニ塩湖です。

 それはあたかも、アンデス先住民ケチュア族の生活をドキュメントで描いているかのように進行する。それは映画の後で監督も語っていたが、ドキュメントタッチのドラマ、ということでドキュメンタリードラマとも称するそうだ。

 キャラバンの旅で、コンドリは先住民族の生活や風俗、さらには彼らがおかれている厳しい現実が描かれている…。
 そうした旅の中で、思春期であるコンドリはほのかな初恋も経験する。

                 
                 ※ 松下俊文監督です。

 映画上映の後、先住民族に関する映画の上映を続ける団体の代表・阿部千里さんがインタビュアーになって松下俊文監督と対談した。
 彼の制作動機は、ウユニ湖周辺の住民を描きたいというものだったという。それから現地へ通い始め、6年の歳月をかけて完成したという。その制作の過程で先住民族の問題にも気付き、当然そのことにも触れるような内容になっていったという。

 パチャママの恩恵を信ずるボリビアの先住民族たちであるが、実はボリビア国民の95%はスペインの占領政策によってカソリック教徒に改宗され、それを受け継いでいるという。
 しかし、一方では(あるいは本心では)先祖伝来のパチャママへの崇拝も忘れていない。

 時代の変化はサウシ、コンドリ親子の周りにも押し寄せ、貧しい塩の切り売りをやめて、建設現場で働けという誘いも受けている。時代の変化の中で彼らのこれまでの生活を続けていくことができるのだろうか?
 きっと彼らも時代の波に洗われ、価値の葛藤に悩まされる日が来るのだろうなぁ、と思いながら会場を後にした。
 
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