鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

ゲイ賛歌の映画「ムーンライト」を観賞して、感激する気にはなれないのは遅れているのかしら?

2017-05-03 | Weblog
 2日は東京・日比谷の東宝シネマズで、ことしの第89回米アカデミー作品賞を受賞した映画「ムーンライト」を観賞した。平日とはいえ、ゴールデンウイーク連休中なので満員とはいかなくてもまずまずの入りだった。冒頭から米国ロスアンゼルスの黒人街に住むいじめられ少年をめぐる物語で、見ているうちにこの先どんなロマンな展開が繰り広げられるのかと期待を持って見ていたが、最後は今はやりのLGBTを賛歌する期待外れの結果に終わった。米国では一般的なのかもしれないが、日本ではまだ少数派のゲイを真正面から取り上げる映画は現れないだろう、と思った。

 「ムーンライト」は米国の黒人街で豪華な車を運転する黒人ファン、実は麻薬のディーラーが配下の売人を見回るシーンから始まる。そして場面は一転して、黒人の主人公のシャロンが仲間の黒人少年らに追いかけられ、人の住まない空き家に逃げ込み、じっとしているとファンが窓を蹴破って入ってきて、やさしく声をかけてくれる。困っている少年に幼き頃の自分を重ねたうえでの行為のようで、その後レストランに連れていき、果ては彼女のステラの家で食事までご馳走してくれる。少年はその日はステラの家に泊まり、翌日家に帰り、母親から厳しく叱声される。

 この母親が実は麻薬中毒で、ファンから麻薬を買っているこが判明し、ある日母親は自分の息子がファンになついていることを知り、なぜシャロンをかわいがるのか、と迫る。ファンはそんなことになっていたとは知らず、答えられない。それでもシャロンは麻薬に溺れる母親を嫌い、度々テレサの家に泊まりに行く。ただ、仲間からいじめられることだけは続いて、仲間の一人であるケヴィンとだけは親しく付き合うようになる。

 高校生になってもいじめは続きシャロンは逃げ回り、時にはテレサの家に泊まりに行くが、母親に見つかるといい顔をされない。すでにファンは他界していて、落ち着ける場所はテレサの家しかなくなっている。そんなある夜、気に入っている海岸に来てのんびりしていると、そこへやってきたケヴィンが話しかけてきて、2人は愛し合うこととなってしまう。それから数日して、ケヴィンが仲間にけしかけられてシャロンをぶんのめす暴力沙汰が起きる。先生から「だれにやられたかを告白しなさい」と言われても何もいわないシャロンは翌日、教室で仲間の一人を椅子でぶん殴る行為に出て、少年院送りとなり、街をあとにする。

 それから数年後、アトランタの街で麻薬のディーラーとなったシャロンはある夜、ケヴィンから電話ももらい、メヴィンが故郷でレストランを経営している、と言われ、懐かしい思い捕らわれる。養老院のようなところにいる母親を見舞った後に、思い出してケヴィンの元を訪れる。最初はぎこちなく語らっているものの、そのうちに2人はケヴィンの家で昔のことを話し、シャロンの「私を触ったのはお前だけだ」との一言で、2人はかつての思いを取り戻し抱き合ったところで幕となる。

 見終わったエンドタイトルでエグゼクティブ・プロデューサーとしてブラッド。ピットの名前があるのを見つけた。こんな映画がアカデミー作品賞をとるとは日本では考えられないことである。それだけ米国ではゲイが市民権を得ているのだな、と実感した。LGBTといわれているが、こうして公開の場で大っぴらに賛美されているのを見て進んでいるとしか思えないのは遅れているのかしら、と思った。
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