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触媒で不可能を可能にする

2017-07-13 21:50:08 | 大学公開講座
 講義の中に化学式が出てくる典型的な理系の話であったが、今回の講義はとても心楽しく聴くことができた講義だった。講師の福岡淳教授の研究は、触媒の世界で世界の研究者と先陣争いを繰り広げている第一人者であった。 

 少し時間が経ってしまったが、7月3日(月)より北大公開講座・全学企画という公開講座がスタートし、受講している。この講座は総合大学である北大の全学部が関わって一つのテーマでさまざまな分野から論ずる公開講座である。
 今年のテーマは「『非常識』が照らし出す私たちの未来」と題するものである。

                    

 その第1回講座が7月3日(月)夜開講され、触媒化学研究所の福岡淳教授「触媒で不可能を可能にする」と題して講義された。
 福岡教授は、ご自身が取り組む二つの研究について紹介された。それは…、
 ◇触媒で野菜・果物の保存期間を延ばす
 ◇触媒でバイオマス(木や草)からプラスチック・燃料を作る
という二つの研究である。前者の方はすでに実用化され、後者は現在実用化しつつあるということだった。
 
 触媒とは、「少量で化学反応を促進する物質」であるというところから講義は始まった。
 そして、身の回りに触媒を反応を応用して実用化されているものとして、石油精製や石油化学の製品づくりに、燃料電池の生成に、自動車排ガスの浄化に、と様々なところで私たちの生活を支えていることが説明された。身近なところでは、汗のにおいを分解するゼオライトの生成にも応用されているという。

 さて、福岡教授の第一の研究である「触媒で野菜・果物の保存期間を延ばす」研究であるが、野菜や果物の劣化を促す成分のエチレンの酸化を防ぐことが課題だったという。
 ここからの科学的説明は私にはチンプンカンプンだったが、ともかく福岡教授は白金を触媒とする(それを「プラチナ触媒」と称した)ことで、エチレンを二酸化炭素と水に分解することに成功し、野菜や果物の保存期間を飛躍的に伸ばすことに成功したという。
 このことに注目した日立電機では自社の冷蔵庫に導入し、現在市販されているそうだ。

               

 そして、もう一つ研究が「触媒でバイオマス(木や草)からプラスチック・燃料を作る」という、今や地球温暖化対策や気候変動問題に対応する方策として画期的な研究の実用化を目ざす研究である。
 この研究の内容についても、私にはほとんどが理解不能だったのだが、研究内容を整理すると、木や草などをセルロースに分解されたものをプラスチックや燃料に合成する技術についてはある程度達成されているということである。(事実、ブラジルではサトウキビからバイオエタノールを生産化し実用されている)
 ところが、木や草などをセルロースに分解するためのコストがかかりすぎ、世界的には実用の段階となっていないのが現状であるらしい。
 福岡教授の研究は、このバイオマスをセルロースに分解するコストを飛躍的に低減させることを世界の研究者と争っているということだ。
 ここで福岡教授は、それまでの常識ではありえないと思われていた活性炭を触媒とする方法を発見したという。(このあたりは私の理解の怪しいところであるが…)そして福岡氏は低価格で高活性な炭素触媒を開発し、バイオマスからセルロースに分解するコストを1/6に低減する新法を開発したということだ。

               

 私の理解が不十分なところはあるが、ともかく福島教授は画期的な方法を開発したようである。現時点では論文は未発表とのことであるが、とても夢のあるお話を伺った思いである。
 実用化までには、まだ幾多のハードルがあるのかと思われるが、化石燃料の枯渇が言われ、地球温暖化が叫ばれる今、福岡教授の研究が実を結ばれることを心から期待したい思いである。
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