まりっぺのお気楽読書

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フランス皇帝ナポレオン3世妃 ウージェニー

2009-04-15 02:22:41 | フランス王妃・王女
正真正銘、最後のフランス王妃(皇后)
ナポレオン3世妃 ウージェニー・ド・モンティホ


1826~1920/在位 1853~1871

ウージェニーはスペインで生まれ育ちましたが
少女時代にパリで暮らしたことがあり、スタンダールと親しくなって
ナポレオン(1世)の話しを聞いているうちに彼の崇拝者になったということです。

美しく理知的だと評判のウージェニーには、ルイ・フィリップ王の王子をはじめ
数多の男性が近づいてきましたが、賢いわりにはミーハーだったのか
“ ナポレオン ” という名に惹かれて、ナポレオン1世の甥ジェロームと
結婚を考えるようになります。
これはルイ・ナポレオン(後の3世)が反対したためうまくいきませんでした。
狙ってたってこと?
       
一方ルイ・ナポレオンはというと、こちらはとんでもない女好きで
人妻からクルティザンヌ(高級娼婦)に至るまで女性の噂が絶えませんでした。
山田勝氏の『ドゥミ・モンデーヌ』によると、この第二帝政時代は
クルティザンヌの商売がもっとも繁盛した時期だそうですけど
その風潮の先導者がルイ・ナポレオンらしいですからね!

再びパリを訪れたウージェーニーが再会した時のルイ・ナポレオンはというと
イギリスからハリエット・ハワードという女性を連れて来て同棲していましたが、
そんなことは関係なくウージェーニーに猛アタックします。

一度はスペインに帰ったウージェニーでしたが
1851年にルイ・ナポレオンがクーデターで皇帝ナポレオン3世として即位すると
翌年再びパリに顔をだします。
これは母親のマヌエラが勧めたかららしいけど、やっぱり下心がないとは…

1853年、皇帝はウージェニーに正式に求婚しやっと結婚にこぎつけました。
しかしこの結婚にはボナパルト家の大半が反対していました。
しかるべき家柄の王女か皇女を娶るべきというのがその理由です。

ウージェーニーは自分が宮廷内で不人気だということを知っていたので
政治にも口を出さず目立たぬように暮らしていたものの
若い頃ルイ・ナポレオンと結婚するはずだったマチルド皇女と、ジェローム、
ルイの叔母ソンナ伯夫人などを筆頭に、人々の誹謗中傷はおさまりませんでした。

その上皇帝は早くも愛妾やクルティザンヌたちと遊びまわり
3ヶ月もするとふたりの間には喧嘩が絶えなくなります。
中でもイタリアの密使カスティリョーネ伯夫人との恋愛沙汰はウージェニーを激怒させます。

カスティリョーネ夫人が去ったあとも益々女性関係が破廉恥になってきた
ナポレオン3世の内政は乱れ始めます。
外交的にも優柔不断な決定を繰り返すうちに数回の暗殺未遂に遭い
からだも病気で衰え始めます。
ウージェニーは次第に政治に関わっていくようになりました。

ウージェニーの権力は日増しに大きくなっていきましたが
彼女の思慮を欠いた政治は不満を招きました。
彼女が犯した最も愚かな罪は、皇帝をたきつけてメキシコの内乱に介入し、
ハプスブルク家のマクシミリアンを皇帝として送りこんだことです。
マクシミリアンは誰の援護も受けないまま内乱で処刑されてしまいました。
これにはナポレオン3世とウージェニーに非難が集中しました。

1870年、何を思ったのか当時破竹の勢いだったプロイセンに宣戦布告したフランスは
忽ち劣勢にたたされますが、ウージェーニーはよれよれの夫を前線に向かわせました。
士気を鼓舞するつもりだったのでしょうが逆効果…皇帝はスダンで降伏しました。

市民が怒りテュイルリー宮を取り巻く中を、ウージェニーはハンカチ2枚と
侍女をひとり連れただけで脱出しイギリスへ向かいました。
後日息子ルイも合流し、休戦後はルイ・ナポレオンも解放されて
3人は異国で小さな宮廷をかたちづくりました。

1873年にルイ・ナポレオンが亡くなり、ウージェニーが皇帝即位の夢をみていた
息子ルイも兵士として参加した南アフリカで死亡しました。
ウージェニーは翌年南アフリカを訪れて、息子の最期の地を見ています。

イギリスで夫と息子のために教会を建てるなどして静かに暮らしていたウージェニーは
1920年、最後に見ておきたいと訪れたスペインで94歳の誕生日を迎えましたが
その直後、風邪が悪化して亡くなりました。
遺体はイギリスへ運ばれ、夫と息子の間に葬られたそうです。

