まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

娘の優しい言葉

2012年09月05日 | めそめそ
  今朝、私は寝坊をしてしまいました
本来ならば、6時に起きて、娘のお弁当を作るはずが、ハッと目が覚めたら7時。カチャリと音がして、娘の部屋のドアが開き、すでに洗面所に入っていく音が聞こえました。私の耳元には携帯電話。アラームを無意識で止めてしまったようです。
 ああ、20代の娘じゃあるまいし、アラームを止め、寝過ごしてしまうなんて・・・なんて失態だ、と頭を掻き毟りたくなりました
 娘は先週から大きな商談が始まり、外に食事にいく時間も、何かを買いに出る時間もないから、お弁当は大助かりと話していたところなのに・・・

 私は急いで洗面所に行き、鏡に向かって歯を磨いていた娘に声をかけました。
 「Mちゃん、ごめん ママ、寝過ごしちゃった 今、あなたの部屋のドアが開く音で目が覚めたのよ。最低 だから、お弁当、作ってないのよ。」と。すると娘は、鏡を通して私を見て、笑顔でこう言いました。
  「よく寝られたんだね。良かった良かった 疲れてるんだよー。睡眠、大事だもん お弁当、気にしないで。ちょっと前までは、食べに出たり、何か買ったりしてお昼を済ませてたんだもん。少しでもママが長く寝られて良かった
 私は、すっかり大人になり、心優しい女性に成長してくれた娘を感じ・・・言葉が出ませんでした。

  「ほんと、ママは最低だわー・・・」と、何度も私は独り言を言いながら、リビングに戻りました。
  「ママー、ジュース、お願いしますー」と娘の明るい声。
 昨夜、娘の部屋の電気が消えたのは1時過ぎ、でした。忙しいながらも、今朝は気持ちよく目覚めたんだなあ・・・と安心しつつ、毎朝、娘が飲んで出かけて行く豆乳バナナジュースを作りました。
 ぐるぐる回るジューサーの中を眺めながら、たくさんのことが思い出されました

 15分後に、娘は元気に出かけていきました。私はいつものようにベランダに出て、マンションの中庭を見て待っていると、娘が現れました。そこで手を振っているのは24歳になった娘。ときどき、遅い夕食を食べながら、私を相手に一生懸命、最近の仕事の苦労話を聞かせてくれる娘・・・です。お制服にランドセル姿で手を振っていた娘から、何年の月日が経ったのでしょうか。

 私は、娘にとっては、決して良い母親ではありませんでした。
昨年、私が雑誌の「人間ドキュメント」という特集に取り上げられた時、編集者は取材ということで、息子と娘、双方にインタビューをされました 取材はそれぞれ、別の場所、別の日時だったにも関わらず、その時、二人が「どんなお母さんですか?」の問いに対し、最初に言った言葉が「母は、非常に愛情深い人です」という言葉だったそうです。
 二人はすでに大人ですから・・・この言葉には、額面通りの大きな愛情と、そして、その裏には少しの「皮肉」も込められていることを、私は理解しています

 いろいろな機会に話したり、書いたりしていますが、3年前、息子が急な心臓病を患い、奇跡的に命を助けていただいて以来、私の物事に対する考え方、捉え方、感じ方・・・大きく言えば、私の人生観、価値観、そのものが大きくかわりました。
 「生きていることはすばらしい。人は、大きな力によって生かされている。もし、生き物に輪廻があったとしても、自分自身で意識をしている「今」はたった一度きり。だからこそ、幸いも災いも、自分に降りかかることにはすべて意味があるからこそ感謝をして、一瞬一瞬を大事に生きること・・・」
 無理にそう考えようとしたのではなく、そういう思いが自然に私に宿り、私が生きている「意味」になりました。すると、すべてのものが愛しく、悲しいほどに美しく、大切になりました

 長い長い間、私は娘に多くを求め、私の考える理想像こそが「素晴らしい女性像である」と信じ、それを強要し、四角四面の理屈で話し、それが私の最大の愛情である、と勘違いをしてきました
 娘の一番多感な時期・・・反発、反抗しながらも、もっとも親の愛情を求め、愛情を必要としていた時期、彼女がどれほど寂しい気持ちで、母親に理解してもらえない辛さを耐えてきたことか・・・

