ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

F.ツィンマーマン+NDRエルプフィル=ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1&2番」

2017-08-16 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴いた.F.ツィンマーマンのヴァイオリンと,A.ギルバート指揮+NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団による,ショスタコーヴィチ・ヴァイオリン協奏曲第1&2番.

 両ナンバーとも,やや速めのテンポを採り,譜面を隅々まで丁寧に再現した演奏.ツィンマーマンの独奏は,正確な技術はもちろん,即興的に奏法を工夫したり(グリッサンドやスル・ポンティチェロ,フラウタンドなど),リズムを伸縮させるなどして,たえず音楽に変化をあたえることも忘れない.ギルバート率いるNDRエルプフィルは,ライヴレコーディングゆえの平凡なミスがないではないが,シンプルな音響の弦楽器群始め,強奏時にもうるさくならない清新なアンサンブルが快適.唯一,「第1番」第1楽章などでは,先へ進みたいソロイストと,今ひとつエンジンのかからない彼らとのもどかしい齟齬が聴かれ残念.さいわい,その後は立て直し,颯爽の曲作りに一貫する.なかでも,直後の同曲第2楽章の,推進力あるスケルツォ部分と,粘っこいグロテスクさ際立つトリオとの対比は印象に残る.録音はオーケストラ全体の雰囲気を品やかに伝える優秀なもので,僕好み.


SHOSTAKOVICH: VIOLIN CONCERTOS (SACD Hybrid)
Frank Peter Zimmermann (violin),
NDR Elbphilharmonie Orchester,
Alan Gilbert (conductor),
BIS Records,BIS-2247