まりっぺのお気楽読書

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『マンスフィールド・パーク』友達としてはNGで

2008-08-07 23:26:59 | イギリス・アイルランドの作家
MANSFIELD PARK 
1814年 ジェイン・オースティン

ジェイン・オースティン好きの私ですが、何が一番面白くないでしょう?と
問われれば『マンスフィールド・パーク』と答えてしまうかしら?

子だくさんの貧しい家から裕福な叔母の家に引き取られたファニーが
レディらしく成長して、従兄のエドマンドと結ばれるまでのお話しです。

その間には、エドマンドの二人の妹のスキャンダルや
隣人ヘンリー・クロフォードの不埒な振る舞い、
エドマンドとメアリー・クロフォードとの恋など障害はたくさんあるんですが
最後はハッピーエンドです。

登場人物も内容も、いつものオースティン節炸裂、といいたいところですが
何かが決定的に違う気がします。

それは主人公ファニー・プライス。
慎み深く、優しくて正直なレディになり、男性から讃美の目を向けられる少女。
しかし積極的な女性たちの前では、控えめなファニーは勝ち目がなくて
しばし失恋の気分を味わったり、心を痛めたりします。

いい人ですよね? でも友達にはなりたくないタイプです。
だって、楽しいことにことごとく水を差すんですもの。
何か面白いことをしようとしたら「よくないよ」って止める優等生タイプ、
一緒にいて楽しくないと思いません?

内容も文章もオースティン的、軽妙で読んでいて楽しいのですが
とにかく主人公二人(ファニー&エドマンド)に魅力ってものが感じられません。
取り柄は真面目で正直ってだけ…
『エマ』とか『高慢と偏見』の、ちょっと気が強い、自惚れている主人公が恋しいです。

ファニーは自分の信念に反することがあるとすぐ困った顔で目をふせちゃうのね。
男子には受けるかもしれないけど、意地悪な女子は協調性がないと見なしますよ。

でも、やはり登場人物のパーソナリティーは魅力的でした。
優しい人もいいが、一癖も二癖もある人が読んでいて楽しいですね。
さしあたり、エドマンドの父、サー・バートラムが好きな私です。
大黒柱ぽくっていい頼りになります。

マンスフィールド・パーク 中央公論新社


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