 「よく寝られたんだね。良かった良かった 疲れてるんだよー。睡眠、大事だもん お弁当、気にしないで。ちょっと前までは、食べに出たり、何か買ったりしてお昼を済ませてたんだもん。少しでもママが長く寝られて良かった
 この娘の優しい言葉、こういう感じ方、捉え方・・・それは、私自身の「変化」の裏返しなのかもしれないな・・・そう思いました。

 4歳、5歳、6歳の子どもの「今」は、確実に24歳につながっています
私のような失敗は、ないほうが良いですよ。親子ともに、それは辛いことですから・・・


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4 コメント

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うーん? (キナキナ)
2012-10-06 23:09:08
いつも楽しく拝読させていただいてます。
とても素敵なホームページで、参考にさせていただいてます。

でもでも、今回の記事は何だかうーん?でした。
お嬢様はもう成人されて、立派な社会人になられていらっしゃるのですよね。

お弁当は、まだお母様が作ってらっしゃるのでしょうか?

私の母もとても忙しかったので、私は高校生の頃からお弁当は自分で作っていました。
もちろん、母は作るって言ってくれましたが、母とゆっくりする時間を作るため
自分で作っていました。
高校生の頃から自分でお弁当を作るのは、また違うと思いますが、
もう社会人になって作ってもらうということは
今回のお嬢様の言葉は優しいというより、むしろ当たり前に感じます。

私も大学を卒業し就職してからとても忙しくやりがいのある職業で頑張っていましたが
自分の事は自分でしました。自分の事をしてもらう時はむしろ、ありがたく感謝でした。
ちなみに中学生から洗濯などは自分でしてました。

それともお嬢様はまだ自立されていないのでしょうか?

実家が都内なもので、実家で暮らす方が楽でしたが、
私は就職してすぐに実家のそばで一人で暮らし始めました。
地方の方はみな同じ仕事同じ大変さでも
自分の事は自分で、やってます。当たり前に。

私の姉はずっと実家で、母にいろいろ世話をしてもらい
甘えているなーと思ってました。

社会人になって三度のご飯、掃除洗濯、それを親にやってもらっている事は
当たり前ではなく、とてもありがたい事なのです。

申し訳ありません。だから、お嬢様の言葉は優しい思いからきたとしても
何だか優しい言葉とはどうしても思えませんでした。

失礼しました。
キナキナ様、ありがとうございました! (南坊まどか)
2012-10-07 08:23:31
キナキナ様、コメント、本当にありがとうございました!

キナキナ様がお小さい頃からしっかりと物事を考え、日々様々なことを感じ、身の回りのすべてのことから学び、一生懸命に生きていらっしゃることをひしひしと感じました。

そうですね。
今回の娘の言葉は、「もっと早くに気づくべきこと」であり、キナキナさんがおっしゃるように「当然のこと」だと思います!
じつは、私自身はそうでしたから。

私は結婚までずっと親と一緒に暮らしていましたが、大学までの一貫校に通い、見回せば「家の中で一番時間があるのは私」ということで、高校生の頃から、家族のお炊事はすべてお買い物も含めて私の仕事、でした。
そんな当時のことを思えば、何と私の娘は、甘ちゃんなのか・・・と常に苦笑の思いで彼女を見ると同時に、確信犯で?!そういう育て方をしてきたことに満足の思いでもあります。

私は二人の我が子に対し、対人(ひと)、対社会に関しては非常に厳しく育てましたが、対家族、特に対母には空気のようなもの・・・として、何もうるさくは言いませんでした。
ですから、息子も娘も、社会人になった今、やっと「親の意味」「親にしてもらったこと」「親とは」ということを、いろいろと感じているようです。
じつは昨日、夫のお誕生日だったのですが、彼らが父親に送ったメールを見せてもらうと、それこそキナキナ様にはきっと笑われてしまう「当たり前のことにやっと気づいた」様子がうかがえました。

「親に感謝をすること、親を敬うこと、親は絶対であること」を、幼い頃から厳しく強要されてきた・・・と感じ、成長した私、です。
そんな私が母親となり、その反動?で家族に対しては「ゆるい感覚」で我が子達を育てました。
3年前、息子の命を一度は諦める・・・という親としての悲壮な経験から、我が子が目の前にいることは、決して当たり前のことではない、と感じるようになりました。

