映画のせかい

私が最近見た映画 ※ネタバレあり

悪霊島 #104

2004-11-27 | あ行の映画
1981年 日本 131分

70年代にブームを巻き起こした角川映画の金田一シリーズの最終作。鹿賀丈史が金田一を演じる。

広島県刑部島でもぐり産婆が殺される。調査で島へ渡った金田一は途中で合流した青年三津木五郎と刑部大膳の経営する宿に泊まる。しかしこの家はいわくありげで・・・。

登場人物は
刑部家
刑部大膳(佐分利信)
刑部守衛(中尾彬)
巴(岩下志麻)・・守衛の妻。
ふぶき・・巴の双子の姉妹。脳を患い離れに匿われている。
双子の娘(岸本加代子)・・明と暗。明の方が先にやられ、暗はラストで何かを暗示させる。

越智竜平(伊丹十三)・・かつて巴と恋愛関係にあった
越智吉太郎(石橋蓮司)・・なぜかいつも猟銃を抱えている

という刑部島を二分する2つの家の人たち。中尾彬が島の伝統の黄金の矢で刺され死亡する事件が起きる。キーとなるのは竜平と巴の関係である。登場人物が少ない分だけ推理の複雑さは無いが、その分岩下志麻のミステリアスな2役ぶりでかき回される。岩下志麻は当時40を超えていたと思うが若くて綺麗なんだけど、よく考えたら本作の監督の篠田正浩氏の妻である(だからどうしたというわけではないが^^;)。竜平と巴の私生児であったシャム双生児の骨を大事に育てるところの壊れっぷりが凄まじい。

伊丹十三は映画監督としてしか知らなかったが、なかなかの存在感で迫力がある。逆に中尾彬は個性を発揮する前に殺されてしまった。それから古尾谷雅人演じる青年三津木五郎のモノローグで始まる割に、彼の出生の秘密はわからずじまい。原作は上下巻からなりボリュームたっぷりなので、2時間ちょいへ濃縮はやや無理があったようだ。ビートルズサウンドは版権の問題で差し替えられたが、レットイットビーで終わる余韻も特色の一つだ。


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