「北海道論」

北海道は「試される大地」なのか。
道産子による北海道の社会・経済論の創造を試みる。

E・トッド『デモクラシー以後〜協調的「保守主義」の提唱〜』

2010-02-01 18:24:46 | 
「国家的自給という政策は、それ自体が目標なのではなく、他の理想が安全かつ適切に追求できる環境の創造を目指すべきものと考えるべきである」(p.348.)

行き過ぎた新自由主義政策に対して、トッドは「協調的保守主義」、つまり保護貿易を求める。
しかし、そのモデルはケインズの上述の論文『国家的自給』によっている。
そもそも本書の価値は、「日本の読者へ」とケインズのこの論文にある。
トッド自身、『デモクラシー以後』というタイトルに躊躇したように(p.370.)、本書はサルコジ批判とフランスの家族構成と教育から見る識字率、民主主義に対する内容が大半を占める。

さて、この保護主義、現在の日本では輸出産業の批判と戦前のブロック経済への傾斜から、保護貿易が戦争を生み出したと考えられることが多い。
だから、戦後は自由貿易が推進されてきた。
昨今では、自由貿易こそが「唯一」の経済政策となり、イデオロギー化してきている。
(ただし、自由貿易の推進者、米国が最も戦争を行っている事実は無視されてしまう)
だから、次なる経済政策(保護貿易)には、現在の経済政策(自由貿易)を疑うことから始めなければならない。
今が、丁度その時である。

保護主義の目的は、給与の再上昇の条件を作り出すことにある。
その結果、需要が増え、新たな輸入が始まる。
ただし、「唯一最適な態度とは、自由貿易から保護主義へ、保護主義から自由貿易へと際限なく移行を繰り返すのが適切であるとする態度」(p.15.)なのである。
硬直的なシステムではなく、柔軟なシステムが求められている。

「われわれが、まごつきながら向かっている新しい経済様式は、その本質において実験である。(中略)いまこのプロセスにとって、大胆で、自由で、かつ痛烈な批判が、究極的な成功の必要条件である」(p.353.)
保護貿易に対して、多くの批判がある。
それに、武力で対抗するのでなく、議論を重ねることが、新たな経済システムの創造へと導く事になるのだ。
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ブロック経済 新自由主義
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