今更ながら、社会に出たことによって、家族というものを、親というものを、大切に感じるようになったこと・・・目に見えないけれど、大きな敬いの思いを発信するようになったこと・・・そんな我が子達の変化、ゆっくりの成長?を感じて、笑っている母親です。

彼らが数年後、数十年後、自分の母のことを思い出し、ああ、うちのお母さんは○○○な人だったんだなあ・・・と、いろんなことをしみじみと思い出してくれることを楽しみにしています。
きっと私は草葉の陰?!で、「今頃、そんなことに気づいたの?」と大笑いをしたりするのでしょう。

キナキナ様、本当にありがとうございました!
ありがとうございます。 (キナキナ)
2012-10-07 23:36:54
南坊様

お返事いただきありがとうございます。
実は昨日、コメントを書いてからずっと後悔しておりました。
人にはそれぞれ事情があるし、環境も過程もいろいろあるのに
分かったような事を偉そうに書いてしまったと。
不愉快な気分にさせてしまったのではと。

申し訳なく、おそるおそる、コメントを覗いてみました。
寛容なお言葉ありがとうございます。

南坊さまのように広い心で子ども達を受け止める器もまだできていない
まだ子育てのイロハも言えない私です。

お返事の言葉がストンと私の中に響きました。

子育て始まったばかりですが、大きな意味で二つ[これだけは見失わないように]と言う考えがあります。
子ども達が幸せを感じて生きていけるように。
自分のやりたい事を見つけて、生きていけるように。
そのために、親として何ができるのか日々模索中です。

毎日めまぐるしい中で、子どもが手のかかる今を
かけがえのない時間を、幸せに感じ、また時に鬼のようになりながら過ごしております。

ここのホームページに出会い、私の目指している子育ての方向が見えてきました。

私も南坊さまのように、親として絶対にぶれない大きな気持ちを持てるよう
ていきます。


そんな中で、本当に分かったような事を、失礼しました。
そして、どうもありがとうございました。

また、更新楽しみにしております。


P.S.
ご主人様お誕生おめでとうございます。
急に寒くなりましたので、お体どうぞご自愛下さい。
不愉快なんて、とんでもないです! (南坊まどか)
2012-10-08 10:34:18
キナキナ様、不愉快なんて、とんでもないです。
私はあなたが書いてくださったコメントを読み、いろんなことを感じました!
あなたのお母様はお幸せな方ですし、あなたのお子様も、とっても素敵なママを持ってお幸せです!

一生懸命に日々を送る人の前には、必ず正しい道が拓ける・・・私が信じ、実感していることです。
時には「なんで?」と思うような茨の道もありますが、それをも含めて甘受し、また地道に歩いていけば、間違いなく、その道からもたくさんを感じ、学ぶ大切な時間であった・・・と、のちのち、愛しくなるほど貴重な時間になるでしょう。

子どもの将来について展望を持つこと、信念を持って子育てをすることはとても大事なことです。
最近では、あっちこっち手抜きをし、最小の努力で最大の効果を得ようと企むお父様やお母様が増えれきていていますからねえ・・・

子育てに限らず、何事に対しても、一生懸命に相対したことに比例に、学びや収穫がある!それが、私の54年間での実感です。

ただね、子育てに関しては、あまりに一生懸命になりすぎると、理想と現実とのギャップに悩んだり、思い通りにいかないことで自分や子どもを責めたり・・・こういうことは少なくはありません。
結局、真面目すぎること、子育てに情熱を持ちすぎることが、自分で自分の首を絞めたり、愛する我が子をミスリードすることもある・・・こういう危険性も理解していなければなりません。

子育てには、確かに親の「一本筋の通った考え方」は必要ですが・・・
でも、「子育ては頭でするものではなく、心でするもの」なんですね。


27年間、息子と娘を育てた母親として、20年間、多くの子ども達、ご両親達と接してきた教育者の端くれとして実感していることは、基本は「愛情」「愛すること」それ以外にありません。

キナキナ様、私の書くつたない文章を愛してくださり、本当にありがとうございます。とっても嬉しかったです!
みえないキナキナ様に向かって、これからも一生懸命、書いていきます!

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