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ペイン様の悩み多き日々 第40話

2016-10-16 15:24:49 | 日記



2016年10月16日

「ねぇ、ビスキュイ先生って、どんな人か知ってる?」
「ビスキュイって、個人名じゃなくてユニット名らしいよ」
「え!そうなの?」
「なんかぁ、昔バンドマンだったらしいよ。
今はロック界のゴールデンコンビって言われてて、二人がプロデュースすると、必ずヒットするんだって!」
「ねぇ、怖い系の人?」
「大丈夫でしょう。だって…」
楽屋で楽しそうに話すアイドル達。まだ見ぬ作曲者の話で盛り上がっている。そのとき、扉をノックする者が現れた。

「はい!どうぞー」
「入りまーす」
「こんにちは…」
「あ、今回曲を提供させていただきます、“ビスキュイ”の久納桜です。よろしくお願いします」

カッチリとしたグレーのジャケット。デニムで、はずし。トータルはスッキリしているものの、ゴツめのアクセサリーが“実はヤンチャ”を物語る。そして大物作詞家という肩書きに似合わないキュートな笑顔に、少女達の目が輝く。年上の男性に憧れを抱きやすい時期でもある。
「ええ!先生ですか!?」

「先生だなんて、それはちょっとやめて下さい」
「あの!はじめまして、ドラジェ5のウララですぅ!」
「ヒナです!」
「モーリーですぅ」
「カエデです!」
四人は久納の周りを取り囲んだ。

「ごめんね、今日は作詞のオレだけなんだ。作曲の静はシャイなヤツで、こういうのが苦手で…」
「えー!私、久納さんにお会いできただけでも嬉しいですぅ~」
「私もー」
「なんかジェントルマンで、しかも思ってたよりずっと若くてビックリです~」
「カッコイイ~!」

久納は照れを隠しきれない
「ハハハ。褒めすぎ褒めすぎ。
そうそう。デビューアルバムに、ロックな感じの曲を入れたいという話で、僕らに声が掛かったわけなんだけど…」
「そうなんです。MJ先生と話してたら、ロックなら専門家がいるから紹介するわって」
「専門家って、旦那様のことだったんですね~。もー、ラブラブじゃないですかぁ」
情報の早いヒナが言った。皆
「えー、そうなの!?」
と驚く。
「いやぁ…ハハハ。ばれてたか。そうなんです。みんなのMJ先生は、僕の嫁さんなんです」

だが、少女たちの憧れの眼差しに変化はなかった。
「キャー。先生、ウララも実は作詞をやってみたいんです!教えてください!」
「あ、ずるーい私も!」
「私もー!」
女の子に囲まれて、まるでハーレム状態。
「ちょっと、まぁまぁみんな。
作詞っていうのはね、いいことも、辛いことも、いろんな経験をして、いい歌ができるんだよ。だから焦らないで、これからゆっくり、まずは色んなことを経験することから始めてほしいな」

「キャー!大人の男ってカンジ!」
「酸いも甘いも知ってるみたいな!?」
「先生ステキー!」
あからさまに褒められて、気分を害する者はいない。

「僕らビスキュイは、みんなに、ただ曲を作るだけじゃなくて、いろいろ話し合って決めたいんだ。
普段はロックバンドのプロデュースが本業だから、今回はすごい、手探り状態なんだよね」

「ロックを提案したのは、リーダーのあんちゃんでーす」
「あんちゃん?あんちゃんはどの子??」

「ハーイ、今、お便所行ってましたー」
背後から聞き覚えのある声。振り返ると、へそ出しのレザーベルトにミニスカート。ウォレットチェーンを無駄に付けたリーゼントの杏雅。

「……杏ちゃん…こんなところで何やってんの?」
久納は、変わり果てた妹の姿に唖然。
「何って、デビューだぜデビュー!ドラジェ5のリーダーとして、ロックに時代を引っ張ってってやんぜ」
他のメンバーは、そんな杏雅を見て
「うわー!それがデザインした衣装?すごーい!」
「カッコイイ!」
と感激している。

「こ…コラ!!
兄ちゃんは聞いてないぞそんなの!デビューだなんて!
だいたいなんですか、そのハレンチな格好は!?」
「え?義姉さんは応援してくれてんぜ?アニキは聞いてねーのかよ?」
「お兄ちゃんと呼びなさい!順子は知っててこんなことさせてるのか…アイツ~!
だいたい今日は、花子と遊んでくれる約束だったろ!?」
「ああ。ダイジョブダイジョブ。きんちゃんと、今ごろ遊園地行ってっから」
「金之助と!?なんでアイツに花子を頼むんだよ!?」
「心配すんなって、あの二人、超仲いいし。大人になったら、きんちゃんと結婚したいとか言ってたぜ」
「なっ!!」
「ほんじゃ、今からこの服、スタッフさん達に見せてくるわ」
杏雅は楽屋を出ていく。
「ま、待ちなさい!そんな格好で歩き回るんじゃありません!」
後を追う久納。
「っんだよ、こまけーことゴチャゴチャと。自分だって顔に安全ピン付けてたろ?」
「それは大昔の話でしょ…」
二人の声が遠ざかっていく。部屋に残された四人。

「誰が…“大人の男”だって?」
「………さぁ…」
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