火と灯の歳時記

火の季語、灯の季語で詠まれた作品をおよせください。投稿場所は「ににん」ホームページに新設します。(10月1日開始)

かぎろひ

2012年04月21日 | 火・灯の起源
俳人協会4月号会報より転載    筆者 宇陀草子



毎日新聞2012年4月6日記事より転載

2012年04月07日 | 火・灯の起源
余録     

▲シベリアのブリャート人の神話によると大昔、人間は火をもたずに、いつも空腹で震えていた。気の毒に思ったツバメが天神テングリから火を盗んできてくれる。その時怒ったテングリの矢を受けて、ツバメの尾は二つに裂けたという。
▲人間は、以来ツバメが家に巣を作るのを歓迎するようになった。このように鳥や動物が神から火を盗んでくる神話は世界中に分布する。火の起源が盗みなのは、火の利用が神や自然への反逆だと意識されていたからら
しい。
▲では実際に人類の祖先が火を使い姶めたのはいつごろからか。先ごろ南アフリカのワンダーウェーク洞窟で、原人のホモーエレクトスが火を使っていた約100万年前の痕跡が見つかったとのニュースが伝えられた。カナダのトロント大学などのチームによる発見だ。
▲見つかったのは地層中の焼かれた骨片や植物の灰で、焦げた岩もあった。野火などによるものでなく、洞窟で意図的にたかれた火の痕跡とみられ、チームは料理に使ったものと推定している。これは今までの発見を約30万年さかのぼる最古の火の利用痕になるという。
▲料理は言語を除く人類最大の発明だとダー・ウィンは言ったそうだ。そして人類は火を使った料理で消化の負担を減らし、脳を進化させたとの説が注目される昨今だ(R・ランガム著「火の賜物」NTT出版)。人類と火と料理の出合いを示す100万年前の炉である。
▲もっともこんな料理の起源を牛のレバ刺し販売が法で禁止されようという世相の中で聞けば、今や生食こそ食文化だといいたい方もいよう。食の安全も人類が築いた文明の基本原則ではあるのだが……。 2012・4・6

2012年03月26日 | 三春
ひりひりと火傷の痛む雛納め        新木孝介
火を吹けば坩堝の中の雛祭             高橋寛治
春嵐象にも灯すことありし             岩淵喜代子

花篝

2012年03月26日 | 晩春
花篝闇の深みに爆ぜる音     兄部千達
窓際の篝火花が歌ひ出す      小塩正子
一笛の舟のゆくへや花篝      浜田はるみ
それぞれに文字主張する花雪洞      同前悠久子

太陽

2012年03月26日 | 太陽
次の雁その次の雁大朝日          川村研治
太陽が昇る枯野のものたちへ        川村研治

春炬燵・行火

2012年03月26日 | 三春
牛となる時間こひしき春炬燵   服部さやか
猫抱いて春炬燵めく昼座敷      伊丹竹野子
樫の木の炭甦る春炬燵      伊丹竹野子
春炬燵静まりかへる日でありし   河邊幸行子
春こたつ我いつぴきの猫なれば      木佐梨乃
背負いたるものを脇にし春炬燵      木佐梨乃
孫一人茶の間の記憶春炬燵      栗原良子
春炬燵海へ行く夢見てをりぬ      島崎正彦
読み聞かす賢治の詩歌春炬燵      西方来人
ぽつねんと萎びた猫と春炬燵      高橋寛治
帰宅して競ひて入る春炬燵      辻村麻乃
涙なく去る人待てる春炬燵      中村善枝
醤油の香漂ふ町の炬燵舟      佐々木靖子
赤い毛布行火に掛けて舟舫ふ      佐々木靖子

雁風呂・雁供養

2012年03月26日 | 仲春
雁風呂の煙まつすぐ北を指す         浜田はるみ
ペンションにひびく海鳴り雁供養       山田紗也
雁風呂や白髪の鬼のひとり酌む         新木孝介
旅にゐて雁風呂といふ美しきこと       河邊幸行子
雁風呂や首の骨から耳すます            高橋寛治