              
                88歳の時のウージェニーです

さして高くはない家柄からのぼりつめた皇后の座だったのに・・・
せめて夫が愛人たちに向けるエネルギーの半分でも政治に費やしてくれたらねぇ

(参考文献 窪田般彌氏『皇妃ウージェニー』 山田勝氏『ドゥミ・モンデーヌ』)

皇妃ウージェニー 白水社


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7 コメント

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画像借用について (流れの面)
2009-05-25 10:28:09
はじめまして。
実は貴ページにあるうジェニー皇后の晩年のお写真を借用させて頂きましたのでご挨拶まで。
皇后の地位を去つて老年の日々に表敬訪問した外交官に貴方にあげられるものはなくなつたけれどと傍らの野の花を摘んで渡したといふ逸話などにお人柄出てゐるかと思ひ歌にして写真に文字乗せしたわけです。

その記事のアドレス下記
http://blogs.yahoo.co.jp/jungleroad91/17279713.html
ありがとうございます (まりっぺ)
2009-05-25 23:28:43
はじめまして。

ご丁寧にお断りいただきましてありがとうございます。
ブログの名前まで入れていただいてかえって恐縮です。

とても興味深く拝見いたしました。
また伺わせていただきます。
肖像画 (violet)
2009-06-25 23:33:15
初めまして。

10代の頃から王室・貴族の歴史に名前を残した女性たちの伝記が好きでかなり、買い集め乱読しました。このブログも興味深く読んでいます。
以前から関心を持っていたウージェニー皇后の伝記本「皇妃ウージェニー」を発売当初読みました。その後子供の頃、プレゼントでいただいたお菓子の缶の蓋に描かれていた女性たちの中心にいたのが皇后だとも知りました。その缶大事にしていたんです。そして、ゲランのオード・ドワレの中に皇后がつけていた香りがあり、それも以前購入してみました。(天然香料主体なのであっさりした香りでした。)

昨年ルーブル美術館でナポレオン3世にまつわる展示室を訪れたら、画像にあるティアラをつけた皇后の大きな肖像画が展示されてあり、初めて直接見れてうれしかったです。一目ぼれされてナポレオン3世と結婚したのに、その後浮気・恋愛沙汰等で結婚生活は幸せとは言えなかったように思えます。
同時代にはオーストリア絶世の美女エリザベート皇后もいましたよね。二人の皇后は会う機会があったらしいですね。ウージェニー皇后はどちらがより美しいか家臣に尋ねたり、意識してたようです。
ありがとうございます (まりっぺ)
2009-06-26 01:18:50
はじめまして。
コメントありがとうございます。
ブログを読んでいただけて嬉しいです。
私も女性の伝記が大好きで、そういう本を見かけるとつい手に取ってしまいます。

ウージェニーとシシィ、どちらが美しいかは意見が分かれるところですが
この時代は写真があるので比較しやすいですよね。
肖像画はけっこうあてにならない気がします。
だって、頼んで描いてもらったのに美しくなかったら依頼主怒りそうですものね。
国によって好みもあるでしょうし…難しいですけど
個人的にはシシィの方が美しいんじゃないかな、と思うのですが…

おすすめの女性などいたらぜひ教えて下さい。
第二帝政のマリー・アントワネット (きなこもち)
2011-09-05 19:45:17
同時代のシシィと比べると日本ではマイナーなウージェニー皇后ですが、小説や漫画にしたら面白そうな人物で、もっと評価されても良いような気がします。この記事の参考文献によると、マリー・アントワネットに憧れていたそうですね。人物的にもアントワネットと似ているような気が。



こんばんわ (まりっぺ)
2011-09-08 21:20:45
きなこもちさま、こんばんわ

久しぶりのアップで、お返事がすっかり遅くなってしまいまいてごめんなさい。

そうですね、ウージェニーも漫画や舞台にしてもいけそうな女性ですよね。
見せ場はプレイボーイのナポレオンのハートを射止めるところでしょうか? 愛妾ヴィルジニアとの女の戦い?
舞台だったらやっぱり大地真央とか藤原紀香になっちゃうんですかね…
もしも漫画、舞台、小説にするとしたら (きなこもち)
2011-09-11 16:19:08
>見せ場はプレイボーイのナポレオンのハートを射止めるところでしょうか? 愛妾ヴィルジニアとの女の戦い?

後は、少女時代のスタンダールとの交流や娘時代の失恋(恋した相手が姉と結婚して自殺しようとしたり奇行に走ったそうです)辺りでしょうね。舞台だと時間が限られているのでナポレオンのハートをGET~皇后の地位を追われる辺りまでになるのでしょうね。

ウージェニー役は舞台だったら東宝版「エリザベート」でエリザベートを演じている方々が良いと思いますが。

漫画でしたらシシィを描いた名香智子という方、小説でしたらマリー・アントワネットやジョゼフィーヌを描いた藤本ひとみ先生に書いて頂きたいです。

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