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安倍政権下 死と直面する娑婆(しゃば)の労働者(先進国で最悪レベルといわれる日本の長時間労働)

2016-10-16 | Weblog

管理人の一言: 娑婆(シャバ)とは、刑務所にいる人からみた外の自由な世界を指している。ところが自由であるはずのシャバの労働者は36労使協定で死に追いやられている。一方、刑務所の受刑者は法律で過労を免れている。何か変だ!?

日本では労働時間は、一日8時間、週40時間までと、法律で決まっている。これを超えて働かせてはならない、と明記されている。だから残業は違法なのである。

ところが、違法なはずの残業が可能になる抜け穴がある。労使が合意して労働基準法第36条に基づく(いわゆる36協定)労使協定を結べば、残業は可能になるどころか、協定の仕組みをフル活用すれば、企業は事実上、いくらでも社員に残業をさせることが可能になる。

その可能な実態が7日発表された厚生労働省「過労死等防止対策白書」により明らかになった。白書よると、1カ月の残業が最も長かった正社員の残業時間が「過労死ライン」の80時間を超えた企業は22・7%、「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」に至っては4割を超えていた。

残業時間の増大でうつ病を発症し、昨年自殺した女性新人社員が勤務していた大手広告代理店・電通。電通は、月80時間超の過労労働の実態を隠すため、社員本人が作成する「勤務状況報告表」の時間外労働が月70時間を超えないよう作成するように強要していたという。この企業は1991年にも男性新人社員が過労で自殺する事件を起こしている。


娑婆では、

電通社員過労自殺 労働局が本社を抜き打ち調査

大手広告会社、電通に去年入社した女性社員が過労のため自殺した問題を受けて、長時間労働の問題を担当する東京労働局の特別対策班が、電通の本社に抜き打ちの調査に入りました。

電通に去年入社した高橋まつりさん(当時24)は、長時間労働による過労のため、去年12月に自殺し、先月、労災と認められました。

これを受けて、14日午後1時すぎ、長時間労働の問題を担当する東京労働局の過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」のメンバーなどが東京・港区にある電通の本社に「臨検監督」という抜き打ちの調査に入りました。

今回の調査は、電通の本社だけでなく、全国すべての事業所を対象にしているということで、厚生労働省として異例の対応だということです。厚生労働省は、社員の勤務実態を調べたうえで、労務管理などに問題が見つかれば、再発防止に向けて改めて指導することにしています。

電通では平成3年に入社2年目の24歳の男性社員が過労のため自殺していて、塩崎厚生労働大臣は12日の衆議院予算委員会で「この企業において再び自殺事案が発生したことは本当に遺憾の至りだ」と述べ、再発防止策を講じるよう電通を指導したことを明らかにしていました。

電通は、「当社に東京労働局の調査が入っていることは事実です。調査には全面的に協力しています」とコメントしています。

「かとく」ブラック企業対策として設置

今回、調査に入った過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」は、いわゆるブラック企業対策として、影響の大きい大企業を調査するため去年、東京労働局と大阪労働局に設けられました。ベテランの労働基準監督官が労働時間の問題に絞って大企業を調査し、行政指導を行うほか、悪質なケースは刑事事件として書類送検します。
これまでに全国に展開する、靴の販売チェーンやディスカウントストアの運営会社などを書類送検しています。

自殺女性 ツイッターに残された悲痛な声

高橋まつりさんは、自殺した去年12月25日の朝、静岡に住む母親の幸美さんに「今までありがとう」とメールを送っていました。メールを見た幸美さんは、まつりさんにすぐ電話をして「死んではだめ」と伝えましたが、まつりさんはその日、みずから命を絶ちました。

東京大学を卒業後、去年4月に電通に入社したまつりさんは、インターネットの広告を担当する部署に配属されました。去年10月、部署の人数が14人から一気に半数以下の6人に減り、それまで月20時間から50時間ほどだった残業が100時間を超えるまでになったといいます。このころから、まつりさんの、ツイッターなどへの書き込みは、仕事のつらさを訴えるものが目立つようになります。

