マーブリング・ファインアーツのブログ

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『わくわく特撮ランド 特撮展』 のミニチュア製作物について

2013年09月11日 | 製作物

8月3日~18日に開催致しました、調布市文化会館たづくり『わくわく特撮ランド 特撮展』にお越し頂いた皆様、
誠にありがとうございました!遅ればせながら改めてお礼申し上げます。

以前の記事では展示物に関連した作品とマーブリングとの関わりなどを書いてきましたが、
展示終了にあたり、最後は以前ご紹介した2つの展示の製作物に関することを書かせて頂きます。


まずは「帝都物語 渋沢邸パノラマ再現ジオラマ」について。
こちらのジオラマに関しては、展示台との兼ね合いから実際に劇中で使用されたものの
約1/16のスケールでの製作となりました。
このジオラマはただの白いブロックを並べるだけではなく、ディティールのある箇所とそうでない箇所の
作り込みの粗密のバランスが視覚的に重要な要素となっていきます。

まず一番ディティールの必要となる宮殿部分、街並みの中にある窓の付いた建物と、
ひび割れから窓が覗いている建物、そしてただの白いブロック、その中でも円柱や三角のものなど、
大きく分けて4~5段階ほどのディティールの差がジオラマの中に大小限らず点在しています。
そのディティールを1/16というスケールの中でどこまで表現するかが、製作者の腕の見せ所となります。
小さいスケールの中であまりにも細かさにこだわってしまうと、帰って表情のわかりにくいものになってしまったり、
素材自体の耐久性にも影響が出てしまいます。

例えばブロックに刻まれている窓。こちらは通常レーザーを使用し線で描いていくのですが、
今回のような20mm~30mmほどの狭い面の中にいくつも線を入れてしまうと熱で焼ける分、
線自体も太くなってしまい、素材自体がボロボロになってしまいます。
そこで今回は線を引くのではなく、レーザーを使ってブロック自体を弱い出力で掘るという方法を取っています。
そうするこで素材に無駄な力が掛からず、なおかつ線では表現できない窓の凹みも表現できるので一石二鳥です。
マシンの性能と使用する材料の厚みからその表現に適したバランスを探り、
展示物として観覧しやすいジオラマへと仕上げていきます。
「帝都物語」劇中に登場する等身大のジオラマにも作り込みの差が何段階かありますが、
人物をなめるように写り込む建物にはかなり細かなディティールがあるものを配置しているなど、
見ている側を画面に引き込む工夫がなされています。展示でも映像でも、
細かく作り込んであるものにはつい目がいってしまうものです。





そしてもう一つの展示物「内引きミニチュアセットの撮影ステージ」に関して。
こちらは他の展示物との兼ね合いもあり、展示室の中でも場所を広く取ることのできない限られたスペースで、
いかに写真に収めた時に画になる街並みにし、ミニチュア特撮の魅力を体感できるステージが組めるかを考えます。
そのためには、ビルの配置とそのスケール、そしてセット内の飾り込みが重要になっていきます。
撮影スペース手前には1/10スケールの内引きのミニチュアオフィスがセットされていますので、
ステージのビルの配置も手前から奥へ向かって1/10、1/25、1/50スケールと配置していきスケール毎に
層を作り強制的に遠近をつけていきます。そうすることでステージを実際よりも奥行きのあるものに感じさせることができます。

そして飾り込みについて。
内引きセット内の細かな飾り込みもさることながら、
撮影の際にカメラに写りやすい一番手前のビルの屋上にも、作り込んだ上物を配置する、配管を走らせる、
フェンスにディティールをつけるなど、他のビルより手を入れていきセットの中に密度を持たせることで、
撮影した画にメリハリがつきます。
ステージ全体の装飾も、手前の内引きセットを市役所の部署を参考に飾り込み、
ビルには調布にちなんだ名前をつけた看板を設置するなど、架空の調布の町という設定を盛り込みました。
その土地ならではのミニチュア特撮ステージを組んでその中で撮影ができるということは、
実際のミニチュアセットを組むこと大きな魅力の一つです!





今回の『わくわく特撮ランド 特撮展』は、一日あたりの平均来場者数も普段の2~3倍と
短い期間の中でも多くの方にご覧頂き、誠に喜ばしい限りです。

今後も特撮やミニチュアのアイデア、造形物そのものの可能性を拡げていき、
多くのお客さんに楽しんで頂ける展示空間へご提供していきます!



広報 井上
http://www.marbling.net
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