ストーリー
真珠湾攻撃によって太平洋戦争の端緒を開いた戦略家として知られる大日本帝国海軍の軍人・山本五十六の実像に迫るドラマ。在米日本大使館での勤務経験から国力の差を誰よりも把握し、米英を敵に回す日独伊三国同盟に反対していた海軍次官時代から、自らの意思に反して戦争を始めなくてはならなくなった苦悩の司令長官時代を経て、早期終戦による講和を目指しながら志半ばで命を落とすまでを描く。山本五十六役で役所広司が主演。玉木宏、香川照之らが共演。「八日目の蝉」の成島出監督がメガホンをとる。
キャスト:
役所広司、玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、阿部寛、吉田栄作、椎名桔平、益岡徹、袴田吉彦、五十嵐隼士、坂東三津五郎、原田美枝子、瀬戸朝香、田中麗奈、中原丈雄、中村育二、伊武雅刀、宮本信子、香川照之
監督:成島出
監修:半藤一利
特別協力:山本義正
プロデューサー:小滝祥平
脚本:長谷川康夫、飯田健三郎
撮影:柴主高秀
照明:長田達也
録音:橋本文雄
美術:金田克美
装飾:大坂和美
編集:阿部瓦英
音楽:岩代太郎
VFXプロデューサー:浅野秀二
VFXディレクター:鹿住朗生
製作国:2011年日本映画
配給:東映
上映時間:140分
日本人なら一度は聞いたことのある人物、山本五十六ではないでしょうか?この映画を見たいと思った理由は、どのような視点で山本元帥を描いているのかという事と、山本元帥の思いは‥という事。
映画は、まだ山本元帥が海軍省にいたころから始まり。山本元帥は、長岡出身、しかも士族の出身。このあたりが、彼の戦争に対する思いを知る一番のキーだと感じながらみました。
出だしの頃、海軍省にこのままいては、山本元帥が殺されるのでは(ドイツ・イタリアとの三国同盟に反対していたから)という憂慮から、山本元帥は、海に出ることになる‥後の歴史家が、山本が、海軍省を出たため、彼の後任達が凡庸で、政治力もなかったため、海軍省の政治力が落ちたと述懐しています。
見ていて私が感じだことは、この昭和になっても、いまだに薩長と長岡はわだかまりがある‥会社でも、仕事をするのは一人では大きな事ができない、大きな事をするには、皆がまとまって、和していってこそといいます。それが、命の危険にさらされる、軍隊であったら‥長岡人である、山本と、薩長出身者の軋轢‥このような事が戦争の悲劇を倍加したように感じました。
また、私は、山本に全て同調するわけでもないし、戦争に詳しいわけでもなんでもない、素人ですが、そんな私でも、ドイツ・イタリアとの三国同盟は全くの無駄と思えました、昔から。確かにドイツの破竹の勢いは凄いけど、日本とは遠すぎて、なんの助けにもならない、その上、中国で勢力争いしているフランスやイギリスを刺激するだけに思えました。ドイツの、潜水艦の知識や、レーダーや爆弾の知識を教えてもらえるなら有益だったかもだけど、同盟国にもそんな事を教えてくれるとは考えられないし。
確かに三国同盟を組んで、アメリカは敵になる‥山本の考えは当然でもあり、戦争にあっても冷静さをもっていた人物だったと。
アメリカの力を知っている山本、それに対して、一部の日本人が、神風をいまだに信じている‥
先の話ではありますが、日本が戦争に負けたのは、レーダーだとかの近代戦に負けた、また、石油などの資源、食糧がなかったといいますが、日本の軍部がそれをわかりつつも戦争につき走ってしまった‥
真珠湾攻撃をしかけた山本ではあったけど、それによって、優位を保って、講和したいというのが本音だったと描かれています。
昔、私が、初めてハワイに行った時、ベテランガイドさんから、「アメリカの中でもハワイは一番日本人に優しいです、それは、真珠湾攻撃です。あれは、当時、成功と言われたけど、真っ赤なウソ。軍人なら、ハワイを攻めるなら、当時ハワイにあった、石油タンクをめがけて、爆弾を落とす。日本はそれをしなかった、その理由は、ハワイには日系人が多数。日本は、日系人を忘れていなかった!と。ハワイの人はそう思っている。」と!
