
新年 明けましておめでとうございます。
2011年は、私の人生において、そして恐らく、日本と全世界において、大きな折り返し地点となる年だったと思います。
いよいよ年が明けて2012年。
パン屋タルマーリーは、ここ、岡山県真庭市勝山という新たな土地に拠点を移し、2月中旬から再開する予定で、準備を進めています。
どうぞ本年も、よろしくお願い致します。
新年にあたり、ずっと書きたいと思っていたことを、書こうと思います。
岡山県と言えば、果物王国!
昨年夏に岡山県へ移住し、これまでの人生にないくらい、桃、ブドウ、梨、イチジクなどなど、フルーツを堪能しました!
しかし、日本の果樹栽培には、大量の農薬が散布されているのも事実。
特に桃はデリケートで、綺麗な“肌”での出荷が求められる現状で、無農薬栽培はほぼ皆無。
食べてみると甘いけれど、農薬散布の影響か、特有のえぐみを感じることもしばしば。
そして、表面の肌は綺麗でも、中心にある種はもろくてパカッとふたつに割れていたり、カビがはえていたりすることも…。
種がしっかりとした“種”の形をしていることは、ほとんどないくらいでした。
そんな中、ご縁があって、岡山県内で果樹の無肥料栽培にチャレンジし始めている方と出会い、無肥料・減農薬栽培の桃をいただきました。
無肥料栽培の桃とは!なんと貴重な、待望の、夢のような桃!!
肌にはちょっと斑点があるけれど、ずっしりと重い果実。
皮を剥いて一切れ食べてみると、とてもすっきりとした上品な甘さ。
そして、えぐみや渋みがまったくない!
更には、その種のなんとしっかりとしていることか!!
厚くて頑強な種の殻。
まさに生命力溢れる、美しい“核”でした。
私は、この無肥料栽培の桃に、とても大切なイメージをもらいました。
一番大切にすべきなのは、肌の美しさではなく、「種」をしっかりと育てることだ、と。
うちの長男のヒカルはアトピー体質で、特に赤ちゃんの頃は顔の湿疹が酷くて、未熟な母の私は、日々本当に心配でした。
しかし、素敵な方々に助言をいただき、肌に表れている症状は排毒であって、内臓に病気があるよりもずっと良いこと、心配いらない…と教わりました。
だから、一般的な「かわいそう」という反応にも屈することなく、薬は一切使わず、なるべく化学物質を摂らない食生活をしながら、子どもの自然治癒力に任せてきました。
今、2歳のヒカルは、顔はまあまあ綺麗なのですが、胴体はちょうどこの写真のみかんの肌みたいな感じです。
このみかんは、4月から母子避難でお世話になった桜野園@水俣の里実ちゃんが、
「とっても美味しい自然栽培のみかんなので、たくさん送りますね!」
と送ってくれた、熊本県三角の自然栽培(無肥料・無農薬)のもの。
私は農産物流通の会社に勤めていたときから、結構いろいろな産地と栽培のみかんを食べ比べてきたので、この頃では見た目だけでも美味しいかどうかが、少しわかるようになってきました。
一見、肌が“汚い”このみかんたち。
だけど、今の私には「すっごく美味しそう!」と思えます。
見るところは表面的な肌の美しさだけじゃない。
そのみかんの本当の中身。内面から溢れてくる生命力と美しさ…。
本当に大切なのは、それを想像できる人間の力を、取り戻すことなのかもしれません。
無肥料栽培の桃が教えてくれたイメージ。
私は母親として、子ども達の「種」=「次の子孫を生み育む力」、を、しっかりと養っていくのが使命である…ということ。
自然栽培のみかんが励ましてくれること。
肌が“汚く”ても、こんなに美味しい果実を内に秘めている、という希望。
さらに、タルマーリーのパンの命=「酒種」の原料となる、自然栽培のお米と天然麹菌が示してくれる道。
自然栽培の素材+天然菌醸造による調味料を基本とした、自然本来の食事をしていくことが、「種」をしっかり繋いでいく道であること。
そして、タルマーリーは只今、パン屋の“肌”となる内装工事の真っ最中。
プロの業者さんに頼めば、あっという間に綺麗に仕上げてくれるのはわかっているのですが、できる限りスタッフと一緒に工事をしていくことも、タルマーリーの考え方の表現なのです。
私たちの想いがじわじわと伝わるような、滲み出る“美しさ”を感じてもらえるお店にできればいいな〜なんて、思っています。
無事にパン屋をオープンさせることが、今は何より一番の目標です。
でも、私の一番の願いは、今年もどうか、かけがえのない家族と、素敵な仲間と、美味しいご飯とお酒を囲んでワハハと笑える、幸せな年になりますように…。










