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私の札幌生活も10年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

アイヌ民族文化祭2016

2017-01-30 16:48:16 | イベント
 1946(昭和21)年北海道アイヌ協会が設立してから70周年を迎えたという。アイヌ民族のおかれた現況を伺い、さらにはアイヌ民族の文化をたっぷりと堪能した一日だった。 

                    

 1月21日(土)午前から午後にかけて、かでるホール(北2西7)において、「アイヌ民族文化祭2016」が開催され参加してきた。

 文化祭は盛りだくさんの内容で構成されていた。プログラムは次のとおりである。

 ◇記念講演(11:00~12:00)
   「アイヌ語復興の課題と展望」      千葉大学文学部教授 中川  裕 氏
 ◇記念報告(13:00~14:30)
   〇報告Ⅰ「『北海道』の始まりから『北海道旧土人保護法』へ
               ~土地、狩猟と漁業の資源~」
                      北海道博物館学芸主査 山田 伸一 氏
   〇報告Ⅱ「アイヌ新法案からアイヌ文化振興法の制定へ」
                    北大名誉教授、元北大総長 中村 睦男 氏
   〇報告Ⅲ「アイヌ政策における法律の役割」
               北大アイヌ・先住民族研究センター長 常本 照樹 氏
 ◇アイヌ文化公演パートⅠ(14:40~15:25)
   「アイヌ文化の精神性への理解促進」~アイヌ語の伝承・保存・振興の一つの姿~
     〇二風谷アイヌ語教室子どもの部

               
               ※ 二風谷アイヌ語教室の子どもたちの舞台です。

     〇アイヌ文化伝承者 川上 容子 さん

               
               ※ 口承でアイヌ文化を伝え続けている川上容子さんの舞台です。

 ◇アイヌ文化公演パートⅡ(15:35~16:25)
   「多文化共生への取組」~伝統芸能の競演~
     〇カピウ&アパッポ「Kapiw & Apappo」

               
               ※ 阿寒湖畔在住の姉妹デュオ「カピウ&アパッポ」のムックリの演奏です。

     〇江差追分会

               
               ※ 江差追分全国大会優勝経験者の木村香澄さんの舞台です。

     〇帯広カムイイトウウポポ保存会

               
               ※ 帯広カムイトウウポポ保存会の「弓の舞」の一場面です。

という盛りだくさんの内容だった。

 イベントの全てをレポすることは内容的にも、分量的にも私の力量では無理である。
 ここでは、記念講演に限ってレポすることにする。

 記念講演の「アイヌ語復興の課題と展望」では、言語を維持するには経済活動との関わりが重要という話には納得するところがあった。つまり、明治以降アイヌ民族はアイヌ語では生活できない経済体制の中に組み込まれたことによってアイヌ語は衰退してしまったという指摘である。
 そこで中川氏は言語復興(アイヌ語復興)のためには、三つの柱が重要だとした。
 その三つの柱とは、◇地位計画、◇核計画、◇威信計画、と何やら物騒な単語が飛び出してきた。しかし、話を聞くと…、
 「地位計画」とは、言語(アイヌ語)の社会的地位を高めること。
 「核計画」とは、言語の核(言語そのものを構成する語彙・文法・表現法など)となることを学習可能なように整備していくこと。
 「威信計画」とは、威信(その言語の社会的)イメージを高めていくこと。
だそうだ。
 そして中川氏はアイヌ語復興のために次のような提案をされた。
 アイヌ協会などは組織として上からできること、つまり国や制度に働きかけ、環境を整えることに取り組んでほしい。
 アイヌとしてのアイデンティテイを持つ人たちは下からできること、つまりアイヌ語に親しみ、使っていくことを意識してほしい。
 研究者をはじめとした、その他の人たちは横からできること、つまりアイヌ語の学習環境を作ることサポートし、アイヌ語があたりまえに使える社会を目ざすために力を尽くしてほしい。
 と提言された講演を結んだ。非常に説得力のある講演だった。

               
               ※ 中川千葉大教授の講演の様子です。

 記念報告は三人の報告者が、アイヌ民族が日本の歴史に登場し、「北海道旧土人保護法」、
「アイヌ新法(アイヌ文化振興法)」と法律が変わってきたが、アイヌの人たちがおかれている現状は、生活の困窮や教育格差などまだまだ大変な現状であるとした。
 ただ、現在は2020年の東京オリンピックを前にして、白老町に「民族共生象徴空間」が開館するなどアイヌ民族に追い風が吹いているとする報告があった。
 ここを好機としてとらえてアイヌ民族の現状の改善を目指すとともに、ポスト2020も視野に入れながら活動を進めていくことが求められているとした。

               
               ※ 記念報告の三人の報告者が登壇したシンポジウムの様子です。

 そして最後のアイヌ文化公演の1部、2部はともに、アイヌ民族の中で継承されてきた文化遺産をけっして絶やすまいとする人たちの真剣な舞台を確認することができた。
 誰もが平等であるべき社会の構築のためにも、関係者はもちろん、私たち一般人ももっと理解を深める必要性を痛感した「アイヌ民族文化祭2016」だった。
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