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大船での気ままな生活日誌

台北故宮博物院(3)きらめく陶磁

2013-04-07 10:29:39 | Weblog
台北故宮博物院では、様々のテーマのもとに宝物が展示されているが、前回記事の北宋汝窯の青磁は、”土の百変化/中国歴代陶磁器展”の中にある。ぼくは、ここで一番、多くの時間を費やした。もう少し、ここの展示品について書いておきたいと思う。

まず、五代ー北宋の定窯の白磁、”官”宇蓮弁椀。宮廷で使われるものには”官”の字が高台の下に刻まれている。まるで蓮の花が開いたような形状についにっこり。この時期の白磁作品は、北は河北の定窯、南は江西の景徳鎮が代表的で、前者の釉色は象牙色、後者は青みがかった白色を呈し、いずれも流れるような彫刻や整然とした型押し模様の装飾を得意とした。(ホームページより)。


北宋の青磁をもう一度。青磁は、耀州窯のオリーブグリーン、汝窯の天青、官窯の粉青、龍泉窯の梅子青など、同じ酸化鉄を着色剤に用いながら、さまざまな色合いの青磁が焼成された。この頃の磁器の釉色は素朴で優美、形はシンプルかつ復古的で、装飾文様は日常生活や大自然から多く題材を得た。こうした作品は、皇族貴族から平民、さらには海外市場に至るまで広く愛された。

北宋/耀州窯(ようしゅうよう)青磁劃花牡丹碗。 オリーブグリーンも慣れると、いい色。


南宋/吉州窯でつくられた”黒釉葉紋碗”。日本では木の葉天目茶碗と呼ばれ珍重されている。安宅コレクションにもある。


明代初期に御用窯が景徳鎮に設立され、その後五百年に及ぶ景徳鎮官窯の規模と制度が確立された。明代の官窯は、永楽年間から磁器に皇帝の年号を入れるようになり、後の各時期における官窯の決まった形式となる。永宣の青花、成化の豆彩、嘉万の五彩などは、明代の官窯が収めた比類なき最高の成果と言える。

青花蟠龍天球瓶 (せいかばんりゅうてんきゅうへい) 永楽窯。 高さ42.6cm。 明の青花は 洪武帝を過渡期として、永楽、宣徳に隆盛を迎える。


成化の豆彩。
闘彩波濤飛象紋壺(とうさいはとうひしょうもんこ) 成化(せいか)窯


清代の官窯は皇室が主導権を握り、官窯制度と職人の待遇が改善されたため、焼造された陶磁器は常に最高の質と量を維持することができた。盛世期の康熙、雍正、乾隆の三朝では、皇帝自らによる指揮と督陶官の監督の下で、技術、釉彩、造形、装飾文様のいずれも時の最高を極めた官窯作品が製作された。このころの作品には、漢文化における倣古と革新を取り入れようとした満州王朝の努力と、当時の東西の異なる趣を融合した装飾風格をうかがうことができる。

清/乾隆 五彩蟠桃天球瓶


・・・
さて、唐に戻る。陶器は「死に事(つか)うること生に事うるが如し」という中国の葬儀文化の中でも重要な役割を果たしており、副葬される土偶や明器の多くも陶土で作られた。例えば楽器、従僕、文官、護衛、または鶏や犬などの動物、建物や邸宅などに、古代社会の情景や当時の審美感をうかがうことができる。陶器の表面には低温釉彩が施されたものが多く、例えば漢代は質朴で落ち着きのある緑釉や褐色釉が好まれ、唐代に至ると黄、緑、褐色の三色の釉薬を同時に施し、後に「唐三彩」と呼ばれる陶器が発展する。

灰陶加彩仕女俑”かいとうかさいしじょよう”高さ75.5cm。 俑 は副葬品、仕女は宮廷に使えた女子。満月のようにふくやかな女性。


唐三彩打馬球俑。唐代は女性が自由で開放的な時代だった。ファッションを楽しみ、流行も生まれた。本品は、ポロゲームを楽しむ女性像である。ベストのようなものを着て、なかなかおしゃれ。胸のあたりの朱色が鮮やかに残っているのは貴重である。顔などの皮ふが露出している部分は蝋を塗り、色がつかないようにして焼成し、胎土の色を残したもの(別冊太陽)


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大阪市立東洋陶磁美術館(沖正一郎コレクション)でみた鼻煙壺もいっぱい。”鼻煙壺文化特別展”のコーナーで。


玉壁 新石器時代 BC2600~BC1600。 ”中国歴代玉器展”で。


あと、”古代青銅器の輝き-中国歴代銅器展”、”巨幅書画” ”筆に千秋の業あり-書道の発展” ”造形と美意識-中国絵画の精粋” ”盆中清翫─盆景を描いた絵画” ”古書と機密档案-故宮所蔵図書文献珍品展” ”慈悲と知恵-宗教彫塑芸術” ”永遠に子孫に愛される-清代皇室の文物收蔵”など覗いてきました。知識はなくても、楽しかったよ~ん。

北宋/定窯 ”白磁嬰児枕”この子は必ず来日すると踏んでる。是非、来てね。


故宮シリーズはこれで仕舞いとします。

風はまだまだあるが、空は青空。さあ、何処に行こうか。
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