「休日返上で作った資料をボロくそに言われた もう体も心もズタズタだ」、「土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい」、「もう4時だ体が震えるよ……しぬもう無理そう。つかれた」などと過酷な勤務に苦しむ様子が書き込まれていました。

さらに、「眠りたい以外の感情を失いました」、「毎日次の日が来るのが怖くてねれない」、「弱音の域ではなくて、かなり体調がやばすぎて、倒れそう……」などと、睡眠不足や体調不良を連日訴えていました。

亡くなる直前の去年12月には、「死にたいと思いながらこんなストレスフルな毎日を乗り越えた先に何が残るんだろうか」とか、「死んだほうがよっぽど幸福なんじゃないかとさえ思って」などと死を意識した書き込みが増えていきます。

まつりさんは、上司から言われたということばも書き込んでいました。「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」、「会議中に眠そうな顔をするのは管理ができていない」、「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」。「男性上司から女子力がないだのなんだの言われるの、笑いを取るためのいじりだとしても我慢の限界である」などと憤る気持ちをつづっていました。

24歳で命を絶ったまつりさんについて、母親の幸美さんは先週の記者会見で、「1人で働いていた私に対して、『就職してお母さんを楽にしてあげたい』と言ってくれていた。運動神経もよく、明るく友だちも多い、誰からも好かれる娘でした。娘が生きているうちに会社はどうして対策をしてくれなかったのかという思いでいっぱいです」と話していました。(2016/10/14 NHK)

 

電通の女性新入社員自殺、労災と認定 残業月105時間

2016/10/8 朝日 http://www.asahi.com/articles/ASJB767D9JB7ULFA032.html

電通新入社員「体も心もズタズタ」…クリスマスに命絶つ

2016/10/7 毎日 http://mainichi.jp/articles/20161008/k00/00m/040/117000c 

過労死ラインの残業80時間超、企業の2割で 初の白書

2016/10/7 朝日 http://www.asahi.com/articles/ASJB75197JB7ULFA022.html


一方「刑務所」では、

受刑者の労働 楽すぎ? 出所者雇う企業から批判 1日7時間、休日も多く

刑務所受刑者の勤労意欲を醸成する目的で行われている刑務作業の時間が、一般的な労働時間とされる1日8時間に達していない。出所者を雇う企業から「労働に耐えられる集中力がない」などの意見が寄せられたことを受け、法務省は全国8刑務所の約600人を対象に「8時間労働」を試験導入。受刑者には意外に好評だが、刑務所内の運営の問題もあり、定着には時間がかかりそうだ。

刑務作業は刑法に規定された懲役刑の一つ。受刑者は多くの時間を作業に費やしており、規則正しい生活を送らせることで社会復帰につなげる目的がある。

労働基準法では、1日8時間を超えて労働させてはならないと規定。刑務作業も同様に定められている。ただ、法務省によると、実際の作業は運動時間などを引いた7時間程度とされ、週に2、3回は入浴で1時間以上短縮されることもあるという。

日本労働組合総連合会の調査では、正規労働者の1日の平均労働時間は8・9時間で「刑務所は社会からはほど遠い」(刑務所関係者)。ある受刑者は「土日祝日も休み。短い労働時間の中に休憩もたくさんあって、とても良心的な環境だ」とする。

企業からの要望を受け、法務省は2014年度に広島、高知刑務所で8時間制を試験的に導入。15年度にはさらに6刑務所に拡大した。九州で唯一、試行している佐賀少年刑務所では、木工工場の20人が対象。入浴は作業後にさせるなどして対応しており、ほぼ全員が「社会復帰に役立つ」などと肯定的。他の刑務所では「長く働いた分の食事が欲しい」「意味ない」などの意見はあるが、前向きに捉える者が多いという。

だが、全面導入となれば刑務官の勤務時間が延び、残業代がかさむという課題も。法務省の担当者は「慎重に検討した上で、拡充も考えたい」としている。(2016/10/16 西日本新聞)

 


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