春暖炉・ストーブ

2012年03月26日 | 三春
会員と一期一夜の春暖炉           栗原良子
火を入れてこその暖炉や独り住む       佐々木靖子
海鳴りのストーブ列車走りだす        宮本郁江
春の炉の灰ねんごろに人迎ふ         河邊幸行子
春暖炉ついでにくべる文の殻         河邊幸行子
春暖炉森閑と灰輝きぬ            中村善枝
鉄瓶の湯気ぐらぐらと大火鉢         及川希子
尼寺のもてなし先づは春火桶         浜田はるみ
裏山の樫の森見て春炉焚く          兄部千達

春灯

2012年03月26日 | 三春
新しき春の灯ともす家族かな         服部さやか
春の灯や買物袋に葱の出て          服部さやか
音読の聞こえる窓や春灯           宮本郁江
安曇野の流れに映る春灯           宮本郁江
心解く女医の眼差し春灯下          山内かぐや
春燈や住む人なきに灯りたる         伊丹竹野子
春の灯も星もふるへて地下工事        木津直人
春燈をたしかめ住宅街歩む          栗原良子
春燈や占ひの列長くあり           兄部千達
春夕べ灯りもつけず米を研ぐ         小塩正子
春の宵灯明あげてひとり酒          小塩正子
下巻まで辿るロマンス春灯          島崎正彦
春燈下われをいざなへペルシャ猫       島崎正彦
春燈や瑠璃のショールとフエルメール     志村万香
春燈や駅の足湯に浸かる連れ          西方来人
春燈下のら猫騒がし屋敷跡         中島外男
春燈や酒も涙も同じ色           中村善枝

野焼き

2012年03月26日 | 初春
畦焼きの煙漂ふ棚田かな          中島外男
畦焼くや農夫はいつもそこにゐず      小塩正子
山焼きて古老の瞳潤ひぬ           兄部千達
山焼の火付けも近し遠花火         志村万香
山焼きのカルスト台地の目覚めかな         ひろ子
子ら駆けて矢作の土手の野焼かな      同前悠久子
芝焼きやモグラの土の盛り上がり       中島外男
芝焼けば届出せよと族者            伊丹竹野子
少年の坊主のごとき野焼かな          服部さやか
上空の鳥の影消す野焼かな          服部さやか
叩かれてますます猛る野焼きかな       西方来人
畑焼きの炎の中の安堵かな           兄部千達
野火果つるいつかは我も昇華せむ      中村善枝
野火走るきのふの私捨ててゆく         山田紗也
野焼きあと小道に佇む石仏           中島外男
一筋の野焼きの跡の煙かな           小塩正子

磯焚火

2012年03月26日 | 仲春
三月の空をくもらす浜辺の火 浜岡紀子
長身の海女が囲めよ磯焚火 同前悠久子

火祀り

2012年03月26日 | 初春
しんしんと光あまねく御灯祭 志村万香
二月半ば「鬼まつり」とは火の祭 同前悠久子
火祭や乙女心の揺れやまぬ 志村万香

左義長

2012年03月26日 | 新年
どんと火や己の生を生き抜けと            四宮暁子
どんと火や賜り物の我が命              四宮暁子
どんど焼きまゆ玉つき出す背の子           中島外男
どんど焼の煙とみれば雪となる            高田まさ江
どんど焚く老人語り口しづか             たか楊子
嫁欲しと煙に祈るどんど焼              高田まさ江
三日月へひるがへりたるどんどの火          武井伸子
招き猫も抛り込まれるどんどの火           佐々木靖子
人は皆暗さを背負ふどんど焼             山内美代子
赤城遠く田んぼの中のどんど焼き           佐々木靖子
注連縄も悲しみも火にどんと燃ゆ           四宮暁子
墓山にどんどの煙移りけり              宮本郁江
母もかく温まりしかどんど焼             岩淵喜代子
左義長の火の粉をどつと海へ吐く           岩淵喜代子
左義長の団子が売れて海の町             岩淵喜代子
左義長や闇に置き去る相模湾             岩淵喜代子
さいと小屋組むや昨日と明日の間           岩淵喜代子

窯始め

2012年03月25日 | 新年
男ども俄か趣味なる窯始め         木佐梨乃
窯始めぶかっこうなる猪口ひとつ      木佐梨乃

一つ火・滅灯会  

2012年03月24日 | 仲冬
一ツ火の闇の深さの呼吸かな     川村研治
千人の堂のさざめく滅灯会     川村研治

藤沢遊行寺の歳末行事11月27日