昨夜夫が、心理学者でサイエンスジャーナリストのダニエル・ゴールマン氏(EQというコンセプトが世界中に広まる機会になった『Emotional Intelligence』の著者)の講演クリップを観ていて、私も最後の質疑応答部分の10分ほどだけ観たんですが、そこで、聴講者の一人が、こんな質問をしていました。
「私には3人子供がいるんですが、マシュマロを前にしたら、皆それぞれ違う反応をするように思います。育つ環境や働きかけも大切ですけれど、同じように育っても違うということは、生まれ持った性質というのも関係してますよね?」
(「マシュマロ実験」については、ひとつ前の記事「ハイリーセンシティブチャイルドと『マシュマロ実験』」参照。)
この質問に対し、ゴールマン氏は、「ハイリーセンシティブな気質というのは生まれつきらしい、刺激に「高反応」な赤ちゃん」でも紹介した心理学者ジェローム・ケーガン氏の研究をあげて説明しています。
周りからの刺激に対しての反応によって、その子の気質(temperment)を予測できるとしたケーガン氏は、
生後4ヶ月の時点で、
高度に反応した乳児は、シャイ、臆病、慎重、といった「抑制的な気質」に、
低度に反応した乳児は、社交的、自発的、大胆不敵(fearless)といった「非抑制的な気質」に育ったとしています。
それでも、その後の研究で、4ヶ月の時点で「高反応」だった乳児を追跡したところ、極度にシャイだったり不安感が強いといった抑制的な特徴のネガティブ面をそれほど示さない子達もいたといいます。
そこで、それはなぜかと調査したところ、親がその子が踏み出すのを躊躇しているような場面でも、「この子はシャイ」と決めつけたり、過度に守ることをせず、「大丈夫よ、いっておいで!」と見守り、励ますような姿勢をとっていたとのこと。
ゴールマン氏は、「生まれ持った性質は確かにあります、それでも性質と周りからの働きかけが絡み合い、その子は成長していくんですよ」と答えています。
「この子はこんな性質だから無理」と可能性を狭めず、踏み出す気持ちを励まし、心理学者エレイン・アーロン氏の提案する「自己肯定感を高め、恥の感情を抱え込ませず、思慮のあるシツケを心がけ、敏感さのポジティブ面を理解させる」といった「適した対応」を心がけていくこと。
そうして、より自由な気持ちで、「敏感さ」という性質を生かし、人生を謳歌するHSCが増えていくといいですね。
HSCに関わるみなさん、お互い、肩の力を抜いて、できることをしていきましょうね。
みなさん、今日もよい日をお送りください!