マイコー雑記

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日本政府も企業も切望する「グローバル人材」?国境をこえて活躍できる力がますます鍵になってきそうですね

2017年04月16日 | 21世紀型子育て

先日、日本の友人と話す機会があり、高校生の息子さんが、

今から、「就職できるかなあ」と心配しているとのこと。

「この大学だから就職安泰、とはいかない時代になってるのよ」と友人。

「海外も視野に入れたら、可能性広がるんじゃないかな?」と私。

 

 

今日は、日本の政府や企業が、

どんな人材を「喉から手が出るほど欲しい!」と思っているのか、

状況をざーとなぞってみましょう。

 

「海外進出」が日本の未来を握る? 

2010年に発表された「経済産業省による報告書」の冒頭に、こんな言葉が綴られています。

「日本が人口減少社会へ突入し、国内市場の成長が見込めない中、海外市場へ の進出が重要なテーマとなっている。日本企業が特に成長著しいアジアの新興 国に進出して市場を獲得するなど、アジアの成長を内需として取り込んでいけ るかどうかが、これからの日本の運命を左右するポイントになる。」

少子化で、国内の市場がしぼんでいく中、

企業も国境をこえ、

海外の国々と連携してお客さんを獲得する必要がますます高まっていくというんですね。

海外市場獲得がこれからの日本の運命を左右するポイントとまで!

 

また同じ報告書に、経済産業省が259社を対象に「海外進出にあたっての課題」について調査したところ、

約4分の3近くの企業が、最重要課題として「グローバル化を推進する国内人材の確保・育成」 をあげたとあります。

 

国としても様々な企業としても

「日本と海外の架け橋として世界を舞台に活躍できる人材」を切望していて、

今後ますますその傾向は高まるんでしょうね。

 

 


「グローバル人材」とは?

 そこで、文部科学省は「グローバル人材の育成」なる提案をしています。

それによると、「グローバル人材」とは、

「グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引 先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の 差異を乗り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き出して 活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材。」

(「報告書~産学官でグローバル人材の育成を~」 産学人材育成パートナーシップグローバル人材育成委員会,2010年4月より) 

 


また経済産業省は、以下の3つによって「グローバル人材」を定義しています。

①「社会人基礎力」

「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力から成り、

「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」。

②外国語でのコミュニ ケーション能力

外国語が堪能だけでなく、異なる文化背景を持つ人々の間で自らの考えを伝え、相手の考えをくみとる力。

③「異文化理解・活用力」

交渉し、互いの着地点を見出すためにも、相手の文化的背景を理解する必要があります。

 

 

私自身は、この「グローバル人材」というの、

文部科学省の提案する「21世紀型能力」に、

「語学力」と「異文化理解」を加えたようなイメージを持ってます。

 

いずれにしても、英語や外国語ができればいいというものじゃなくて、

外国語を活用できる資質や力が必要なんですね。

 

 

 

 

ところが日本の若者はかなり内向き?

ところがこうした時代のニーズに逆行するように、

日本の若者は内向きだという研究もいくつかあります。

 

こちらの経済産業省の2010年に発表された調査では

「将来、グローバル人材としての活躍が期待される若者の海外志向は低下傾向にある。  

新入社員の海外就労・勤務に対する受容性も低下傾向にあり、国内就労を志向する比率が上昇している」とのこと。

 

またこちら2001年から2008年にかけての調査では、

若者の海外留学率が中国では急上昇、韓国も上昇に比べ、

日本の若者では減少。

他のアジア諸国の若者はどんどん外へ飛び出している。

 

2015年に発表された産業能率大学による新卒社員の調査では、

・上司が外国人 半数以上が抵抗感を示す

・「海外で働きたいとは思わない」というのが 過去最高の63.7%だそうです。

理由は、「語学やコミュニケーションに不安があるから」が上位のようです。

 

一方、「どんな国でも働きたい」と答えた新入社員は27%で、

こちらも3年前の18%から増加だそうです。

つまり、人材の二極化が進んでおり、産能大によると、

「海外志向が強い人材の確保に向けた企業間の争奪戦が注目される」とのこと。 


冒頭の友人との話でいえば、

「国境をこえて活躍できるグローバルな力をつける」

ということを考慮していくのもひとつの方法ですよね。


 

一方、こちらの小学生の調査では、

60パーセント強が「将来海外で活躍したい!」と答えているとのこと

こんな小さな頃の気持ち、大切に育んでやりたいですね。

 

 

いずれにしても、こうした社会状況の中で、

これからを生きていく子どもに関わる大人として、

「グローバル人材」にまつわる現状、心に留めておきたいですね。

 

 

 

「異文化理解」は他者への寛容さを増大させる?

