古今東西ポケモンノベル

ポケモン二次創作小説紹介ブログ

「Day Dream」と「魂響」――ムウマとセレビィが紡ぐ物語

2007-09-05 05:28:36 | 紹介おまけページ
※ネタバレ多数。本編を読んでない方はお控えください。また、これは私自身が消化し切れていないことについてつらつらと書いてあるだけです。読んでご気分が悪くなられたら、ごめんなさい(><)


 天波八次郎様作「魂響」(多分、たまゆら と読む)を読んだ際、後書きにこんなことが書いてありました。

~この小説は、紅恋猫ろみさんの『Day Dream』への私なりの返事として書いたものです。~

 ・・・・・・!?

 すぐさま「Day Dream」を読みました(←野次馬根性全開)
 けれど最初「Day Dream」を読んだ時は――はて、『魂響』のどの辺がこの作品への「返事」なんだろう?――その意図が全く理解できず、がっくり。悔しかったので何度か丁寧に読み、以下2作品の共通点について、つらつらと考えてみました。

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「魂響」について
・概要
 章立てされた6つの短編がオムニバス的に描かれて、それらが連なり合い一つの物語を成している。6編はすべて時間軸が異なる。登場人物の男性(男の子)は一貫し、彼の幼少時代の記憶と現在が交互に描かれる。一人称、三人称も各編ごとに使い分けられており、高度な技法や仕掛けを多く取り入れた作品。主要な登場ポケモンはセレビィ。「時渡り」と呼ばれる時間跳躍の力を持っている。

・時間軸
 第二編、第五編は男性の現在――争いにより破滅の一途を辿ろうとする世界を描く。第三編、第四編は男性の回想――彼の過去の出来事を描いており、時渡りポケモン・セレビィと出会い、第二、五編より未来のある時点へと時間跳躍し、その荒廃し無と化した世界に一本の木を植えてくるまでを描く。そして第一編、第六篇は三人称で男性がいなくなった後の、再び豊かな自然に覆われた世界を描いている。


「Day Dream」について
 病弱でベッドから出られない女の子と出会ったゴーストポケモン・ムウマは、女の子と遊びたいがために彼女の夢の中に入ってしまう。その中では、現実とは比べ物にならないくらい元気で明るい彼女がいて、ムウマは毎夜夢の中へと通い続けるようになる。しかしある日、女の子はベッドの横に一つのメッセージを残し、息をひきとる。
 三人称、童話調で描かれた作品。登場ポケモンはムウマ。ゴーストであるムウマは人の夢に入り込むことができる。

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 共通点を考えると、「現実と夢」「現在と未来」という対比がなされており、その2つの繋ぎ手として、ムウマとセレビィが登場しているところです。
 2作品に共通して、心に残ったフレーズがあります。

・「……畜生……これがありだっていうのか……なら……それなら……」
・「こいつが、しあわせに生きられる時代に連れてってやってくれ!」(『魂響』より)

・『現実なんて、白昼夢なのに』
・『ずっと夢のなかだったらいいのにね』(『Day Dream』より)
 
 嫌な言い方かもしれませんが、両作品とも、主人公は現実や現在に対し絶望しています。
 この場所では幸せになれない、この場所では生きられない――そういった深い悲しみが伝わってきます。自分ではもうどうしようもない状況――世界の破滅や病魔を前に、彼らはムウマとセレビィに願いを託します。そこには現状の絶望に負けない、大きな希望があったように思えます。主人公は決して幸せな最期を遂げていない両作品ですが、ラストはどちらも優しく温かな印象です。
 八方塞の主人公2人が行ったことは、やはり同様の意味――ポケモンに対する絶対的な信頼と、希望――を持っていたのだと思います。

 上で考えたことは、全部私の勘違いかもしれません。どうなんだろう(><)きっと勘違いですね。
 全く違う捉え方をした人がいらっしゃたら、是非お聞かせください。
 それにしても作品で会話した御二人は、すげぇ(><)
 面白い作品を本当にありがとうございますm(_ _)m

2007/12/21(金) まんねんろう

過去のトップ絵

2007-09-05 04:01:26 | 紹介おまけページ
今までのトップ絵。

アメタマ バネブー チェリンボ ABCな3匹

ハロウィーン期間。ピカチュウ カゲボウズ ヤミラミ

「エンドレス・サーガ」よりエリク。自作自演(笑)

紅恋猫ろみ様「Day Dream」よりムウマとムユウ

年末期間。オドシシと女の子。

2008年第一弾。

かずい様「フルスピード!」の主人公達、の頭。どれが誰の頭か分かりますか?

