「シモン」という名の小さな螺旋が突き抜けた、暗く小さな閉じた世界。
広い世界へと飛び出した螺旋は、様々な人、様々な出来事と出逢った。
楽しい事、嬉しい事、悲しい事、切ない事。
折れそうになった事もあった、動かなくなった事もあった。
その度にその小さな螺旋は、一つずつだが確実に、風穴を開けて突破してきた。
大切な人をその螺旋で守り、強大な壁を突き破ってきたのだ。
そしていつしか、その螺旋は多くの想いと運命を巻き込んで、強く、大きく成長していった。
あの小さかった螺旋は今、天を突く程の巨大な螺旋となり、まだ見ぬ明日を掴むため大銀河に立ち上がる。
―――そう。
これは、自分の運命を知らなかった一人の男の人生の物語。
その男が自らの螺旋で突き破る「運命」の先に何があるのか。
全ての想いを束ねた螺旋でどんな景色を描くのか。
全てはすぐに明らかになる。
刮目し、その総身を以って螺旋の鼓動をしかと感じろ。
―――みんなの螺旋で描いた景色は、こんなにも素晴らしい―――
かつて馴染みだった店が新メニューを出すと聞いて、「ものは試し」とその新メニューを試す為に店内へ入った。
味が良ければそれで良し。また足しげく通うだけだ。
味が悪くてもそれで良し。悪態ついて通わなくなるだけだ。
最初の1杯は特別美味いとも感じなかったが別段不味いわけでもなく、これならこの味に飽きるまで暫くは通ってみても良いか、という程度だった。
だがその味付けは非常に巧妙であり、また週毎に新しい隠し味などを追加していき、その味の魅力に取り憑かれた人たちは毎週通う事を至上の楽しみとしていた。
………例えになってない例え話をするのはやめよう。性に合わない(w
今日の放送分にて『天元突破グレンラガン』は全27話の放送を終え、最終回を迎えた。
正直な所、先週の26話までの時点で良過ぎていたが為に、この最終回は非常に怖かった。
期待が余りにも大き過ぎる。
生半可に終わるだけならまだしも、これが予想の斜め上を行く結末だったらどれだけ絶望をするか計り知れない。そんな思いが強かったから。
しかし、実際にオンエアされた最終回はそんな心配を杞憂に過ぎないと笑って吹き飛ばす代物だった。
この最終回こそが、まさに『天元突破グレンラガン』を象徴する、勢いと力強さと儚さと笑いに満ちていた。
今までの27話を見て来た視聴者に対する最大のご褒美。
そしてこの作品を作り上げた制作者の想い。
この作品は、愛に満ちていた。
最初の例え話に書いたが一番最初、第1話を見た時はここまでの作品になるとは思わなかった。
それを言うのであれば最初は継続してどころか、1話を見てみようかどうかというのですら思案していたほどだった。
ガイナックスの新作オリジナルアニメ、ロボ、ドリル…これだけのキーワードは持っていたが、人の持ってる知識というのは本当に愚かなもので、監督もキャラデザも知らない人だ、というだけで「どうかな」と思ってしまっていたからだ。
やはりどうしても知っている人間の作品を求めてしまうようだ。
それはある程度の予測ができて、「ああ、これなら安心だ」と判断できるからだ。
人間というものは予測、判断が出来ないというのが非常に怖い。未知に対する恐怖というものだろうか。
それならば、今ではネットもあるのだから調べてみればいいじゃないか…というのが当然の帰結なのだが、そこまでの強い興味を持つほどでもなかった。
何故ならば大して興味の無い1つに固執するほどの時間は、今の世の中、そんなに余っていないからだ。
そんな事をしている時間があるのであれば、他に興味を引くものに流れていくだけなのだ。
それでも見る気になったのは、2週遅れで放送されていたAT-Xでの事情があった。
ネットの端で偶然見かけたものにグレンラガンを高評価するものがあったからだ。
「それならばものは試し」と、見始めたのだ。
あのとき情報の洪水の中でそれを見かけなければ、後悔していただろうか。
それとも情報の洪水の中では、それに気付かずにいたのかもしれない。
でも、これだけの力を秘めた作品なだけに結局は存在に気付き、リアルタイムで見られなかった事に後悔していたのだろう。
作品を語るには、設定やキャラクターや音楽、演出や作画の技法、小難しい理屈などで理論的に語るのが普通だ。
客観的に物事を伝えようとするならば、それが正しいものである。
それが正しいからこそ、そうやって口先だけで語ろうとしてしまう。
作品を細かく分解し、知ったかぶりの知識で解析する。
それだけで全てが伝わるのか?
