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「瑕疵担保責任」

2017-04-25 18:23:55 | 日記
不動産売買でよく、「瑕疵担保責任」という言葉を聞くことがあると思います。

これは、売買の目的物に瑕疵(欠陥)があり、それが通常の注意をしても

気づかないものである場合に、売主が買主に対して負う責任です。

この瑕疵担保責任に民法が規定する一般債権と同じ期間の経過により、

消滅時効にかかるかどうかが争われた判例があります。

紛争の内容は、
買主は、昭和48年2月、売主から本件宅地(約90㎡)およびその地上建物を買い受け、

同年5月所有権移転登記・引渡しを受け、その後、居住しました。

平成6年2月頃、買主は本件宅地の一部(23㎡)に昭和47年10月にK市の

道路位置指定を受けていることを初めて知りました。

そこで買主は、平成6年7月頃売主に対し、道路位置指定を解除するための措置を

講ずるように求めたが、それができないとして、この道路位置指定の存在は

民法第570条の隠れた瑕疵に当たることを理由に、瑕疵担保に基づく損害賠償を訴求しました。

売主は、瑕疵担保に基づく損害賠償請求権は民法の消滅時効の規定(民法第167条)の

適用により消滅したと主張し、裁判において消滅時効を援用しました。

一審のさいたま地方裁判所は、瑕疵担保責任の時効消滅を認め、売主勝訴となりました。

二審の東京高等裁判所は、瑕疵担保責任の消滅時効を否定し、買主勝訴となりました。

そして、最高裁判所の判決(平成13年11月27日)は、

買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権は、売買契約に基づき法律上生じる

「金銭支払請求権」であって、これが民法第167条第1項にいう「債権」に当たることは明らかである。

この損害賠償請求権については、買主が事実を知った時から1年という除斥期間の定めがあるが、

これは法律関係の早期安定のために買主が権利を行使すべき期間を特に限定したものであるから、

この除斥期間の定めがあることをもって、瑕疵担保による損害賠償請求権につき

民法第167条第1項②の適用が排除されると解することはできない。

さらに、買主が売買の目的物件の引渡しを受けた後であれば、遅くとも通常の消滅時効の満了までの間に

瑕疵を発見して損害賠償請求権を行使することを買主に期待しても不合理ではないと解される。

これに対し、瑕疵担保による損害賠償請求権に消滅時効の適用がないとすると、

買主が瑕疵に気付かない限り、買主の権利が永久に存続することになり、

これは売主に過大な負担を課するものであって、適当とはいえない。

従って、瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、

この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けたときから進行すると解するのが相当である。

本件においては、買主が売主に対し瑕疵担保による損害賠償を請求したのが、

本件宅地建物の引渡しを受けた日から21年余りを経過した後であったというのであるから、

買主の損害賠償請求権については消滅時効期間が経過しているというべきである。

以上のように、一般債権と同じ期間の経過により消滅時効にかかることを判示しました。
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