皆さん、こんにちは
今回は、今年の7月に行ったイギリスのチェスターという街にご案内します。
チェスターはイギリス国土の中西部にあり、ロンドンから北西へ電車で2時間くらいの所です。
街の歴史は古く、ローマ帝国の時代にさかのぼった西暦70年頃にローマ人がこの地に移住し、
隣国ウェールズとの戦争に備えて砦(要塞)を築いたことから始まります。
現在でも、ローマ人が造った円形劇場の遺跡などが残っており、こんな離れたイギリスで思いがけ
なくローマ時代に遭遇しました。
400年頃にローマ人は撤退してゆきます。それでも300年以上いたのですから、永い定住です。
↓下の写真は、チェスターで最も有名な中心部「ザ・ロウズ」。
白壁に黒い木組みの家が鮮やかに立ち並び、イギリスで最も美しい街並みの一つとされています。
人気のショッピングエリアになっていて、ファッションやアクセサリー、レストラン、アンティーク
などの店舗があり、国の内外からの観光客やショッピングに来た人たちで賑わっていました。
素朴な木組みの家はドイツなどでもたくさん見かけますけど、チェスターの木組みは群を抜いて技術
が高く凝った造りでしたので、驚きでした。
チェスターは中世に貿易の中継地点として繁栄していましたので、当時の最先端の技術や建築の素材
などがふんだんに入ってきて、取り入れやすかったのでしょう。
また、その後の産業革命の時代には近くのマンチェスターやリバプールから富裕層が移り住んできた
ため、洗練された高価な建物が立ち並んだということです。
これらの木組みの家は当時は時代の先端を行く建物だったに違いありません。
惜しげもなく取り入れられている窓ガラスはたいへん貴重で贅沢なものだったそうです。
↓上の建物の王様の飾りの部分。拡大してみますと、こんなふうに凝っています。
↓また、チェスターには装飾的な吊り看板もたくさん掛かっていました。
わたしは趣味で、お店の前に掛かっている下のような装飾吊り看板の写真を集めてブログで公開
しています。
↓他の国とはまた違った雰囲気の素敵な吊り看板に出会うことができて幸せ。
吊り看板の後ろのカラフルな時計塔は、高い城壁の上に建てられています。
チェスターは中世に城壁で街全体を囲み、城塞都市になりました。今も城壁は完璧な形で残っています。
↓綺麗な時計塔ですので拡大してみます。敬意を表したくなるような美しさ。
時計の上にVRの文字があるように、1897年、ヴィクトリア女王の即位60周年をお祝いして
建てられたものだそうです。
↓やはりイギリスでも、装飾吊り看板が掛かっている街とまったく掛かっていない街とがあり。
何故そうなるのか、未だによく分からないのですけど。
これまでこのブログでご覧くださったかたは、ドイツやドイツ語圏の吊り看板とはまったく趣きの
違うことがお分かり頂けることでしょう。
↓ザ・ロウズの建物にはどれも下のように二階に白い柵のバルコニーが造られており、それらが
繋がって長いアーケードの通路の役割をしています。
この二階のアーケードのある街をザ・ロウズと呼ぶのだそうです。
ローマ時代の兵士が歩いています。一緒に写真を撮る商売の人たちです。
↓下はそのアーケードの繋ぎ目。途切れた所はこのように橋渡しし、通れるようになっています。
ローマ兵士が商業の一役を買って。
↓眼鏡屋さんの吊り看板。後方はザ・ロウズにあるセント・ペーター教会の塔。907年に建設された
教会も今は日曜日以外は喫茶店として使われているそうです。(入ってみたかったのに残念。)
↓チェスターのあちこちのお店の前にはイギリス好みのハンギング・バスケットのお花が飾られて
いて、通りを華やかに彩っていました。
ここは街の外れ。ザ・ロウズではありません。
次回は、チェスターの城壁の上を歩いたお話や装飾吊り看板の写真などを載せたいと思っています。
またお出かけくださいね。