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「太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影」ーカール ラガーフェルド写真展

2017年02月09日 | 観たこと思ったこと

    
シャネルネクサスホールにて開催中のカール ラガーフェルド写真展へ
  「太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影」

シンメトリーに整地された広大な庭園を抱き、堂々華麗にそびえるヴェルサイユ。
それが表だとしたらカールの撮影したのは、この歴史深い宮殿のウラの顔といったところか。

羊皮紙にシルクスクリーンプリント。
モノクロの写真が晴れているのか曇り空なのか曖昧で人の気配が皆無、静まり返ったような建物たち、苔むした階段や噴水塔、音のないモノクロームの世界はなにかを切々と訴えてくるものがある。過去にこの場所で起こった数知れない出来事、喜びも悲劇も裏切りも黙って全て受け入れたきた。300年を超え巨大かつ壮麗な建築物という存在として鎮座し、華やかな歴史劇と国の運命を背負った悲哀が疲弊し老いることの諦めや寂しさも含めて写真からにじみ出るよう。
写真は額装もされておらず、そのことでさらに生々しくむき出しの印象を与えるのだ。

さすがだな、カール ラガーフェルド! ヴェルサイユをこんな風に撮るのだな。
この展覧会は、2008年ヴェルサイユ宮殿で開催された写真展から選りすぐりの作品を集めたものだそうだ。

カールがプロの写真家としての活動を始めたのは1987年、この間CHANEL、FENDIのクリエイティブディレクターを務め、自身のコレクションKarl Lagerfeldをも発表し続けるなかで写真家としても一線にいる。次から次へシーズンコレクションの創作に追われファッションデザイナーのストレスは並大抵ではなく心身を病んでしまうひともいるなかで、幾つもメゾンを掛け持ちし余りある精力。御年83歳。
怪物、モンスター。こんなデザイナーは後にも先にも二人と現れないだろうな。
ファッションという虚飾も美も知り尽くした彼だからこそ撮れる生身のリアリティ、こういうカールの写真もまた観てみたい。



会期/2017年1月18日(水)~2月26日(日)12:00~20:00
会場/銀座 シャネル・ネクサスール


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