否、否否否否否否否否否否否否否否…
断じて、否ぁーッ!!
思わずアンチスパイラルの言葉を使っちまった(w
ともかく、口先だけでは伝わらないものがある。それは、自分が感じたままの印象。
どんなものであったとしても、それだけは自分だけのオリジナルだ。
だけど、その全てを他者に伝える事は出来ない。
だったらその感情のままに、伝えれば良い。
全てを伝える必要は無い。その『感じ取った魂』を伝える事が出来れば、それでOKなのだから。
しっかし、アニメってこんなにも気持ちのいいものだったんだな…と思う。
これは実写やCGでは表現できないぜ。
絵がバカみたいに無茶苦茶に動いて、アホみたいな画になるんだぜ。
これが気持ちよくないわけがない。
オタクで良かったとつくづく思ったよ。これだけの作品を見せられれば、オタクはやめられねぇ。
尤もオタクなんてものは、やめようと思ってもやめられないものだがな(w
そして、ちょこっと27話的な話も。
他の最終回にありがちのようにOP曲はなし。代わりに前回の続きからとなる話が挿入。
そしてここでタイトルの秘密が明らかに。
天元突破グレンラガンって………主役メカの名前かよ!(w
このOP部分の3分だけですら鳥肌もののデキと演出。素で涙が出かけたよ。
そして本編。
超銀河グレンラガンでゲッターエンペラーに続く大きさになったわけだが、天元突破グレンラガンでそれすらも凌駕した(w
実際の宇宙ではないにせよ、銀河を投げたり、それにぶつかったりするくらいのサイズ。今までに存在して全てのメカの中で最大の規模を誇りました(w
そしてアンチスパイラル役の上川氏の演技がまた素晴らしい。
この方は先の大河ドラマ『功名が辻』で山内一豊を演じていた人。アニメはこれが初出演。
何の縁かと思うが、氏がこの作品のファンであると共に、シリーズ構成の中島かずき氏の推薦があったからだ。
それが見事に当たったなぁ。
今の時勢、俳優とかタレントとかが声優やるのはある程度仕方ないとして、やるならばここまでの演技力をしてもらいたいものだ。
演劇からの出演というところではロージェノム役の池田成志氏もいるが、これもまた非常に素晴らしい配役だった。
ロージェノムと言えばラゼンガンの再構築による再登場が嬉しかったね。この時の螺旋王は格好いいってもんじゃなかった。
その直後、アンチスパイラルによって量子分解された後の
『超級覇王電影ドリル(仮称w)』は面白かっこよかった(w
話はちょっと戻るがBパート入ってすぐの地球間近での戦闘のダヤッカの見せ場もまたグレンラガンらしかった。
「俺の嫁は宇宙1ィィスゥイィィング!」って(w
アーテンボローも(視聴者から)散々言われて来たけど、最後の最後で役にたったな(w
そしてエピローグ。
その結末に賛否の別れる所であるが、今までの濃さから考えてこれくらいあっさりしててもいいんじゃないかな。
詳細は語らず、空白の20年は視聴者に委ねる。シモンは誰でもなく、老兵は死なずただ去り往くのみ。
心地よい余韻だけを残して、物語は終わる…もの凄く綺麗な終わり方だった。
俺達は、1分前の俺達よりも進化する!
1回転すれば、ほんの少しだが前に進む!!
それがドリルなんだよ!!!
グレンラガンは確かに我が魂に刻まれた。それだけで十分だ。
奈須きのこの感想もアップされてた。
くそぅ、やっぱりこんなにうまく書けないのが悔しいなぁ。