半年以上サボってごめんなさいm(_ _)m

まんねんろうは電気鼠の夢を見るか?①

2007-09-05 03:54:34 | 紹介おまけページ
 「古今東西ポケモンノベル」にお越しくださった方、こんにちわ。
 ここ最近、閲覧数も大分増えてきており、一日平均約30~40人の方がこのブログに訪れてくれています。偶然いらっしゃった方も、毎日見てくださっている方も、それぞれだと思いますが、このブログでポケモンノベルの作品を一つでも多く知って貰えたならそれが何よりです。

 今更ですが、なぜポケモンノベルを紹介するのかについて、つらつらと考えてみました。
 
 ブログ内容は見ての通り、ポケモンノベルとその作者様を紹介するものです。
 普段ノベルなんて読まない方、ましてポケモンの二次創作なんて・・・と思っている方に、少しでも良さを味わってもらおうと思い始めたブログです。
 
 そんな偉そうに言いますが、白状してしまうと私自身、ポケモンの小説なんて・・・とポケモンが大好きなくせに、見下していたことがあります。ポケモンのというか、二次創作そのものを鼻で笑っていました。(その頃からすでに自ら二次創作を行っていたにもかかわらず、です。結構とんでもない野郎です)

 ですが、No.017様やかずい様、マシュ様、586様といった方々の作品と出会い考え方が大きく変わってしまいました。
 二次創作なんて、オリジナルの作品から世界観を借りてきたもの、器の出来上がったものに中身を加えただけのものじゃないかと思っていた私にとって、それらの作品が持つ独特の世界観、「ポケモン」という世界だから味わえる感動、何より作者の作品に対する真剣さにショックを受け、同時に自分の二次創作に対する偏見と作品創作に対する姿勢の甘さを痛感し、恥ずかしく思いました。
 その後も天波八次郎様、タカマサ様・・・・etcの作品と出会い、ポケモンノベルの持つ魅力を確かに感じ始めました。
 
 これらの作品と出会わなければ、私はもしかしたら一生、二次創作というだけで作品を否定していたかもしれません。(大げさでしょうか・・・)
 私と同じような偏見を持っている人、少なからずいるのかもしれません。
 もしそうだとしたら、とてももったいないことをしているぞ、と今度は思うようになったのです。(大げさではなく)
 
 こんな具合で始めたレビューですが、今はとても楽しくて、もう止めようもありません。生活の一部になっている・・・とまでいうのは少し病みすぎでしょうけれど。それでも友人などには絶対そんなことは言えない私がいます。二次創作作品に夢中なことを、未だ恥ずかしがっている自分、それを「全う」だと思ってしまうのもまた事実です。
 それってどうなんでしょうか? やっぱり筋が通ってないよなぁと思いながらも明確に答えは出ておりません。
 少なからずこれらの作品を読んで、感動し、好きになって、こんなブログを始めてしまった手前、私にとっては馬鹿にできない問題だったりするのです。

 また、このブログを始めたことで、著作権や作品創作の姿勢について改めて考えるようになりました。けれどやはり、これらの問題についても、まだまだはっきりしたことが分かりませんし、言えません。そうやって考えていくうちに、次第にげっそりしてくるのですが、それでもまた面白い作品を見つけると、「今度はこれを紹介したい!」と、レビューすることばかり考えてしまいます。なんだかその心境は楽しくも苦しいといった感じです。

 何も難しいことは考えず、ただ楽しそうだったから始めたブログです。意味を求めることがすでに野暮なのかもしれません。楽しくなくなったら止めてしまえば良い、というのも一理です。
 でもやっぱりそうできないのは、それら解決できていない問題について悩むこと、ここで作品を紹介すること自体に価値があると思ってしまうからです。その思いあがり自体がそもそも間違いなのかもしれませんが。

 重く考えすぎていて、しかし悩み足りないという感は否めませんが、とりあえず作品の紹介していくことについて、改めて捉えてみました。
 この記事を読んでくださって、もし何か思うところがあった方いらっしゃったら遠慮なく考えをぶつけて欲しいです。よろしくお願いしますm(_ _)m

 作品レビュー、今は問答無用で続けたいと思います。
 そして、あぁ・・・変なカテゴリーを作ってしまったorz

まんねんろう 11月5日