気ままに

大船での気ままな生活日誌

名刀は語る/磨きの文化

2017-02-04 11:04:13 | Weblog

おはようございます。今日は立春。春は名のみの、きりりとした空気は日本刀のイメージでしょうか。

熱海桜が見頃に入った1月10日頃、三島まで足を延ばした。刀剣コレクションで名高い佐野美術館が、収蔵品を中心に国宝・重要文化財11点を含む約80点の刀剣を展示しているというので覗いてきた。ぼくは刀剣マニアというほどのものではないが、眺めるのは好きだ。とくに、刀身の刃文は素人がみてもうつくしいと思う。

刃文には、まっすぐに刃が入る直刃(すぐは)と、波打ってみえる乱刃(みだれば)があり、さらに、乱れ刃の中に、互の目(ぐのめ)丁字(ちょうじ)湾れ(のたれ)などの様々な種類がある。 ぼくは乱れ刃系が好き。

会場で刀剣に詳しい方が連れの人に説明されていたが、刀剣の姿全体、地鉄(じがね)と進み、やっと刃文に辿りついた。さらに、この刀剣の由緒についても述べられていた。戦国の武将が実際に使っていた刀剣となれば、また、一層、親しみも湧くというもの。さらに刀工が誰であったかも重要な見所となるのであろう。鎌倉の本覚寺に墓所がある正宗の作品も展示されていた。”名刀正宗”と、ぼくの子供時代からインプットされている。

本展では平安期の太刀4点からはじまり、鎌倉期を中心に、南北朝、室町、江戸中期までのものが展示されている。めったに買わない図録(小さかったので)を購入したので、そこからの写真をいくつか記録しておこうと思う。

国宝 太刀 銘 一 鎌倉時代 個人蔵 茎に一とあるのは、備前国福岡庄に住んでいた福岡一文字派と呼ばれる刀工の作。刀文は大きな丁子が連なり、絢爛豪華。長篠の戦の功で信長が長篠城主奥平信昌に与えたもの。

重要文化財 刀 朱銘 義弘/本阿(花押)〈名物 松井江〉鎌倉時代 義弘は越中国松倉郷の名工。刃文はやや締まりごころの直刃。熊本の細川家の家老、松井佐渡守が所持し、後に将軍家に移り、綱吉のとき息女鶴姫が紀州藩主に輿入れの折りの引き出物として贈られる。そのとき付された折り紙は本阿弥光常により、代金子二百枚とある。

重要文化財 短刀 無銘 貞宗 (名物 太鼓鏡貞宗)鎌倉~南北朝時代 個人蔵↓

重要文化財 短刀 銘 国光 鎌倉時代 付 金梨子地葵紋蒔絵合口拵 江戸時代↑

主な出品作品
■重要文化財 秋草文黒漆太刀拵 室町時代 中 太刀 銘 豊後国行平作 鎌倉時代

前期展示[11月12日~12月23日]
■国宝 薙刀 銘 備前国長船住人長光造 鎌倉時代
■重要文化財 刀 無銘 正宗 鎌倉時代
■重要文化財 刀 金象嵌銘 備前国兼光/本阿弥(花押)〈名物 大兼光〉南北朝時代
■重要美術品 脇指 銘 相模国住人広光/康安二年十月日〈号 火車切〉南北朝時代 付 黒漆塗小サ刀拵 室町時代

後期展示[1月7日~2月19日]
■国宝 太刀 銘 一 鎌倉時代 個人蔵
■重要文化財 短刀 銘 国光 鎌倉時代 付 金梨子地葵紋蒔絵合口拵 江戸時代
■重要文化財 刀 朱銘 義弘/本阿(花押)〈名物 松井江〉鎌倉時代
■重要文化財 沈金獅子牡丹文長覆輪太刀拵 室町時代 個人蔵
■重要美術品 太刀 銘 来国俊 鎌倉時代

など、国宝重要文化財11点を含む約80点。

刀女子の来館も多く、当館始まって以来の入場者数のこと

刀剣乱舞の影響も大きい。

 
佐野美術館

それでは、みなさん、今日も一日、たまには乱刃のように(?)、お元気で!

コメント
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