さてさて、ウィスキー製造法の三回目。
加熱乾燥し燻されて「モルト」になった大麦は、粉砕され熱湯を加えられ、糖分を抽出されます。
出来上がるのは麦汁(ばくじゅう)といって甘い麦のスープのようなもの。
そこに
酵母(糖分を分解し、アルコールに変える単細胞生物)を投入し、発酵させます。
2~3日でアルコール度数7%程の
ウォッシュとよばれるものになります。
そうしたら次はいよいよ
蒸留。
この時使う蒸留釜は銅製。銅にはウィスキーにとって嫌な香り等を吸着する作用があります。
一部のウィスキーを除いて、殆どの場合蒸留は2回。
ご存知の通りアルコールは水より先に(約80度で)沸騰しますので、
その性質を利用して純度の高いアルコールを取り出します。
蒸留が終わったウィスキーは樽詰めされ、熟成庫の中で永い眠りにつきます。
(熟成の間、樽の呼吸に合わせて少しずつ中身が減ってゆくんですよ。)
ちなみに樽にもたくさん種類があって、大きさや素材もですが、
ウィスキーを入れる前は何が入っていたのかも、重要なポイント。
・ワイン ・バーボン ・ブランデー etc・・・
樽はある意味使いまわし。けどそれがウィスキーに奥行きを与えていたりするのです。
樽詰めしたウィスキーを何年寝かせるかは、
ブレンダーといわれる職人さん達の判断。
同じ材料、同じ場所で作っても、一つ一つ個性の違うウィスキー。
その熟成のピークを見極めて世に送り出すのは、長年の経験がものをいう、
まさに職人技です。
私自身バーテンダーになるまでは、ウィスキーが何なのかも分からず飲んでいました。
それでも美味しければオッケーだと思います。
けど、歴史や成り立ちを知るとアラ不思議!ウィスキーの違った顔が見えてくるのです。
いつになく長く真面目になっちゃいましたが、
もしあまりウィスキーが得意でない方や、オッサンの飲み物だと思っている人がいたら、
ぜひコレを読んでからもう一度試していただければうれしいな。