チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

桃姐(邦題、桃さんのしあわせ)

2012年11月15日 06時04分09秒 | 香港

曇り、22度、77%

 香港映画(桃姐)が、今日本で上映されているようです。この映画、今年の香港映画祭ではたくさんの賞を取りました。日本でも人気があるアンディラウ、演技派のデニーイップ、二人の好演もさることながら、今の香港の一面をしっかりと見せてくれた、実話に基づく映画です。

 60年、家政婦として働いてきた桃姐(タオチェ)は、中風で倒れます。身寄りの無い彼女は、自ら老人施設に入ることを決めます。永年働いて来た家の息子(アンディラウ)が、桃姐のことを見守る中で、彼自身が変わっていく様を演じています。

 今年発表された世界の長寿、25年以上も世界一を誇っていた日本人女性が、今年は、香港人女性にその座を交代しました。一位、二位なんてたいしたことではないのです。この土地の女性がどうして長生きするのか、ずっと私には疑問です。ここ2年ほど、母を預けている日本の老人施設をつぶさに見る機会に恵まれました。桃姐の映画の香港の老人施設、あれは、ほんこんの実情です。 街の雑居ビルに入っている老人施設。日本同様、介護に携わる人手不足。老人施設の環境ばかりではありません。

 昨日の香港の新聞に、6人に一人が、貧困に苦しんでいると出ていました。町中を、明らかに70代と思われる老人が、新聞や、空き缶を集めている姿を目にします。新聞10キロでやっと$10、日本円で100円です。政府の老人援助は、遅ればせでも調って来ていますが、まだ充分ではありません。家族が移民して、一人取り残された老人もいます。

 ほんの一握りの富裕層の老人は、手厚い介護を受けています。私の知人宅では、お手伝いさんを2人雇っています。一人は家事を、もう一人は、歳取ったおばあさんの世話だけをするためです。貧富の格差は、どこの国でも今叫ばれていますが、日本と香港を比べると、その格差の大きさは、香港の方が大きいようです。中国からの汚染された空気、ただでさえ人、車の多い香港、人が長く生きることが出来にくい土地に思われます。強いていえば、日本のような寒い冬が無いことだけは、恩恵です。

 店番を頼まれたのでしょうか、 店先でうたた寝をしているおばあさんです。日本ほど、全体的には、恵まれていない香港です。

 桃姐、香港映画にしては珍しく、オーバーな演技が少ない映画です。香港の超高層ビルなんてひとつも写っていません。きっと撮影は、九龍サイドのジョーダン辺りでしょうか。せわしなく、落ち着かないこの街で年寄りが長生きする、その事自体不思議です。香港の生活、家族事情の一端を見ることが出来る映画です。


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