麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第571回)

2017-07-09 22:24:33 | Weblog
7月9日

しまりのない毎日がただ過ぎていく。そんな感じでしょうか。実際は12年ぶりに1週間入院したり、そのあと風邪をひいて寝込んだりといろいろあったのですが、少し残っている咳以外、そのときそのときのリアリティが希薄になっています。たぶん、「暑い」という感覚にすべて飲み込まれているのに違いありません。というか、いまは「暑さ」だけが実在で、それが自然や気象や生き物の体験をなにもかも溶かし込んでただやみくもにぐいぐい進んでいく。世界はそれだけのもの。そんな感じがしますよね、毎日。もはや「暑さ」の構成要素のひとつに過ぎない私には、自分という意識も、今日と明日の区別もあいまいになっているのでしょう。――なんのことはない。つまり、夏がまたきて、老人には若いころより暑さがこたえている……まあそれだけの話ですね。しまりのない話。
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