その点は私にはどうなのか、わかりませんが、ひょっとしたらそうかもしれません。
「もし、石油を狙って爆撃していたら、何カ月にわたってハワイ諸島は燃えて、アメリカも補給を断たれての大打撃。真珠湾を忘れるなというけれど、実際のハワイの人は日本人を恨んでいない‥」どこまで、本音かはわかりませんが、ガイドさんが嬉しそうに話していました。もちろん、日系人でした。
山本は、本当はどう考えてあの奇襲をしたのかは、彼が死んだ今となっては、真実はわからないと思います。全て、資料プラス想像だと思うのです。
役所さんは、自然体で、歴史の大人物を演じて。
真珠湾攻撃から、ミッドウエー開戦まで‥ミッドウェーの撤退の時、山本は、少しでも多くの兵の撤退に努力した様子が描かれ‥
死ぬまでが描かれています。アメリカはレーダーで、山本が視察することをつかみ、攻撃をした。このとき、山本を殺すか生かしておくかで議論があったと。映画には登場しませんが。山本を殺して、もっと優秀な人物が後をついだらと‥でもいろんな資料で、山本以上の人物は今の日本にはいない、山本を殺した方が、アメリカには有益という結論だったと。
確かに、山本がなくなり、それ以降戦局は悪化で、この戦争で300万人以上がなくなり、その9割が山本が亡くなった以降だったと聞きます。
特に山本がなくなり、あの悪名高い人間魚雷や回天などが登場‥山本がいたら、やらなかったと思えてなりません。
現にその悪名高い兵器考案は、山本が、死ぬ前には信頼をなくしていたという人物だし。
沢山学ぶ事のある映画ですが、特に、和していくという事がいかに大切で、難しいかと思い知らされました。
日本が伸びていくには、「和する」、これができるかにかかると思うのです。
また、映画の最後に、終戦の日本の様子も描かれています。
あれほどアメリカは敵だと言っていたけど、今度はアメリカに向くことになった日本‥節操がないようにも描かれてはいますが‥
でも、この終戦から、立ち上がって繁栄していくのに、アメリカの力は必要不可欠だったと思います。明日の敵は今日の見方、人間、「こだわらないで生きる」のがいいのかも。
皮肉にも、あれだけ、薩長だとか、長岡とか言っていてこだわっていて戦争に負けたのだから。
真珠湾攻撃によって太平洋戦争の端緒を開いた戦略家として知られる大日本帝国海軍の軍人・山本五十六の実像に迫るドラマ。在米日本大使館での勤務経験から国力の差を誰よりも把握し、米英を敵に回す日独伊三国同盟に反対していた海軍次官時代から、自らの意思に反して戦争を始めなくてはならなくなった苦悩の司令長官時代を経て、早期終戦による講和を目指しながら志半ばで命を落とすまでを描く。山本五十六役で役所広司が主演。玉木宏、香川照之らが共演。「八日目の蝉」の成島出監督がメガホンをとる。
キャスト:
役所広司、玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、阿部寛、吉田栄作、椎名桔平、益岡徹、袴田吉彦、五十嵐隼士、坂東三津五郎、原田美枝子、瀬戸朝香、田中麗奈、中原丈雄、中村育二、伊武雅刀、宮本信子、香川照之
監督:成島出
監修:半藤一利
特別協力:山本義正
プロデューサー:小滝祥平
脚本:長谷川康夫、飯田健三郎
撮影:柴主高秀
照明:長田達也
録音:橋本文雄
美術:金田克美
装飾:大坂和美
編集:阿部瓦英
音楽:岩代太郎
VFXプロデューサー:浅野秀二
VFXディレクター:鹿住朗生
製作国:2011年日本映画
配給:東映
上映時間:140分
日本人なら一度は聞いたことのある人物、山本五十六ではないでしょうか?この映画を見たいと思った理由は、どのような視点で山本元帥を描いているのかという事と、山本元帥の思いは‥という事。
映画は、まだ山本元帥が海軍省にいたころから始まり。山本元帥は、長岡出身、しかも士族の出身。このあたりが、彼の戦争に対する思いを知る一番のキーだと感じながらみました。
出だしの頃、海軍省にこのままいては、山本元帥が殺されるのでは(ドイツ・イタリアとの三国同盟に反対していたから)という憂慮から、山本元帥は、海に出ることになる‥後の歴史家が、山本が、海軍省を出たため、彼の後任達が凡庸で、政治力もなかったため、海軍省の政治力が落ちたと述懐しています。