「グローバル人材」というのは、

・21世紀に必要とされる資質を育み、

・語学力をつけ、

・子ども時代から異文化に触れ理解する機会を持つ

ということですが、「異文化理解について」こんな研究があります。

 

「21世紀型スキル」を提案する「Partnership for 21st Century Skill」による、

25000人を対象とした研究では、

94%の対象者が、国際的な体験は、学習への意欲を沸き立てるとしてます。

そして、96%が他者への寛容さを増大させると答えています。

 

ちょっと話が飛びますが、2017年4月15日刊行の『The Economist』に掲載された、

「日本のいじめ」についての記事を昨夜読みました。

 

世界中どこでも「いじめ」はあるけれど、

多くの場合、1人に対して数人がいじめるのに対し、

日本の場合は、1人に対して集団でとことんまでいじめる。

「空気を読めない(Read the Vibes)」などが理由となり、

周りと「違う者」に対して驚くほど敏感で寛容性がない、というようなことが書いてありました。

多様な文化に触れることで、身近な他者の異質さも、また違った角度から捉えられるようになるといいですよね。

 

 

グローバルな意識や、異文化理解について、引き続きまとめていきますね。

 

 

 

 

さて、春休みしょっぱなから大事件が起こり、相変わらず波乱万丈な始まりでした。

子どもの1人と泣いて怒ってしょげて笑って、おかげさまで、無事落ち着きました。

教訓は、常に、「では目の前のこの出来事から何を学ぶか?」ですね。

決意し、未来へと生かすために行動を刻むのならば、

全てが「ありがたい贈り物」になります。

 

この「事件」とは全く関係ないですが、友人宅でインド家庭料理をいただきましたよ。

スパイスたっぷり。

友人家族が「手で食べる様子」にも、子ども達も今では慣れっこです。

素敵。

 

 

さて、引き続き春休み!

みなさん、新しい週、よい日々を!

 

 

追記:コメントを下さったるまさん。気にしないでくださいね。気軽にコメントくださって全く構わないですよ。


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2 コメント

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Unknown (るま)
2017-04-18 12:01:30
なるほどなー、と読ませていただきました。
英語が出来ないから躊躇する、というのはどうなんでしょう?
個人的な経験からだと、
「英語なんかどうとでもなるよ!」
なんですけどね。
英語が出来るから、コミュニケーションとれるわけでもないですし。
自信がないのか、欲がないのか?
日本の若者、物欲も性欲もないとか言われて久しいですが、30代でもこういう方多いな、と思います。
「海外で働くの楽しそう、かっこよさそう」とか「見たことないもの見てみたい」とかいう憧れやらより、恐れや不安が先に来ちゃうんでしょうね。
なのに、また二極化しているというのが面白いです。

マイコーさんのおっしゃる

>この「グローバル人材」というの、

文部科学省の提案する「21世紀型能力」に、

「語学力」と「異文化理解」を加えたようなイメージを持ってます

これが、最強ですね!
いいですね、うちの会社に欲しい(笑)

異文化理解って本当に大事だと思います!!
「空気が読めないから」というのも、まあ、わからなくもないですが、日本独特ですよね。
アメリカはまたわかりやすい感じですよね。
学生の時、ホームステイしていたお宅で、養女の娘が苛められていて、そんな話になりました。
「なんで?」という純粋な気持ちは持ち続けていかなきゃな、と改めて思いました。
知れば知るほど底なし沼な感覚もちょっと快感です。

P.S.
マイコーさん、優しい
わざわざ追記に書いてくださったり、本当にありがとうございます。あと、お手間とらせてすみません!
勢いで書くとロクなことない、とつくづく思いました。
るまさんへ、コメントありがとうございます! (マイコー)
2017-04-18 16:37:16
「英語なんてどうにでもなる」というの、分かるように思いますよ。完璧じゃなかろうが、間違えようが、「コミュニケートするぞ!」という意欲で相手に向き合い続けるうちに、上達していきますよね。

周りを見ていても、語学も大切だけれど、コミュニケーション力や誠実さやオープンさや相手を理解しようという姿勢などが大きいとつくづく思います。

「二極化」というの、面白いですよね。中国などはとにかくどんどん出てどんどん自国にスキルや知識や知恵やを持ち帰ってるわけですが、日本でも、「どんどん出るぞ!」という若者も増えているんですよね。

アメリカは、「空気を読もう」としていたら、幾種類もあって、どれを読めばいいんだとなりますよね。言葉で伝え合う、言葉に責任を持ち合う、「察する」とかなし。

「空気を読む」というのが、言葉にできない人への思いを馳せるという意味のみで使われるようになったらいいですよね。強者が「読め」と突きつけるのではなく。

私の周りにもいくつになっても好奇心全開で生き生きした方が何人もいます。その方たちを見上げ刺激をもらいつつ。

「どうやってるまさんに伝えたらいいかなあ?」と、「追記」という形になりました。これからも、よろしくお願いしますね!

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