gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ペイン様の悩み多き日々 第31話

2016-10-16 15:03:38 | 日記



気づくと、なぜか明の家の前に来ていた。偶然、コンビニに行こうとドアを開けた明に発見され
「うわ!お前か!ビックリしたぁ」
と驚かれた。明は、久納を部屋に入れた後、お茶を買ってきてくれた。

焦点の定まらない久納を心配し
「どうした?お前。なんかひどいことされたんか?」
「…ちゅうを…」
「ちゅう…え!?チュウ!?こんなときに!??

いや、まぁそれはいいか。誰と!?」
「…MJさん」
「へー、MJさんか
っMJさんんん!!?」
「…うん」
「あー、うん…そうなのねぇ~…」
体育座りの久納は、まだうわの空。

明はお茶をすすって
「よかったじゃん。まあ、あんときからオレは多分そうなるって思ってたぜ」
「あんときって!!?」
ボーッとしていた久納が突然覚醒した。
「い…いや、あれだよ。ないしょでロックオン事件」
「チェリーキスの?」
「そう。ありゃあ驚いたぜ正直。あのあと静が、すっげーブルーになってたの、よく覚えてるんだよなぁ…」
と明は頭を掻いた。
「ブルー?静ちゃんが?」
「うん。まぁ…その…」
何か言いにくそうな口ぶりなので、久納も膝をただした。

「…今まであんまり言いたくないから言わなかったけど」
「うん」
「俺も、静と同じっていうか…」
「えー!!!明さんもまさかやってるんすか!!?」
「バカッ!!声デケーし!!やってないっつーの!!そういう意味じゃねーよ」
「すいません!」

「静のやったことは、もちろんいけないことだ。ファンに謝りたいし、みんなに迷惑もかけてる」
「うん」
「でも…その…気持ちの上ではわかるんだよな、あいつの焦りっつーか。あいつ、自分からはなんにも言わないけど、お前のこと大好きじゃん?ペドノンヌのことも大好きなんだよ」
「うん、うん」

「だけどさ、アカシックに入ってから、俺たち自分のことでお互い精一杯だったじゃんか。
あと、誤解してほしくないんだけど…」
「なんすか?言って下さい」
「お前はリクさんに可愛がられて、ベースもメキメキ成長してる。一緒にバンド始めた者としては、焦りもあったと思うぜ」
「…ああ…そうか…。…そんな風に思ったこともなかったな」

「俺もさ、タケがバンド入ってきたとき、まるで兄貴分のつもりでさ。色んなこと教えてやろうと思ってたわけよ。音楽の先輩としてさ。
そしたらアイツ、みるみるうちに成長しやがってさ。あっという間に俺のこと、追い越してったんだよね」
「へー、そうだったんすか」
「しかも、身につけるだけ身につけて、さっさと引退されたんだから、やってらんねーよ。アイツほんとに器用なんだわ」
「そうなんだ」
「静が実際、どう思っていたかはわからないけど、俺と同じような気持ちあったと思うんだよな」

いつも明るく、誰にでも人あたりのいい明が、タケにだけ妙につっかかる理由が、やっとわかった。

「でも、明さん。オレ、MJさんの曲以外であんな力を発揮できたことないっすよ」
「そうなんだよ。だから俺も、ないしょでロックオンを一発で完コピできたのは、久納の下心が、あまりにもすごいからだぞって、静に教えてやったんだけどさぁ…」
「ちょっと!!その言い方ナシですよ!!」
「え?俺は褒めてるんだよ」
「絶対バカにしてるじゃん!」

明はハハハと笑って、ふとカップに目線を落とした。
「このところ、この部屋に集まって、四人で騒ぐこともなかったな…」
と、しみじみ言った。音楽の話だけでなく、くだらない話をして盛り上がることが、実はメンバーの結束を高める大切な時間だったのかもしれない。

「また、タケさんのお店も、みんなで行きましょう」久納が提案した。
「そうだな」
何気なく目を向けた窓。雪がチラつき始めた。
明は
「お、雪かぁ!積もるかなぁ?」
と、少年のように窓に駆け寄った。

「あ~、でも明日晴れるから、溶けちゃうかな…」
明の呟きをきいて、久納はMJの言葉を思い出した。

「次の日にはみんな忘れてるわ」


MJは、今日のキスも、明日になったら忘れてしまうのだろうか。雪が嘘のように消えてしまうように。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ペイン様の悩み多き日々 第30話 | トップ | ペイン様の悩み多き日々 第32話 »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。