見ていて私が感じだことは、この昭和になっても、いまだに薩長と長岡はわだかまりがある‥会社でも、仕事をするのは一人では大きな事ができない、大きな事をするには、皆がまとまって、和していってこそといいます。それが、命の危険にさらされる、軍隊であったら‥長岡人である、山本と、薩長出身者の軋轢‥このような事が戦争の悲劇を倍加したように感じました。
また、私は、山本に全て同調するわけでもないし、戦争に詳しいわけでもなんでもない、素人ですが、そんな私でも、ドイツ・イタリアとの三国同盟は全くの無駄と思えました、昔から。確かにドイツの破竹の勢いは凄いけど、日本とは遠すぎて、なんの助けにもならない、その上、中国で勢力争いしているフランスやイギリスを刺激するだけに思えました。ドイツの、潜水艦の知識や、レーダーや爆弾の知識を教えてもらえるなら有益だったかもだけど、同盟国にもそんな事を教えてくれるとは考えられないし。
確かに三国同盟を組んで、アメリカは敵になる‥山本の考えは当然でもあり、戦争にあっても冷静さをもっていた人物だったと。
アメリカの力を知っている山本、それに対して、一部の日本人が、神風をいまだに信じている‥
先の話ではありますが、日本が戦争に負けたのは、レーダーだとかの近代戦に負けた、また、石油などの資源、食糧がなかったといいますが、日本の軍部がそれをわかりつつも戦争につき走ってしまった‥
真珠湾攻撃をしかけた山本ではあったけど、それによって、優位を保って、講和したいというのが本音だったと描かれています。
昔、私が、初めてハワイに行った時、ベテランガイドさんから、「アメリカの中でもハワイは一番日本人に優しいです、それは、真珠湾攻撃です。あれは、当時、成功と言われたけど、真っ赤なウソ。軍人なら、ハワイを攻めるなら、当時ハワイにあった、石油タンクをめがけて、爆弾を落とす。日本はそれをしなかった、その理由は、ハワイには日系人が多数。日本は、日系人を忘れていなかった!と。ハワイの人はそう思っている。」と!
その点は私にはどうなのか、わかりませんが、ひょっとしたらそうかもしれません。
「もし、石油を狙って爆撃していたら、何カ月にわたってハワイ諸島は燃えて、アメリカも補給を断たれての大打撃。真珠湾を忘れるなというけれど、実際のハワイの人は日本人を恨んでいない‥」どこまで、本音かはわかりませんが、ガイドさんが嬉しそうに話していました。もちろん、日系人でした。
山本は、本当はどう考えてあの奇襲をしたのかは、彼が死んだ今となっては、真実はわからないと思います。全て、資料プラス想像だと思うのです。
役所さんは、自然体で、歴史の大人物を演じて。
真珠湾攻撃から、ミッドウエー開戦まで‥ミッドウェーの撤退の時、山本は、少しでも多くの兵の撤退に努力した様子が描かれ‥
死ぬまでが描かれています。アメリカはレーダーで、山本が視察することをつかみ、攻撃をした。このとき、山本を殺すか生かしておくかで議論があったと。映画には登場しませんが。山本を殺して、もっと優秀な人物が後をついだらと‥でもいろんな資料で、山本以上の人物は今の日本にはいない、山本を殺した方が、アメリカには有益という結論だったと。
確かに、山本がなくなり、それ以降戦局は悪化で、この戦争で300万人以上がなくなり、その9割が山本が亡くなった以降だったと聞きます。
特に山本がなくなり、あの悪名高い人間魚雷や回天などが登場‥山本がいたら、やらなかったと思えてなりません。
現にその悪名高い兵器考案は、山本が、死ぬ前には信頼をなくしていたという人物だし。
沢山学ぶ事のある映画ですが、特に、和していくという事がいかに大切で、難しいかと思い知らされました。
日本が伸びていくには、「和する」、これができるかにかかると思うのです。
また、映画の最後に、終戦の日本の様子も描かれています。
あれほどアメリカは敵だと言っていたけど、今度はアメリカに向くことになった日本‥節操がないようにも描かれてはいますが‥
でも、この終戦から、立ち上がって繁栄していくのに、アメリカの力は必要不可欠だったと思います。明日の敵は今日の見方、人間、「こだわらないで生きる」のがいいのかも。
皮肉にも、あれだけ、薩長だとか、長岡とか言っていてこだわっていて戦争に負けたのだから。