チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

大工さんの道具 墨出し

2016年12月10日 05時17分20秒 | 日々のこと

晴れ、8度     福岡

 小さい頃、大工さんや植木屋さんがうちに入ると1日付いて回りました。兄弟はいません。地元の学校にも通っていませんでした。10時と3時のおやつも一緒、お昼のお弁当の時は熱いお茶を持って行きました。植木屋さんが梯子をかけてバランスよく木を切るのを下から眺めます。大工さんのすることは小さなことから大きなことまで見ていて楽しいことばかりで、しかもその道具が興味の対象です。クルクルと木のクズが出てくる鉋、足をかけてギコギコと引く鋸。口に釘を加えて、トントン叩く金槌。どの動きも私の目には不思議な世界です。

 残念なことに、そんな大工仕事は今の建築現場では必要ないようです。組み立てというのか釘すらエアガンのようなものでピシュンピしゅんと打ちます。私の日本の家の改築は家が屋根と柱だけになるような工事でした。ふた月に一度、歩みののろい工事を見せてもらいます。古い家ですから規格どおりにはいきません、歪みや傾きいっぱいの家です。

 昨日、家の一部に手を加えてもらうことにしました。やってきた大工さん初めてみるお顔です。小さくて、よく喋る大工さんです。お歳は60を出られた頃でしょうか。何をするにも歩くというより小走り。何か探してると思ったら、老眼鏡。何やら不安な始まりです。お昼になっても物の形すら見えてきません。ところが裏庭で鋸の音がします。思わず私も庭に。次には細かいところに鉋をかけています。もう目が離せません。その間もよく喋ります。その辺りから私は小さい頃のように大工さんについて回ります。

 柱は真っ直ぐではありません。床は水平ではありません。水平器のような道具も使うのですが、おじさんが出してきたのは小型ロボットのような機械。30センチ足らずの三本足です。そしてなんとレザー光線が、あの赤いレザー光線が真っ直ぐに出ます。もう拍手大喝采!何をするかというと、垂直、水平の線引きです。自分で歩いたらまるでロボットです。「レザー墨出し」というそうです。

 この後も日暮れ過ぎまで仕事は続きます。また鋸の音がしたと思ったら、次は、金槌の音。見るとノミを打っています。大きな梁に切り込みを入れています。もうここまでくると私はあんぐりとおじさんの仕事に見惚れます。木屑なんて散らかり放題。でも手元の仕事は確かです。そして最後に小走りで持ってきたお道具、 実は小さい頃一番不思議だった黒い道具です。「墨出し」です。青いつまみを引くと墨の着いた糸が出てきます。これで、水平垂直の線引きをします。最後におじさんが頼ったのは昔ながらの「墨出し」でした。龍の彫り物があります。この「墨出し」は何か大工道具の中で一番女性的に思ったものです。

 日がとっぷり暮れて仕事が終わりました。おじさんの荷物の整理を手伝いながら驚きます。小型発電機に始まり電動ノコはもちろんお持ちです。ところが普通のノコギリがなんと4本、刃の目の大きさが違います。カナヅチ数本。ノミがこれまた数本。脚立は高さ違いで3脚。見事に小型トラックに積んでお帰りなります。家に入ると、あらあら、老眼鏡のケースを置き忘れています。

 新旧取り混ぜた大工道具を見せてもらいました。もうこれからは昔ながらの日本の大工道具を見ることがなくなると思うと、昨日一日、実に楽しい時間を過ごしました。

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