日々の愉しみ

週末は着物でお出かけがなによりのリフレッシュ。
着た着物、買ったものの記録です。

初めての村山大島

2006-07-31 | 2006年9月まで
そういえば週末、村山大島を見る機会がありました。

大島と呼ばれる織物には、鹿児島や奄美で織られた大島紬(いわゆる本場大島紬)とその類似品として大島バブルの時代に韓国で織られた大島(韓国大島)、さらに、手触りなどがこれらに似ていている村山大島紬という織物があるというのは知っていました。
韓国の、特に白大島は本場の職人さんでさえ判別不能なほどのよくできたものがあるということですが、村山大島はこれらと比べてどう違うのかが分からなくてずうっと疑問だったのです。大島の二番煎じ、貧乏人の大島などとちょっと下に見られることもある織物だそうですが、韓国大島と違っていわゆる類似品という位置づけではないそう。村山大島です、と見せてもらったこともなく、もしかしたらリサイクルショップで売られている大島の山の中に紛れていたら誰もそうと気づかれないほどそっくりなのか・・・。ウェブ上で色々ヒントは見つかるのですが「似ていて異なり」という言葉ばかりで、どのように「異なり」なのかがちっとも掴めずにいたのです。

さて、そんななか、たまたま訪れたリサイクルショップの反物の棚にそれらはひょいっとありました。伊勢佐木銘仙の新品の反物たちと混ざって全部で3反。ちょっと古いもののようでしたが本場村山大島と織り込まれていて、品質保証のラベルやシールその他がついていましたから証紙に偽りがなければ間違いなく本物の村山大島です。
やった~!やっと会えたよ
初めての村山大島に軽く興奮する私。
どれどれちょっときみたちを見せておくれよ。(←なぜ反物に語りかけたかは不明)
ふむふむ、確かに手触りは大島に似た感じです。さらりと艶があって、紬独特のほくほくした手触りではないのは本場の大島と同じ印象。
ただし!
絣が全然違う!手触りは確かに似てると思ったけど、絣だけはもうまったく全然違いました。
ああ、やっと分かった、そういうことなんですね。あの絣、あの染色はやはり鹿児島・奄美の大島紬だけのもの(韓国大島は例外として)で、なんで名前の最後に大島がついてるかっていうと、要はつるりとした平織りという部分で奄美・鹿児島の大島にあやかったのでしょう。
当然といえば当然なんですが、だって「大島そっくり」っていうんだもの。絣や染色までが見た目にそっくりだったら私みたいな素人にはもう区別がつかないなあ、と思って
でもおかげで長い間(といっても私の着物熱はごく最近なので半年くらい?)の謎がとけてすこぶるすっきりいたしました。
ちなみに、村山大島の絣は、ちょうど銘仙のそれのようなにじんでかすれたような「かすり」でした。3反全部違う柄で見比べたけど、みな同じようににじんだような絣でしたので、恐らく村山大島というのはこういうものなのかな。(もし「え~!これも○○紬なの?」的な例外的織りのものでもあれば別かもしれないのですが)でも大島のようにさらりとしていてしなやか。そのうちの1本は湯通しを経てきたかのようにとても柔らかい生地でした。非常に渋くて素敵な柄のが1反あったのでこれを着た私ってどうかなと思ったのですが、見るとなかなかいいお値段でしたので諦めてもとに戻しました
ほんとは地のアップの写真が撮れたらよかったんだけど、商品でしたので・・・。

参考までに・・・


大島(カタス式)


大島(一元式・・・だと思う)


銘仙

銘仙みたいなかすりと大島の絣が比較できるように並べてみました。
最後のは銘仙ですが、ちょうど村山大島ってこんな感じだったので。
それぞれに味があって素敵な織りの着物たちです

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